| 今年のＳリーグ第15回大会は前半五節を雨天順延なく予定通り消化し、後半も七節までは順調に終えていたが、久しぶりに関東直撃した台風の影響によりグランドが冠水したため順延が続いた。１ヶ月以上も間が開いた後に復旧したグランドで大会も再開し、九節まで行った後に再び雨天順延が続く。また、タイミングの悪いことに11月はサンケイスポーツセンターにて大規模な少年野球大会が組まれたために順延となった分の振替を11月中旬に取ることができず、2001年の第９回Ｓリーグ紅葉杯以来６年ぶりとなる12月に最終節が組まれることになった。その間、ジュピターズはＳリーグの日程が流動的だったために練習試合も組めず、本来はＳリーグ終了後に行う予定で今季最終戦と考えていた３年目の修善寺遠征での試合が最終節よりも先に行ってしまい、Ｓリーグ最終節が2007年シーズンの最終戦となった。 約１ヶ月半前に行われた第九節に於いて、首位のゼファーズがフィッシャーズに敗れ、フラワーズが首位に上がったため、最終節にフラワーズとの直接対決を残していた３位のジュピターズにも自力優勝の可能性が復活。悲願の連覇を果たすべく対戦を心待ちにしていたが、度重なる順延でモチベーションを持続させるのも厳しかった。しかも忙しい12月に突入したことにより無念の欠場者が相次いだ。さらに当日欠場者や遅刻者も出るハプニングを抱えた中で今季最終戦、Ｓリーグ第15回大会の最終節は開始された。 幸い12月とは思えないほどの暖かな陽気に恵まれ今年最後のグランドに集結したのは９選手（＋１名は遅刻のため試合開始に間に合わず）さらに心強い助っ人として高橋の学生時代の野球ライバルも参戦してくれた。いつもに比べベンチが寂しくベストメンバーには程遠いが、この少数精鋭で悲願の連覇に真っ向から挑んだ。 初回、先頭の高橋が死球で出塁、２番の助っ人三和がヒットで続き、久しぶりにクリーンアップに座った手塚も四球を選んでいきなり無死満塁の大チャンスを迎える。しかし佐藤、西浦が相次いで内野ゴロでホームに向かったランナーが刺され、あっという間に二死となる。だが続く伊藤が粘って押し出しの四球を選んで先制に成功した。先発の高橋は最初から気迫を前面に出して飛ばした。初回を二者連続三振を含む三者凡退で抑え、２回は連打と自らのエラーで無死満塁のピンチを迎えるものの後続を二者連続三振、さらに次打者は中途半端な内野への小飛球、これを入団以来初めて二塁手に起用された金子が判断よく飛び出して走りながら好捕し三者残塁に抑えた。しかし３回、先頭打者に死球をぶつけ、さらに二盗を許した直後に二塁打を浴びて１点を献上。同点に追いつかれてしまう。その後も２四球で再び満塁のピンチを背負うが、要所を締めて最少失点で切り抜けた。 同点とされた直後の３回裏、一死より佐藤の放った鋭い打球はワンバウンドして左翼手を飛び越えても勢いが止まることなく深い外野の一番奥まで転がる。息を切らしながら佐藤はダイヤモンドを一周、佐藤の勝ち越しアーチは1994年に則が記録して以来、13年もの間、君臨していた年間最多本塁打数に並ぶ貴重な今季６号ホームラン、さらに今大会Ｓリーグ本塁打王を決める一本となった。佐藤のホームランに気落ちしたのか、その後、西浦、伊藤が相手投手から連続四球をもらって出塁。さらに金子の内野ゴロが敵失を誘い、その間に１点を加えリードを２点に広げた。続く４回には敵失の箕浦と四球の仁上を塁に置いて一死から北島が見事な２点タイムリーを放つ。さらに高橋も敵失出塁し、助っ人の三和がタイムリーツーベースを放ち１点を追加した。 ４回を全力投球し１失点の好投で投げ抜いた高橋に代わり５回からマウンドには仁上が登る。しかし、いきなり味方のエラーでランナーを出すと、直後にワイルドピッチ、さらに三振を奪うものの捕手の北島が後逸して振り逃げで生かしてしまう。その後もワイルドピッチが続いて簡単に１点を献上し、さらに四球に死球と無死満塁のピンチを迎えてしまう。続く打者の当たりは一、二塁間をライナーで抜けるような鋭い当たり、これを金子が反応良くキャッチし慌てて各ランナーが戻る。抜けていれば２点は入っていたかもしれない当たりだったが、金子の反射神経の良さに助けられてから相手に傾きかけていた流れが戻ってきた。次打者が放った打球はライトフライ。犠牲フライには十分で三塁ランナーがタッチアップし１点を奪われたと思ったが、ベンチに退いていた佐藤が三塁ランナーのタッチアップが早すぎたのを見逃さず、ボールを三塁手の手塚に送ると主審もしっかり見ていてくれてアウト宣告。ダブルプレーにより最少失点で危機を脱した。 