| 乾燥した晴天の続く11月には珍しく朝からどんよりとした曇り空。いつ雨が降ってきてもおかしくないような天候であった。案の定、天気予報通り、試合開始前からポツポツと小雨が落ちてきた。全力の17年目、2006年シーズンもいよいよ残り２試合、いや来週の修善寺遠征試合が雨天で中止になったりしたら、この試合が今季最終戦となる。熾烈を極めたタイトルホルダー争いも佳境、冷たい北風が吹きすさぶ大宮のグランドに熱い気持ちを持ったナインは集まった。 今季のチーム成績は20戦16勝４敗、Ｓリーグ第14回大会を優勝で飾り、現在６連勝中である。Ｓリーグを終えても集中力を切らさず、今季のチームスローガン「１試合完全燃焼」を実践していることが数字からも証明されている。 しかし、この試合に西浦、則のレギュラーが欠場、手塚も手首を痛めて守備につけないという強豪相手に苦しい布陣で臨むことになった。前試合、電撃復帰を果たした北島が復帰後、初のマスクをかぶり扇の要に座る。思えば昨年の今日、11月19日に修善寺で涙の卒業をしたはずだった北島だったが、一年後再びマスクをかぶっているとは誰も予想していなかった。北島らしいといえば、それまでであるが…。ファーストには佐藤、サードに長谷川を配し、12月中旬並みの気温10度の中、今季21戦目はプレイボール。 実力は対戦相手の方が遥かに上だった。ジュピターズは４イニング連続三者凡退に抑えられ、４回で早くも７個の三振を奪われ、外野に打球は一度も飛ばせずにいた。しかしジュピターズ先発マウンドの高橋は相手以上のピッチングを披露した。なんと６回まで許したランナーは２回に伊藤のエラーで出したランナーのみ。無四球でノーヒットノーランを続ける快投で投手戦の様相となった。最高のピッチングを披露している高橋を何とか援護したい打線は５回、先頭の岡村が敵失で出塁。これがチーム初のランナーである。岡村は積極的に二盗を敢行。続く高橋はバットでも輝いた。相手投手のボールに逆らわずに上手くレフト前に流して両チーム通じて初のヒットを放つと二塁ランナーの岡村は駿足を駆って一気にホームイン。待望の先取点はやはり恐怖の１、２番コンビによってもたらされた。続く仁上は平凡な一塁ゴロだったが、これを一塁手が後逸し間一髪セーフで無死一、二塁とチャンスは続く。ここで４番の佐藤がレフト前にクリーンヒット、これを左翼手が後ろに逸らした間に二塁ランナー高橋が生還。さらに手塚の打席の時に投手の暴投があり仁上がホームを駆け抜け相手のミスに乗じて３点を奪った。さらに７回、先頭の後藤、岡村と連打で続き、暴投の間にそれぞれ進塁。一死後に仁上の内野ゴロで後藤が生還。さらにパスボールで岡村も還って２点を加えて５点差として試合を有利に進めた。 快投の続く高橋は最初から飛ばしてきたので疲れの見えてきた７回、先頭打者についに初ヒットを打たれる。なんとか踏ん張り二死まで取ったが、この試合初の四球を与え、さらに盗塁を許して二死二、三塁のピンチを招く。続く打者の打球はフラフラと二塁ベース後方へ上がったフライ。しかし守備範囲の広い伊藤なら捕球できると思い、打ち取ったと誰もが思ったが打球に追いついた伊藤がまさかの落球で二死のためにスタートを切っていた２者が還り二点を与えてしまった。結局、高橋は７回を１安打ピッチングでマウンドを降り、８回から仁上がマウンドへ登る。いきなりヒット、四球、ヒットと満塁のピンチを迎えるが後続を抑えて得点を許さない。最終回もヒットでランナーを出すものの拙攻に助けられ無失点で終わってみれば５対２で快勝。 この試合、打撃陣が相手投手に奪われた三振数は13ヶと今季最多である。９イニング中、三者凡退したイニングは６回もあり、チャンスは２度しかなかった。その２度のチャンスを確実に得点に結びつけたことが勝利につながった。体の芯から冷えるような冷たい雨と風の悪条件の中でも、相手の失策や暴投などのミスを見逃さずに集中して戦えたことが得点に結びつき、それが勝利にも直結したと言える。ここぞという時に勝負強さが出るのはＳリーグを優勝したという自信からなのだろう。今季初、２年ぶりの７連勝であり、創設初の４試合連続自責点ゼロ試合の記録も更新した。 いよいよ土曜日には今季最終戦の修善寺遠征。最後の試合は勝敗よりも親睦試合の意味合いも強いが、天候に恵まれて有終の美を飾れる楽しい試合ができることを望みたい。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
| 97 | 岡村 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .375 | 三飛 | … | … | … | 三失 | … | 左安 | … | … |
| 1D | 高橋 | 3 | 3 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | .342 | 三振 | … | … | … | 左安 | … | 三振 | … | … |
| 71 | 仁上 | 3 | 3 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .400 | 三振 | … | … | … | 一失 | … | 一ゴ | … | … |
| 3 | 佐藤 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .275 | … | 三振 | … | … | 左安 | … | 三振 | … | … |
| D | 手塚 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .296 | … | 遊ゴ | … | … | 四球 | … | … | 遊ゴ | … |
| 8 | 田辺 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .233 | … | 三振 | … | … | 左飛 | … | … | 投ゴ | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | .298 | … | … | 三振 | … | 三振 | … | … | 中安 | … |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .154 | … | … | 遊ゴ | … | 三ゴ | … | … | 遊ゴ | … |
| D9 | 箕浦 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .200 | … | … | 三振 | … | … | 三振 | … | … | 投飛 |
| 5 | 長谷川 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .178 | … | … | … | 三振 | … | 三ゴ | … | … | 三振 |
| 2 | 北島 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | … | … | … | 一ゴ | … | 二ゴ | … | … | 三振 |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .184 | … | … | … | 投ゴ | … | … | 左安 | … | … |
| 合計 | 35 | 34 | 5 | 2 | 1 | 13 | 2 | 2 | .255 | 試合時間2時間5分 | |||||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 高 橋 | 7 | 26 | 1 | 5 | 2 | 0 | 1.98 | 91 |
| Ｓ | 仁 上 | 2 | 9 | 3 | 0 | 1 | 0 | 2.35 | 30 |
