| 「１試合完全燃焼！〜全力の17年目〜」と題して臨んだ2006年シーズンも最終戦を迎えた。今季は草野球の天敵とも言える雨天中止も少なく、順調に試合消化ができた１年でもある。４年ぶりにＳリーグを制し、チームの勝敗も久しぶりに15勝を超えた。昨年は絶不調だった打線も今年は年間を通して深刻なスランプに陥ることもなく投打のバランス良く戦えた１年だったのではないだろうか。そんな2006年シーズンの締めくくりとして、昨年、チーム創設15周年記念のイベントとして行われた修善寺での遠征試合が好評につき、今年も連続して行われることになり今季最終戦の場となった。 静岡県修善寺にある志太スタジアム。東京ドームとほぼ同じ大きさの内外野とも人工芝の素晴らしいスタジアムで２年連続しての地方遠征試合。今年はＳリーグの盟友でもあるフィッシャーズが同行し、試合を行う。しかしフィッシャーズ選手は５名のため、御殿場で活動している３名が助っ人で加わり、さらに我がチームの鈴木がフィッシャーズ側に入って戦うことになった。山に囲まれた中伊豆にある修善寺だが、昨年よりも穏やかで暖かい陽射しを受けながら30分ほど練習した後にプレイボール。2006年シーズンを締めくくる最後の試合が修善寺の地で開始となった。 先攻のジュピターズは先頭の田辺が出塁すると、すかさず二盗、三盗でチャンスを作る。この試合前まで盗塁王を争う高橋と４ヶ差。トップの高橋は修善寺遠征に参加していないために逆転タイトルに大チャンスであるために積極的に走った。一死後に仁上がセンター前に抜けるタイムリーを放って幸先良く先取点を奪う。この仁上も岡村と激しい首位打者争いを演じていた。この最終戦で規定打席に到達は確定。あとは自らのバットでヒットを打たない限りは修善寺遠征に参加していない岡村に逆転されてしまう。しかし、この１本のヒットで残り３打席凡退したとしても岡村より上の打率でシーズンを終えることができ、いきなり一打席目で首位打者を確定させた。仁上の適時打で先制後、敵失もあって初回に２点を奪うと４回には手塚、伊藤の連続タイムリーで２点、５回には田辺、菊池の連打の後に仁上が再びタイムリーを放ち１点を加え、５回を終え５対０とリードを広げる。 先発マウンドを任された長谷川は昨年の修善寺では僅か1/3しか投げれずにKO。しかし、この日のピッチングは昨年とは違った。初回の先頭打者にいきなりヒットを打たれたり、２回には一死からスリーベースを打たれたりするが連打を許さず後続をキッチリと抑える。３回にも振り逃げで、４回にも無死からヒットとエラーでランナーを許すが相手の拙攻にも助けられ相手のスコアボードには０が刻まれていく。いつ捕まっても、いつ崩れてもおかしくないような雰囲気であるが、のらりくらりと相手のバットの芯にボールを当てさせない前回の先発時と同じような、かわすピッチングで相手打線を翻弄していた。 そして６回、ジュピターズの攻撃。手塚が四球で出るが伊藤の内野ゴロでランナーが入れ替わり一死一塁。伊藤は二盗、暴投の間に三塁へ。すかさず西浦のタイムリーで生還し１点を追加。そして打席には則が入る。ここで大きなアクシデントが起こってしまう。則の放った打球は大きな放物線を描いて左中間に延びていく。御殿場から来た助っ人選手が左翼手、中堅手だったが２人が打球めがけて一直線に走り激突。その際、今まで耳にしたことのないような激しい衝突音。２人とも外野の人工芝に倒れ起き上がれない状態。無情にも打球は捕球されておらずコロコロと外野フェンスの方へ転がる。インプレー中のために西浦だけでなく打った則もホームイン。則の今季初ホームランで２点を追加した。人工芝に倒れたままの２人はぶつかった衝撃で出血。１人は鼻から、もう１人は重傷で目の下を切り、すでに腫れてきていた。試合を一時中断し、地元・静岡県民の久保田が機転を利かせて近くの大学病院に連絡し、救急で診てもらえるように手配をする。御殿場からの助っ人３人は一台の車で来ていたので無傷の右翼手が運転＆付き添いで大学病院へ向かうために無念の気持ちで志太スタジアムを後にした。 このアクシデントにより約30分間の中断があったが、ジュピターズから外野に３人を貸して無死ランナー無しから試合を再開。それまの暖かな陽射しも陰り、肌寒さも感じるようになってきていた。しかしジュピターズの打線は止まらなかった。箕浦、長谷川が連打で続き、久保田が打った瞬間にレフトオーバーと分かる大きなタイムリーツーベースを放つ。久保田にとって2002年以来４年ぶりのヒットであり打点を挙げた。結局、この回５点を挙げてふた桁得点に到達。