その後、仁上は本来の力を戻し、ランナーは出すものの要所を締めて無失点に抑え、結局、今季最終戦でもありＳリーグの最終節は首位のフラワーズに対し僅か４安打ながらも全てが得点に絡む効率の良い攻めを見せて６対２で快勝、欲を言えば得失点差を考え、もう少し得点が欲しかったが少数精鋭で臨んだ試合、参加メンバーの全員が最初から最後まで緊張感を持続させて心をひとつにして本当に頑張った結果である。 隣のグランドではゼファーズがミラーズに８対１で勝利。この時点で勝ち点では並んでいるものの、僅かな得失点の差によりジュピターズの２年連続優勝の夢は消えた。しかし、最後まで諦めず戦っての準優勝は胸を張ってもいい。そして、この悔しさをバネにして来季は再び覇権を奪回しようではないか。今大会、各チームから１名選出されるMIPにはＳリーグ無傷の３勝を挙げた高橋が２年連続で選出された。 尚、試合数こそ20試合と近年に比べ少なかったが、12月まで入り、いつもより長いシーズンだった2007年も無事に終了、各タイトルホルダーが決定した。首位打者と最高出塁率には修善寺遠征で大活躍した鈴木がともに初受賞。打点と本塁打は佐藤が他を寄せ付けることなく二冠達成。本塁打に関してはＳリーグタイトルとダブル受賞である。盗塁は修善寺遠征で貯金を稼いだ田辺が最年長タイトルホルダーの記録を更新した。今季の全試合出場者は後藤と佐藤の僅か２選手だった。タイトルホルダーの表彰や今季MVPの発表は来年１月27日の納会＆表彰式で行われる。 今年も一年間、お疲れさまでした。短いオフではあるが、ゆっくりと休養し、また来年、ともに楽しもう！ |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 18 | 高橋 | 4 | 2 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | .364 | 死球 | 三振 | … | 遊失 | … | 死球 |
| 7 | 三和(助) | 4 | 4 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | --- | 左安 | 遊直 | … | 中２ | … | 右飛 |
| 5 | 手塚 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .163 | 四球 | … | 投ゴ | 投失 | … | … |
| 2D | 佐藤 | 3 | 3 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .373 | 遊ゴ | … | 左本 | 三振 | … | … |
| 3 | 西浦 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .256 | 一ゴ | … | 四球 | 遊飛 | … | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | .217 | 四球 | … | 四球 | … | 一失 | … |
| 4 | 金子 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .263 | 中飛 | … | 遊ゴ | … | 三振 | … |
| 9 | 箕浦 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | .172 | … | 四球 | … | 三失 | 四球 | … |
| 81 | 仁上 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .038 | … | 遊飛 | … | 四球 | 右飛 | … |
| D | 後藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .265 | … | 三振 | … | 投ゴ | … | 投ゴ |
| -2 | 北島 | 2 | 2 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | .324 | … | … | … | 中安 | … | 三ゴ |
| 合計 | 34 | 25 | 4 | 5 | 9 | 4 | 1 | 2 | .262 | 試合時間１時間53分 | ||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 高 橋 | 4 | 20 | 4 | 5 | 3 | 1 | 2.22 | 83 |
| S | 仁 上 | 3 | 15 | 1 | 1 | 4 | 0 | 2.36 | 44 |
