| 九分九厘、勝利を手中にしていながらも、まさかのサヨナラ負けを喫し、野球の怖さを改めて知った第一試合から数分後、Ｓリーグ第12回大会の最終試合、そして2004年ジュピターズの最終戦を迎えた。対戦相手は今大会破竹の９連勝ですでに優勝を決めている明治乳業。相手にとって不足なし、せめて一矢報いたいと前試合の悪夢を振り払い意気揚々に臨んだ。 ところが先発仁上がいきなり先頭打者に死球をぶつけ波乱の予感。案の定、２回に４本のヒットを集中され一挙３点を許してしまう。だが直後の３回表、先頭の高橋がスリーベースを放ち反撃の狼煙を上げると続く田辺はボテボテの内野ゴロ、しかし当たりが悪かったのが幸いし出塁。無死一、三塁のチャンスを迎えた。ここで次打者の箕浦はベンチの大声援に応え、フルスイングながらも打球はギリギリ右翼線に落ち、さらにボールはファールゾーンを転々とする。その間に高橋そして一塁から田辺も長駆ホームイン。打った箕浦も三塁へ達する見事な箕浦にしか打てない「部長無礼講打法」で２点タイムリー。その後、後藤の内野ゴロの間に箕浦も生還し一気に同点に追いついた。 同点にしてもらった後、マウンドの仁上は打者への攻め方を一転、直球主体の正攻法から、あえて緩い球を多用して豪打を誇る相手強力打線を封じ込めていく。打者は緩い球に待ちきれずに手を出し内野ゴロの山を築いた。これはよくジュピターズ打線が嵌るパターンであるが捕手の則が勇気を持って緩い球主体のリードに切り替えた。３回には満塁のピンチ、４回には先頭打者をヒットで出すが、その後を見事に抑え徐々にペースをつかんでいった。しかし５回、思わぬ落とし穴が待っていた。 内野安打でランナーを背負いながら二死まで取るが次打者に打ち取った当たりながらショートとセンターの間に落とされるヒットを打たれ１点を許してしまう。さらに二死一、三塁の時に則が三塁へ牽制、これが悪送球となりレフトまで転がり三塁ランナーが生還、レフト佐藤が内野へボールを返すが、これがまた悪送球となり一塁ランナーまでもがホームへ帰ってくる。守りに定評のある２人の信じられない連続エラーでこの回３点を与えてしまい万事休すとなってしまった。６回裏にマウンドに登った手塚もランナーを背負いながら好投しただけに５回のエラー絡みの失点が悔やまれた。 だがジュピターズ打線も３回に３点を取ってからは代わった投手に対しては完全に沈黙。４回〜７回までヒット２本に抑えられ８奪三振と全くいいところがなく、このまま試合終了。Ｓリーグ第12回大会そして2004年ジュピターズの最終戦が終わった。 結局、Ｓリーグは４勝６敗と勝率５割を切りながらも勝ち点で並んだフラワーズとの得失点差勝負に僅差で勝ち、第三位に滑り込んだ。とても不本意な第三位であるが…。そして1990年の創設以来15度目のシーズンとなった2004年は、雨天順延続きもあったが昨年と同じく過去最多タイの23試合を戦うことができ14勝９敗の成績で長いシーズンの幕を閉じた。注目のタイトル争いは西浦が手塚と僅か１厘差で首位打者を獲得。佐藤は２年連続して打点と本塁打の二冠に輝いた。盗塁は菊池が初受賞しチームの最年長タイトルホルダーの記録を更新した。逆に最高出塁率にはチーム最年少の高橋が嬉しい初タイトルとなった。 創設２度目となる２月開幕の今季は梅雨期間に中止が１度もなかったがＳリーグの後半戦に入ってから大型台風の影響などで度重なる順延が続いた。結局、Ｓリーグで２度、PSGで１度のダブルヘッダーもあり23試合を無事消化することが出来た。来季はチーム創設15周年の記念すべき年である。先ほど完成した記念ユニフォームを着て心機一転、チーム永遠不変のスローガン「楽しみながら勝つ」の下、一致団結して楽しんでもらいたい。今年も長いシーズンお疲れ様でした。しばらくの間、ゆっくりと身体を休め、また新しい戦いに備えてください。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 6 | 伊藤 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .171 | 三安 | … | 一飛 | … | … | … | … |
| 4 | 菊池 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | .265 | 三振 | … | … | 遊ゴ | … | … | … |
| 3 | 西浦 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .404 | 捕飛 | … | … | 三振 | … | … | … |
| D1 | 手塚 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .403 | 遊飛 | … | … | 左安 | … | … | … |
| 7 | 佐藤 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | .280 | … | 死球 | … | 三振 | … | … | … |
| 2 | 則 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | .277 | … | 二ゴ | … | … | 三振 | … | … |
| 5 | 鈴木 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | .132 | … | 遊飛 | … | … | 三ゴ | … | … |
| D | 北島 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .361 | … | 一飛 | … | … | 三振 | … | … |
| 9 | 高橋 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .324 | … | … | 中３ | … | … | 遊ゴ | … |
| 8 | 田辺 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .233 | … | … | 投安 | … | … | 三振 | … |
| D | 箕浦 | 2 | 2 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | .218 | … | … | 右３ | … | … | 三振 | … |
| 1D | 仁上 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .222 | … | … | 投ゴ | … | … | … | 左安 |
| D | 長谷川 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .212 | … | … | 四球 | … | … | … | 三振 |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .108 | … | … | 投ゴ | … | … | … | 三振 |
| 合計 | 28 | 26 | 6 | 3 | 2 | 9 | 0 | 7 | 試合時間1時間45分 | ||||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ● | 仁 上 | 5 | 29 | 8 | 3 | 4 | 2 | 2.14 | 85 |
| 手 塚 | 1 | 5 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0.00 | 16 |
