| 前試合を９月２日に行ってから、実に１ヶ月半近くも経ってしまった。台風９号が直撃した影響によりＳリーグのバトルフィールドでもある三郷のグランドは江戸川の氾濫とともに完全に冠水し、復旧に多くの時間を要した。ある程度、復旧し予定されていた９月30日は無情にも雨が降ったために順延。そして前試合から１ヶ月半、ようやく第15回・Ｓリーグは再開された。２度の順延があったために再開直後の対戦は、いきなり首位を走るゼファーズとの大一番。現在、３位のジュピターズにとって悲願の連覇のためには絶対に勝利が必要である。しかし、久しぶりの試合、それも長年の宿敵ゼファーズとの対戦とあって多数のメンバーが積極参加し、グランドには創設以来過去最多となる16名の選手が勢揃いした。その中には以前より度々、助っ人として参加していた有田が真新しい背番号１番のユニフォームをまとって輪に加わっていた。先日、チーム初のバックアップメンバーとして登録された有田は、誰もが認める実力から今まで長年欠番だった背番号１番を与えられた。背番号１番はチームが創設した1990年から1995年まで所属していた初代・４番打者の照井が1992年のチームMVPを受賞した際にチームから贈られた番号であり、Ｓリーグが設立開幕した1993年から1995年までの３シーズン、それまでの17番から１番を付けてプレーしていた。照井退団後、背番号１番を付けた選手は存在せず、なんと12年ぶりにジュピターズの背番号１番の選手が誕生した。そんな有田を加え、総勢16名が心をひとつにして試合に臨んだ。 毎試合、ゼファーズ戦は緊張感溢れる試合となるが、この試合も予想通りの展開となった。先発を任された仁上は初回に連打を浴びるが後続を抑えピンチを切り抜ける。しかし２回に３本の長短打で先取点を許してしまうものの、味方の好守により最少失点で切り抜けた。直後の３回表にジュピターズは先頭の有田が粘って四球で出塁するとすかさず盗塁でチャンスを作り、一死から相手のエラーの間にホームを踏んで同点とする。しかし３回裏に四球で出したランナーなどで二死一、三塁の時に一塁ランナーのリードが大きいと見るや、捕手の有田が牽制を投げるも、送球が高く浮いてしまい１点を与え、再びリードを許してしまう。 だが４回表に先頭の金子が敵失出塁すると積極果敢に二盗、三盗を成功させチャンスを演出。続く長谷川も四球を選んで当然のように二盗。ここで箕浦がライト前にポトリと落とすタイムリーで金子が生還し同点に追いついた。いまだ無死一、三塁で後藤が打席に入ると箕浦が二盗、さらに捕逸の間に長谷川がホームを踏んで逆転に成功。後藤も四球で出塁して二盗を敢行。期待の高橋、田辺と連続三振に倒れたが鈴木がセンター前に弾き返すタイムリーで箕浦がホームを駆け抜け、さらに佐藤が打席に入った時の暴投で後藤も生還し、この回一挙に４点を奪った。 リードをもらった仁上は４回、５回を０点に抑え、昨年ＳリーグMVPの実力を発揮したが６回、連続して内野陣にミスが出て一死一、二塁のピンチを迎えてしまう。ここで続く打者に左中間を大きく破られる走者一掃のタイムリースリーベースを浴びて２点を返され１点差に詰め寄られてしまう。次打者はセンターフライに打ちとり二死とするが次打者にライトに運ばれ同点打を許し、結局この回に２つのエラーの後、３安打で３点を奪われ試合を振り出しに戻されてしまった。 最終回、淡白に攻撃が終了した時点でジュピターズの勝利は消え、最後の守りへとつく。いきなり四球に暴投で無死二塁とサヨナラのピンチを背負った仁上だったが、迎えたクリーンアップを気迫の投球で退け、２時間に渡った白熱の攻防戦は５対５の引き分けとなった。首位のゼファーズに引き分けたことにより、自力での優勝は消滅したものの、まだ首の皮一枚にも満たないがチャンスは残っている。奇跡を起こすためには残り２試合を全力で戦って勝利するしかない。そうすれば何かが起きるかもしれない。最後まで気持ちを切らさずに戦っていこう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 6 | 高橋 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .400 | 死球 | … | … | 三振 | … | … | … |
| 8 | 田辺 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .286 | 二直 | … | … | 三振 | … | … | … |
| 5 | 鈴木 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | .382 | 遊飛 | … | … | 中２ | … | … | … |
| 7 | 佐藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .390 | … | 三ゴ | … | 三ゴ | … | … | … |
| D | 則 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .242 | … | 遊ゴ | … | … | 捕飛 | … | … |
| D | 手塚 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .184 | … | 三ゴ | … | … | 投ゴ | … | … |
| 2 | 有田 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | .000 | … | … | 四球 | … | 捕飛 | … | … |
| D | 菊池 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .237 | … | … | 三振 | … | … | 三ゴ | … |
| 3 | 西浦 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .257 | … | … | 一失 | … | … | 右安 | … |
| D | 北島 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .323 | … | … | 投失 | … | … | 中安 | … |
| 1 | 仁上 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .053 | … | … | 二ゴ | … | … | 投ゴ | … |
| 4 | 伊藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | .209 | … | … | 三ゴ | … | … | … | 三ゴ |
| D | 金子 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | .250 | … | … | … | 二失 | … | … | 三ゴ |
| D | 長谷川 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .172 | … | … | … | 四球 | … | … | 一ゴ |
| 9 | 箕浦 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | .167 | … | … | … | 右安 | … | … | … |
| D | 後藤 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .250 | … | … | … | 四球 | … | … | … |
| 合計 | 30 | 26 | 4 | 2 | 4 | 3 | 6 | 4 | .262 | 試合時間2時間 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| 仁 上 | 7 | 35 | 9 | 3 | 4 | 1 | 2.92 | 124 |
