| ６月11日に一時中断したＳリーグ第14回大会。第五節を終えた時点でジュピターズはゼファーズと並び４勝１敗ながら、得失点差により開幕より首位をキープしたまま中断を迎えた。その後、夏場は精力的にプレ･シーズンゲームを戦い、また恒例の夏合宿で体をいじめて夏のプレ･シーズンゲームも夏合宿中に行われた栃木県一部所属のチームに負けた以外はいずれも快勝し、再開に向け体制を整えていた。そして中断から約２ヶ月半、ついにＳリーグが再開。新たなジュピターズ伝説への一歩を再び踏み出すものと思われていた。しかし…。 再開初戦の相手は昨年、ノーヒットノーランを含む２連敗を喫し、苦手意識を持っていたフィッシャーズ。しかし今大会の第四節でその苦手意識を完全に払拭する勝利を挙げ、試合に臨む意気込みは明らかに違っていた。初回、いきなり２つの四球と３ヶのエラーでノーヒットで２点を先制し、いつでも点は取れると少し甘く見てしまったのかもしれない。そこから深い落とし穴にはまってしまった。２回に１点を返されたが、すぐその直後に田辺の二塁打に盗塁、菊池の犠牲フライで１点を取り返し、完全にジュピターズペースで試合は流れていくものだと錯覚に陥った。 だが、その錯覚は間違いであり、すぐに現実に戻された。先発の仁上は初回から球にキレがなく、相手の早打ちに助けられていたが、３回に３本の長短打でつかまり一挙５点を奪われ逆転されてしまいKO。次の回より長谷川にマウンドを譲った。 ３点差を追うジュピターズは３回に岡村が四球、高橋が死球と無死一、二塁のチャンスを作り、すかさず盗塁で二、三塁とするものの伊藤が内野フライ、手塚はセンターへ浅いフライを打ち上げる。これを三塁ランナーの岡村が果敢にタッチアップを試みるが、センターよりダイレクトに返ってきた送球で憤死。ダブルプレーとなりチャンスを逸する。それでも４回に四球や暴投の間に２点を返すが、この回の攻めも粗かった。しっかりと集中して攻めていれば同点、いや逆転できたはずである。先頭の佐藤がヒットとエラーで二塁に達し、盗塁で三塁へ。則は三振に倒れたが続く仁上が四球を選びすかさず二盗。一死二、三塁で鈴木の打球はボテボテの投手ゴロ。これに三塁ランナーの佐藤が飛び出てしまいタッチアウト。ここで二塁ランナーの仁上は三塁へ進塁することを怠った。結局、仁上と鈴木はダブルスチールで二死二、三塁から投手の２度の暴投で生還する。次打者田辺も四球で二盗に成功するものの三塁を狙いすぎて牽制死。相手投手が勝手に崩れてくれていたのに、佐藤の飛び出しや田辺の牽制死がなければ、さらに追加点が臨めただけに雑な攻撃が残念である。 ５回にも後藤、岡村の連続死球からダブルスチールでチャンスは作ったが得点には至らず、あれだけ夏場のプレ･シーズンゲームで爆発してきた自慢の打線は僅か２安打に封じられてしまった。結局、６回に長谷川が１点を失い７−５でゲームセット。いきなり再開初戦で痛恨の黒星を喫してしまい、苦しい立場となってしまった。 僅か２安打に抑えられても、仁上の不調などで７点を奪われても、この試合は攻め方さえ間違わなければ黒星を喫することはなかったのではないだろうか？四死球８ヶ、盗塁数12ヶとそれだけ多くのチャンスを相手からもらっていた。２点を先制した初回も満塁の走者を残塁させてしまった。３回もタッチアップに失敗、４回は走塁ミスに牽制死と数多くのチャンスをもらいながらも勝手につぶしてしまった。練習試合と違い、Ｓリーグの場合、そのようなミスが出た方が負けである。初回にノーヒットで２点を相手からもらったにもかかわらず、自分たちの力で奪ったと勘違いし、いつでも点は取れると少し勘違いしながら試合は進み、気付いたときには手遅れであった典型的な負けパターンの試合であった。 これで２敗目を喫してしまったＳリーグ、もう１敗もできない状況に追い込まれた。気持ちを切り替え、今季スローガンである「１試合完全燃焼」の気持ちを胸に、残り４試合を全勝する意気込みで臨んでもらいたい。Ｓリーグは練習試合とは違う。少しでも気を抜けば敗北に直結する相手ばかりなのだ。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 9 | 岡村 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | .367 | 三飛 | … | 四球 | … | 死球 | … |
| 7 | 高橋 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | .333 | 四球 | … | 死球 | … | 二ゴ | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .317 | 投失 | … | 二飛 | … | … | 遊飛 |
| D | 手塚 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .289 | 三失 | … | 中飛 | … | … | 三ゴ |
| 3 | 佐藤 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | .281 | 三失 | … | … | 中安 | … | 遊ゴ |
| 2 | 則 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | .257 | 四球 | … | … | 三振 | … | … |
| 1D | 仁上 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | .500 | 捕ゴ | … | … | 四球 | … | … |
| 5 | 鈴木 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .143 | 投ゴ | … | … | 投ゴ | … | … |
| 8 | 田辺 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | .222 | … | 中２ | … | 四球 | … | … |
| 4 | 菊池 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | .160 | … | 右犠 | … | … | 遊ゴ | … |
| D1 | 長谷川 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .235 | … | 中飛 | … | … | 二ゴ | … |
| D | 後藤 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | .103 | … | 三振 | … | … | 死球 | … |
| 合計 | 29 | 20 | 2 | 1 | 8 | 2 | 12 | 1 | .260 | 試合時間１時間45分 | ||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ● | 仁 上 | 3 | 16 | 5 | 1 | 1 | 5 | 3.27 | 57 |
| 長谷川 | 3 | 13 | 3 | 0 | 1 | 1 | 2.29 | 46 |