さらに最終回にも２点を追加し12対０と大量リードのまま最終回の守りへ。 今季初完封目前の長谷川だったが、中断した時間や気温が下がってきたこともあり肩が冷えてしまい、それまでとは別人のようなピッチング。結局５安打２四死球で一挙に６点を奪われるが何とか最後まで踏ん張り２試合連続完投勝利を挙げ見事に自己記録を更新する８勝目に到達した。 プレー中の事故とはいえ怪我人が出てしまうアクシデントはあったが、とりあえず２年連続で行われた修善寺遠征試合は今年も成功。そして長く険しかった2006年シーズンも無事に終了することができた。結局、気になるタイトルホルダーだが、この試合で２打数２安打を放ち、４割以上の打率に上げた仁上が首位打者。開幕から最後まで一度もトップを譲ることなく打点ぶっちぎりだった伊藤がＳリーグ打点王と併せてダブル打点王に輝く。本塁打王は岡村が新入団一年目で嬉しい受賞。修善寺で逆転を狙った盗塁王は田辺が１ヶ届かずに高橋が逃げ切ってＳリーグ盗塁王と併せダブル受賞。そして高橋は最高出塁率も手に入れ二冠達成した。気になる2006年MVPは来年の納会＆表彰式で発表される。短いオフを過ごし、また来年にはグランドで熱く暴れまわろうではないか。長い2006年シーズン、お疲れ様でした。 この試合後、今年もスタジアムに隣接するホテルに一泊、フィッシャーズを交えた一泊旅行は大成功。夏の那須につづき、秋の修善寺も毎年恒例になる気配…。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 田辺 | 4 | 3 | 2 | 0 | 1 | 1 | 3 | 0 | .261 | 四球 | … | 三振 | … | 中安 | 左安 | … |
| 4 | 菊池 | 4 | 4 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .163 | 三振 | … | 三ゴ | … | 右安 | 右飛 | … |
| 5 | 仁上 | 4 | 2 | 2 | 2 | 2 | 0 | 2 | 1 | .432 | 中安 | … | … | 四球 | 三安 | … | 四球 |
| 7 | 手塚 | 4 | 2 | 1 | 1 | 2 | 0 | 1 | 1 | .304 | 二飛 | … | … | 中安 | … | 四球 | 四球 |
| 6 | 伊藤 | 4 | 4 | 1 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | .295 | 三失 | … | … | 中安 | … | 三ゴ | 二飛 |
| 3D | 西浦 | 4 | 3 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | .265 | 二ゴ | … | … | 四球 | … | 右安 | 投ゴ |
| 2 | 則 | 4 | 4 | 1 | 2 | 0 | 2 | 1 | 0 | .222 | … | 三振 | … | 三振 | … | 中本 | 右失 |
| 9 | 箕浦 | 4 | 3 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .209 | … | 三ゴ | … | 二飛 | … | 右安 | 死球 |
| 1 | 長谷川 | 4 | 2 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | .191 | … | 四球 | … | 遊飛 | … | 右安 | 四球 |
| D3 | 久保田 | 4 | 4 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | .250 | … | 遊ゴ | … | … | 三振 | 左２ | 左飛 |
| D | 後藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .195 | … | … | 三振 | … | 投ゴ | 三振 | … |
| 合計 | 43 | 34 | 12 | 9 | 9 | 7 | 12 | 2 | .261 | 試合時間2時間20分（中断30分） | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 長谷川 | 7 | 32 | 7 | 3 | 3 | 4 | 2.35 | 94 |
