| ３度の雨天順延に見舞われたＳリーグ第16回大会、５月は東京ドームでの１試合しかできない事態だったが、なんとか今日で前半戦終了である。ここまでジュピターズはミラーズ、クールナイツを撃破し、全勝のフラワーズとの東京ドームで直接対決にも勝利して単独首位に躍り出ると、先週のゼファーズにも辛勝ながら全勝をキープ。負けなしで折り返すため前半戦最後の難敵フィッシャーズとの対戦を迎える。意気込んで臨んだ試合だったが、いきなり出鼻を挫かれた。初回、先頭の鈴木がヒットで出塁し、牽制悪送球や三盗で三塁まで進んだものの田辺、西浦、佐藤と三者連続三振に倒れ先取点を奪えず、いきなりイヤなムードの中で先発マウンドに向かった仁上は先頭打者にヒットを浴び、その後は二死まで取ったものの、打撃妨害出塁で二死一、二塁とし、続く打者にライトオーバーの２点タイムリーツーペースを打たれ先制されてしまう。３回にも２本のヒットを浴び１点を献上、序盤で３点のビハインドとなってしまう。 ３点を追いかけるジュピターズは４回、田辺がヒットで出塁すると二盗、三盗と足でかき回す。西浦、佐藤が倒れ二死となるが、今季打撃絶好調の手塚がセンターオーバーのタイムリーを放って１点を返すと、続く則も今日２本目のヒットで手塚が生還し２点目。１点差まで詰め寄った。しかし、その裏、ヒットやエラーなどで満塁のピンチを迎えながらも、なんとか無失点に抑えた仁上だったが、５回につかまってしまう。ヒット、野選でランナーを出し、直後にタイムリー、さらに二塁打も浴び３点を奪われ、次の打者に四球を出したところで無念の降板となった。結局、仁上は５回途中、一死も取れずランナーを２人残したまま長谷川に後を託すことになった。先週、先発しながら勝利の付かなかった長谷川はピンチの場面にマウンドに登ったことに動揺せず、次の打者を投手ゴロ、その後は二者連続三振を奪い、これ以上傷口を広げることなく見事にホールドした。６回もヒットでランナーを出すが、臆することなく後続を抑えて味方の援護を待った。 ４回に１点差まで詰め寄ったジュピターズだったが、５回に４点差まで離されてしまっての終盤戦。６回は簡単に三者凡退に倒れ今季初黒星も頭によぎったが、最終回に試合が大きく動き奇跡が起きた。先頭の田辺が四球を選んで出塁すると前打席同様、当然のように足でかき回す。続く西浦のタイムリーで田辺が生還して１点。次の佐藤の内野ゴロでランナーが入れ替わるが敵失も絡み佐藤は二塁へ。手塚の時に佐藤は三盗を敢行。手塚は四球で出塁し、続く則は初球に死球をもらい一死満塁の大チャンス。ここで長谷川が見事なタイムリーツーベースを放って佐藤と手塚がホームを踏み、この回３点目を奪い再び１点差まで詰め寄る。さらにランナーを二、三塁に置いてチャンスは続く。北島が死球をぶつけられ満塁とすると続く仁上の気迫の一振りが２点タイムリーとなり、則、長谷川が相次ぎ生還して逆転に成功。ついにこの試合、初めてリードを奪った。さらに菊池もタイムリーを放ち長谷川だけでなく北島も一塁から長駆ホームインで結局、最終回は選手全員の絶対に諦めない気持ちが攻撃に現れ、打者一巡の猛攻で大量７点を奪うビッグイニングとした。 ３点差のリードで迎えた最後の守り。マウンドの長谷川は小気味良い投球で簡単に二死まで奪うが、ここで突如乱れて三者連続四球を与えて満塁のピンチを背負ってしまう。長打が出れば同点、最悪の場合はサヨナラ負けの大ピンチである。結局、野選絡みで１点を与えてしまうが、最後の打者を内野ゴロに仕留めて何とかゲームセット。前試合に続き最初から最後まで苦しんだ試合だったが、全員の力を結集した結果、奇跡の大逆転勝利を呼ぶことができた。これで今大会、全勝のまま折り返しとなる。ジュピターズがＳリーグ前半戦を全勝したのは1994年の第４回・春風杯に全勝優勝して以来、実に12年ぶり２度目のことであった。当時、後半戦は紅葉杯のため勝敗はリセットされて１からの戦いだったが、今は年間を通してのリーグ戦である。この試合も前試合同様に永遠の課題である守備の乱れで失点することが目立ち、薄氷を踏むような勝利だったが、このまま気持ちだけは切らさずに悲願の覇権奪回のため、全員が「楽しみながら勝つ」野球を実践すれば残り５試合で夢は実現するはずだ。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 5 | 鈴木 | 4 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | .125 | 中安 | … | 遊ゴ | … | … | 三ゴ | 中飛 |
| 8 | 田辺 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 4 | 0 | .364 | 三振 | … | … | 右安 | … | … | 四球 |
| 3 | 西浦 | 3 | 3 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | .313 | 三振 | … | … | 一飛 | … | … | 中安 |
| 7 | 佐藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | .273 | 三振 | … | … | 三振 | … | … | 二失 |
| 6 | 手塚 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | .600 | … | 遊ゴ | … | 中２ | … | … | 四球 |
| D2 | 則 | 3 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | .400 | … | 中安 | … | 左安 | … | … | 死球 |
| 91 | 長谷川 | 3 | 3 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | .357 | … | 二ゴ | … | 投ゴ | … | … | 右２ |
| 2D | 北島 | 3 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .222 | … | 中安 | … | … | 遊ゴ | … | 死球 |
| 19 | 仁上 | 3 | 3 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 2 | .250 | … | 一ゴ | … | … | 三振 | … | 中安 |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | .250 | … | … | 遊ゴ | … | 左飛 | … | 右安 |
| D | 金子 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | .200 | … | … | 三振 | … | … | 三振 | 死球 |
| D | 後藤 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .154 | … | … | 左２ | … | … | 三振 | 三振 |
| 合計 | 37 | 32 | 11 | 9 | 5 | 9 | 7 | 8 | .276 | 試合時間1時間55分 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| 仁 上 | 4 0/3 | 27 | 9 | 3 | 1 | 3 | 1.67 | 88 | |
| ○ | 長谷川 | 3 | 14 | 1 | 2 | 3 | 0 | 2.15 | 45 |
