| 前試合のＳリーグ第二節は４月19日だった。その後、毎週のように週末になると天気が崩れ、実に３試合を雨で流し、なんとチーム創設20シーズン目にして５月は１試合もできないという異常事態に見舞われた。思えば昨年も５月は東京ドームでの１試合しかできなかったが、過去のデータを見ると19年間のシーズンのうち11月の52試合、４月の51試合に次ぎ、５月は第３位の43試合を消化していて比較的、雨天中止の少ない月でもあった。Ｓリーグの歴史に於いても春風杯の頃を含め、これほど前半戦に順延したシーズンはなかった。昨年は後半戦開始直後からゲリラ豪雨の影響により９週間ぶりの試合というのも経験したが、今年は早くも春先から天候に恵まれず実に７週間ぶりの試合となり昨年の試合消化のペースを下回っている。ちなみに試合間隔が最長に開いたのは1992年、まだＳリーグが設立される前のシーズンに５月12日〜７月21日まで雨天中止が続いて実に10週間ぶりというのがチーム記録で残っている。それを考えると７週間ぶりに試合ができたことは、まだラッキーだったのかもしれない。金曜から土曜の午前中にかけて降雨したので不安な気持ちにもなったが、この日は朝から強い陽射しが差し、気温は30度近くまで上がる夏日となった。７週間ぶりにグランドに訪れたメンバーは野球に飢えていた。それは試合に表れる結果となった。 前節、Ｓリーグ公式戦としては久しぶりの敗戦を喫したため、連覇に向けて１敗も許されない状況に追い込まれたが雨天順延のブランクを感じさせない攻撃を見せることができた。まず初回、先頭の伊藤が渋くセンターとセカンドの間に落とすヒットで出塁し、高橋、三輪が連続死球をぶつけられ無死満塁のチャンスを迎える。一死後に手塚がショート強襲となる先制打を放って１点を奪う。その後も満塁のチャンスは続いたが、則が最悪の併殺打でチェンジとなるが３回に西浦、後藤が連続四球、伊藤も敵失出塁で再び無死満塁のチャンスを迎え、続く高橋が２打席連続死球で押し出しの１点、さらに初めて３番の打順に抜擢された三輪がライトへ適時打を放ち２点目。４番の佐藤も連打で続いて、この回３点を追加してリードを広げた。圧巻だったのは４回、まず長谷川のバットから弾かれた打球は右中間を真っ二つに破り三塁打で出塁、続く仁上も敵失で無死一、三塁のチャンスを迎え、菊池が鮮やかにセンター前に弾き返して長谷川が楽々と生還。さらに腰痛のために打順が下位に下げられた西浦だが、ライト前ヒットで満塁とし、後藤のレフト前へのタイムリーにより２点目を加え、なおも満塁のチャンスに打順は先頭に戻り、伊藤もタイムリーで続く。怒涛の４連打後、高橋はセンターへ犠牲フライを上げて西浦が生還。続く三輪は内野ゴロでランナーが入れ替わったものの、佐藤、手塚と頼れる２人が連続タイムリーツーベースを放って、この回は７安打を集中させ、一挙に７点を奪い、ほぼ試合を決めた。 先発マウンドに登ったのは今季開幕投手も務めた仁上だが、潮見での開幕戦はチームは勝利したものの自身の勝ち星には恵まれなかった。仁上は久保田超えとなる通算43勝目を昨年４月のＳリーグ第一節に挙げてから巡り合わせも悪く勝利から遠ざかっていた。１年２ヶ月ぶりとなる勝利を目指してマウンドに登った。勝利への貪欲な執念がピッチングにも表れ、初回、２回と三者凡退に抑え、３回も味方のミスと内野安打で２人のランナーを背負うも、後続を落ち着いて打ち取りスコアボードに０を並べた。しかし４回、勝ち投手の権利を意識したのか突如連打を浴び、味方のミスも重なって一挙に５点を奪われてしまいこの回で降板となってしまった。直前の攻撃で味方打線が大量点を取ってくれたので、それほど大勢に影響はなかったが、不安の残るピッチングだった。そして、あとは高橋に全てを託した。５回から代わった高橋は勢いづいた相手打線を完全に黙らせる三者連続三振と素晴らしいピッチングを披露した。しかし時間的最終回となった６回は連続四球を出して押し出しで１点を与えてしまうが、最後の打者を力のあるストレートで三振に取って試合終了。実に試合時間２時間の長いゲームになったが、今季初のふた桁安打を挙げ11対６で勝利を収め、先発した仁上は１年２ヶ月ぶりに勝利投手となり、通算44勝目を挙げた。 ７週間ぶりの試合、また、ぬかるんだグランドのために内野陣にエラーが多く各選手とも動きに不安があったが、打線はつながりを発揮して得点を奪うことができた。しかし欲を言えばもっと得点が奪えた試合だった。毎回ランナーは出していたが残塁もふた桁と多かった。最終回も四死球で満塁のチャンスを貰いながら簡単に打ってしまい相手投手を助けてしまった。序盤、中盤でリードしていても、あと１点を貪欲に奪う粘りも必要である。尚、この試合、高橋が１試合３ヶの死球をぶつけられた。今まで１試合２ヶの死球はのべ21人（高橋自身も５回あるが）いるが、ついに１試合最多死球のチーム新記録が更新された。 ３度の順延により６月は練習試合を含めて毎週連戦となる。そろそろ梅雨入りにもなりそうだが、このハード日程をチーム全員、一致団結で乗り切っていこう！ |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 6 | 伊藤 | 4 | 4 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 中安 | … | 左失 | 右安 | … | 遊飛 |
| 71 | 高橋 | 4 | 0 | 0 | 2 | 3 | 0 | 0 | 1 | 死球 | … | 死球 | 中犠 | … | 死球 |
| 3 | 三輪 | 4 | 3 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 死球 | … | 右安 | 三ゴ | … | 遊ゴ |
| 8 | 佐藤 | 4 | 4 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 三振 | … | 左安 | 左２ | … | 三ゴ |
| D | 手塚 | 3 | 3 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 遊安 | … | 左飛 | 左２ | … | … |
| 2 | 則 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 併殺 | … | 三ゴ | 遊ゴ | … | … |
| 9 | 箕浦 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | … | 一失 | 捕ゴ | … | 中飛 | … |
| 5 | 長谷川 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | … | 中飛 | … | 右３ | 投ゴ | … |
| 17 | 仁上 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | … | 一ゴ | … | 投失 | 四球 | … |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | … | 遊ゴ | … | 中安 | 二直 | … |
| D | 西浦 | 3 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | … | … | 四球 | 右安 | … | 四球 |
| D | 後藤 | 3 | 1 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | … | … | 四球 | 左安 | … | 四球 |
| 合計 | 40 | 30 | 11 | 11 | 9 | 1 | 0 | 5 | 試合時間2時間 | ||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 仁 上 | 4 | 21 | 5 | 2 | 0 | 0 | 0.51 | 77 |
| S | 高 橋 | 2 | 7 | 0 | 4 | 3 | 0 | 0.51 | 48 |
