| オリンピックイヤーの今年2008年、危惧していたことが起こってしまった。Ｓリーグのバトルフィールドである三郷のグランドは台風直撃などがあると隣接する江戸川が氾濫し、グランドが冠水してしまう。ここ数年は被害に遭っていなかったが、この夏は台風の上陸こそなかったものの異常的なゲリラ豪雨の被害が多発。その影響でグランドが冠水してしまった。そのため８月31日に予定していた第七節は順延、さらに９月７日も復旧せずに順延してしまったため、当初のスケジュールが大幅に狂ってしまった。歴史を紐解くと４年前の2004年も台風直撃の影響でグランドが冠水し、日程消化のために11月に２度のダブルヘッダーを強行。また８年前の2000年も台風上陸や秋雨前線の異常な活動のために冠水被害に遭い、10週間も三郷で試合ができずにダブルヘッダーを敢行して日程を消化した記録が残っている。４年周期オリンピックイヤーの年にグランドが冠水し、Ｓリーグ後半戦の日程に狂いが生じているのだ。ジュピターズは７月27日にＳリーグ第六節を戦ってから、毎年恒例の那須での夏合宿を行なった後、Ｓリーグ再開直前に練習試合を計画していたが、雨で流してしまい結局、夏合宿で試合を行なわなかったこともあるが、８月の試合数がチーム創設19年目にして初めてゼロ試合だった。さらに前述したゲリラ豪雨によるＳリーグの順延続きで８月に続き９月も試合数ゼロの不安もよぎったが、なんとかこの日は肌寒いものの２ヶ月ぶりに試合は行われた。 この試合で今季ようやく10試合目に到達。ここ数年は必ず年間20試合以上を消化しているジュピターズにとっては遅いペースである。1991年、1990年（ともに年間13試合）に次ぐ過去３番目に遅いペースである。創設年の1990年と翌1991年は最初から年間13試合を計画していたため、９月下旬に10試合目でも普通のペースであったが、翌年の1992年以降、特に試合数の増えたＳリーグ参戦以降（1993年）では最も遅い試合消化ペースとなってしまった。 ２ヶ月ぶりの試合ではあったが、田辺、菊池、則、金子、長谷川と欠場者が多く、厳しい戦いが予想されたが、今季初めての出場となった三笘や岡村も参加し、また前戦に続いて三輪が助っ人に来てくれたため13名体制と余裕のあるメンバーとなった。試合は初回にいきなり打線が火を噴いた。二死ながら四球の高橋を二塁に置いて佐藤のタイムリーツーベースで先制すると手塚が敵失出塁し、佐藤が生還。西浦が振り逃げで出塁し、助っ人の三輪のタイムリーに北島も連続タイムリーを放ち、さらに北島の走塁ミスが出たが、相手がミスをしたため結果オーライの得点となり、二死から一挙５点を奪って早くも試合の主導権を握る。２回、３回は三者凡退に倒れたものの４回には先頭の鈴木がヒットで出ると佐藤も敵失出塁し、試合前日に誕生日を迎えたばかり、今季は首位打者独走の手塚が貫禄のタイムリーを放って鈴木が生還し追加点。さらに返球が逸れた際に佐藤もホームを踏んだ。これだけでは終わらず続く西浦の適時打で手塚が入って合計３点を追加。５回には二死二、三塁から高橋の走者一掃２点タイムリーツーベースが炸裂してリードを広げた。 ジュピターズの先発は２ヶ月前のＳリーグ第六節ミラーズ戦に完投勝利を挙げた高橋が２試合連続先発。５回を投げ７本のヒットと４ヶの四球を与え毎回スコアリングポジションにランナーを背負い大量失点のピンチを迎えるが要所は締めて残塁の山を築く。結局、失点は２点で最終回のマウンドを仁上に譲る。仁上は残りの１イニングを完璧に抑え、２ヶ月ぶりの試合となったＳリーグ第七節は宿敵ゼファーズを相手に10対２で快勝。２年ぶりＳリーグ制覇の階段をまた一歩昇った。 これでＳリーグ第16回大会、７戦を終え７戦全勝と首位を独走。来週には５勝２敗で追う２位のフラワーズと直接対決である。その試合に勝利した時点でフラワーズが３敗となるため、残り２試合をジュピターズが連敗しても勝ち点でリードを保つために２年ぶりの優勝が決まる。ちなみに過去のＳリーグで２試合を残して優勝が決まったことはない。Ｓリーグ史上最速優勝へ王手をかけたことにもなる。全員の心をひとつにして、なんとしても来週に優勝を決めようではないか！ ただ、大きな不安がひとつある。オリンピックイヤーの４年周期で冠水被害に遭う三郷のグランドだが、2000年、2004年とも９月に大きな台風の上陸があり10月に１試合も開催できていないのだ。奇しくも大きな勢力の台風15号が日本付近にやってきた。もし来週が順延すればフラワーズとの直接対決も延びるために史上最速優勝の可能性も低くなる。無事に運命の大決戦が行なわれることを祈りたい。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 5 | 岡村 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .250 | 三飛 | … | 遊ゴ | … | 四球 |
| 17 | 高橋 | 3 | 2 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | .200 | 四球 | … | 一飛 | … | 右２ |
| D | 鈴木 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .172 | 投ゴ | … | … | 左安 | 左飛 |
| 2D | 佐藤 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | .313 | 中２ | … | … | 三失 | … |
| 4 | 手塚 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | .526 | 遊失 | … | … | 左安 | … |
| 3 | 西浦 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | .308 | 振逃 | … | … | 右安 | … |
| 78 | 三輪(助) | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 2 | 2 | --- | 左安 | … | … | 三振 | … |
| D2 | 北島 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | .222 | 中安 | … | … | 投飛 | … |
| 6 | 伊藤 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .250 | 中飛 | … | … | 四球 | … |
| 81 | 仁上 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .211 | … | 三振 | … | 三振 | … |
| 9 | 箕浦 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .231 | … | 三振 | … | … | 投失 |
| D | 三笘 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 | … | 投ゴ | … | … | 投ゴ |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .158 | … | … | 中飛 | … | 遊ゴ |
| 合計 | 29 | 26 | 7 | 7 | 3 | 5 | 9 | 2 | .247 | 試合時間１時間35分 | |||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 高 橋 | 5 | 26 | 7 | 5 | 4 | 1 | 0.74 | 90 |
| 仁 上 | 1 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2.12 | 13 |
