| 前試合、Ｓリーグ第九節が行われてから１ヶ月以上が経過した。その間、試合日になるとタイミング悪く天候に恵まれず２度も順延となり、本来は今季の最終戦として予定していた修善寺遠征の日が来てしまった。過去２年はＳリーグの試合を終えてから修善寺に来ていたが、今年は順延続きのためにＳリーグ最終節を残したままの遠征試合となった。しかし伊豆特有のポカポカ陽気に恵まれ、穏やかな陽射しの下、３年目の修善寺遠征試合がプレイボールとなった。 昨年に引き続き、今年もＳリーグの盟友であるフィッシャーズさんが修善寺まで同行し、遠征試合としては初めての９イニング制の試合。しかしジュピターズは手塚、伊藤、高橋、岡村が遠征不参加。また地元の久保田も仕事のために遅れての参加のために、いつもよりベンチが広く感じた。 先発の仁上は前回の登板で通算勝利数で久保田と並ぶ42勝目を挙げ、一気に久保田越えを果たそうと奮起するが、初回の先頭打者に10球以上も粘られ、結局、エラー出塁させてしまい一気に三塁まで進まれてしまう。直後にパスボールでランナーを楽々と生還させてしまい先取点を奪われる。しかし２回裏に四球の則とヒットの金子を塁に置き、長谷川が右中間を深々と破るタイムリースリーベースを放って二者が生還し逆転に成功した。だが直後の３回表に４本のヒットを浴びて１点を失い同点にされてしまう。その後は両チームともランナーを出すものの決め手に欠いてスコアボードにゼロが並ぶが６回表、好投していた仁上が再びつかまり打者一巡の猛攻で２点を奪われてしまう。 ２点を追いかけるジュピターズはその裏、一死から箕浦がヒットで出塁、後藤が野選で生き、北島も内野安打を放ち一死満塁のチャンス。田辺が内野ゴロで箕浦がホームでアウトになり二死満塁となるが、前打席に二塁打（三塁を狙うも好返球が戻ってきたために三塁ベースでアウト）を放った鈴木が振り抜いた打球は低い弾道ながら左中間をアッという間に破る。一気に塁上の３人が相次いでホームを踏んだ。打った鈴木も今度は無理せず二塁で止まる。鈴木の２打席連続ツーベースは走者一掃で逆転に成功。さらに鈴木はすかさず三盗を決めて追加点のチャンスを作る。ここで４番の佐藤がレフト前に弾き返して鈴木が生還し、この回４点を奪った。 逆転してもらった直後の７回に二者をヒットで出してしまいピンチを背負った仁上だったが気合いで無得点に抑え２点リードのままでマウンドを長谷川に譲った。しかし８回に長谷川は一死からスリーベースを打たれ、さらに簡単に犠牲フライを打たれて１点を失う。最終回には先頭打者にヒット、続く打者に死球、そして四球と無死満塁のピンチを迎え、急造二塁手の箕浦のエラーで１点を失い同点、なおも無死満塁のピンチは続いた。次打者の打球は三遊間を抜けるような強い当たり、これを鈴木が横っ飛びで押さえ、すかさず三塁を踏み、そのままバックホーム。５−５−２のダブルプレーが成立。鈴木の冷静かつ見事な守備が一気にピンチを救った。 得点６対６で迎えた９回裏、ジュピターズ最後の攻撃は２本のツーベースに直前、見事な守備を披露し、ノッている鈴木から。その鈴木の打球はサードゴロだったが三塁手から一塁手の送球がホーム側に逸れる。一塁手はベースを踏まず、走ってくる鈴木にそのままタッチしようとしたところを鈴木は見事にかいくぐり一塁に生きた。サヨナラのランナーである鈴木は次打者佐藤の時に積極果敢に二盗、三盗で無死三塁と絶好のサヨナラのチャンスを演出。しかし佐藤はフルスイングの三振で一死となる。続いて打席には則が入る。練習中に脇腹を痛めてフルスイングのできない則は最初から完全なる右狙い。バットから力なく弾かれた打球は一、二塁間へ。二塁手が捕球し三塁ランナーの鈴木を見ながら一塁へ投げるが、すでに半分以上もリードしている鈴木、そして二塁手が一塁へ投げようとした直後、抜群のタイミングでスタート、見事にホームを駆け抜け３年目の修善寺遠征試合はサヨナラ勝利で幕を閉じた。 この試合、走好守に大活躍の鈴木は今季２度目の猛打賞を放ち、打率を４割台に乗せ今季初めて首位打者に立ち、初の打率タイトルにリーチをかけた。次試合欠場のため盗塁数を稼いで今季を終えたかった田辺は２盗塁をマークし、２年ぶりのタイトルへ大きく前進した。１安打を放ったものの３三振と精彩を欠いた佐藤だったが打点を１つ上乗せし本塁打とあわせて二冠はキープ。しかし狙いはあくまで２度目の三冠王。最終戦に首位打者奪還に全てを賭ける。最高出塁率も鈴木がトップに立ったが僅か２厘差で後藤がピタリとつけている。最終戦に１打席でも出塁すると逆転となる。来週のＳリーグ最終節が18年目の今季最終戦でもある。悲願の連覇は厳しい条件であるが決してクリアできない条件ではない。この修善寺遠征で見せた全員野球を実践すれば必ず結果はついてくるはずだ。高い志を持って最後に奇跡を起こし師走の空に歓喜の雄叫びをあげよう。 この試合後、今年もスタジアムに隣接するホテルに一泊、フィッシャーズさんを交えた一泊旅行は今年も大成功。すでに修善寺遠征も毎年恒例行事である。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
| 2D | 北島 | 4 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .314 | 投飛 | … | 二飛 | … | … | 遊安 | … | 三失 | … |
| 8 | 田辺 | 4 | 4 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | .280 | 右安 | … | 三振 | … | … | 三ゴ | … | 中飛 | … |
| 5 | 鈴木 | 4 | 4 | 3 | 3 | 0 | 1 | 3 | 2 | .415 | 三振 | … | … | 左２ | … | 中２ | … | … | 三安 |
| 72 | 佐藤 | 4 | 4 | 1 | 1 | 0 | 3 | 2 | 0 | .375 | 三振 | … | … | 三振 | … | 左安 | … | … | 三振 |
| D | 則 | 4 | 3 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | .237 | … | 四球 | … | 遊ゴ | … | 左飛 | … | … | 二ゴ |
| 3 | 西浦 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .268 | … | 二飛 | … | … | 右飛 | … | 中飛 | … | … |
| 46 | 菊池 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | .227 | … | 一飛 | … | … | 三振 | … | 右安 | … | … |
| 9 | 金子 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .313 | … | 中安 | … | … | 四球 | … | 一ゴ | … | … |
| 671 | 長谷川 | 3 | 3 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | .176 | … | 右３ | … | … | 二ゴ | … | 三振 | … | … |
| 17 | 仁上 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .042 | … | 投ゴ | … | … | … | 投ゴ | … | 投ゴ | … |
| D4 | 箕浦 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | .179 | … | … | 三振 | … | … | 左安 | … | 三振 | … |
| D | 後藤 | 3 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .290 | … | … | 三安 | … | … | 野選 | … | 中安 | … |
| 合計 | 41 | 39 | 12 | 7 | 2 | 9 | 11 | 5 | .266 | 試合時間2時間35分 | |||||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| 仁 上 | 7 | 41 | 11 | 4 | 6 | 2 | 2.50 | 122 | |
| ○ | 長谷川 | 2 | 12 | 2 | 0 | 3 | 1 | 7.55 | 32 |
