| 先週、７週間ぶりに再開したＳリーグだが、直後に関東地方は梅雨入りとなった。この日の試合も天候が不安視されたが途中、陽射しもあり無事に行われた。第四節の対戦相手は今大会、いまいち波に乗り切れていないながらも、ここ数年は苦戦を強いられているフラワーズ。ジュピターズは今季最多の15名体制で試合に臨んだ。 初回、いきなり先頭の田辺、２番の岡村が連続四死球から盗塁で無死二、三塁と先制点のチャンスを迎えたが、期待のクリーンアップトリオの三輪、佐藤、手塚が「まさかの」三者連続三振を喫し、なんとなくイヤな立ち上がりだった。しかし２回に敵失で出塁した伊藤が暴投の間に三塁へ進み、則がセンターへ犠牲フライを打ち上げてノーヒットで先取点を奪う。だが直後の２回裏、先頭打者に一発を浴びてすぐに試合を振り出しに戻されてしまったが３回、先頭の長谷川が二塁打を放ち、続く西浦が四球で出塁、暴投や盗塁で再び無死二、三塁のチャンスを迎えたものの二者が倒れて二死となり、ラストバッターの箕浦も平凡な内野ゴロだったが敵失を誘い、その間に長谷川がホームを踏んで１点を勝ち越す。さらに田辺の打球はボテボテの内野ゴロながら俊足を生かしワンヒットワンエラーとなって西浦も生還、この回２安打で２点を奪う効率の良い攻めを披露した。 大事なフラワーズ戦の先発に抜擢されたのは今季初先発となる長谷川。すでに３月の潮見での開幕戦に２番手で登板し、勝ち投手となっているが、Ｓリーグ公式戦は今季初登板である。ここ２年間ほどは制球難に苦しみ、満足な成績を挙げられなかったが、この日の長谷川は最初からテンポの良い投球を披露し相手打線に連打を許さなかった。懸念された制球難もなく、５回を投げて打たれたヒットは散発の４安打、そのうちの１本が２回の先頭打者本塁打で１失点したが、バックの堅守にも助けられ、危なげないピッチングだった。 そんな長谷川を助けるかのように６回、まさかのビッグイニングとなった。まず先頭の金子が粘って四球を選んで出塁。今季初参加の金子は積極果敢に二盗を慣行、さらに三盗を狙った時に相手遊撃手が二塁ベース寄りに守ったところ、次打者の長谷川が上手く三遊間へ流し打ち。二塁ベースへ寄っていた遊撃手は追いつくのが精一杯で見事な内野安打となり、すかさず長谷川も二盗で、この試合３度目の無死二、三塁とすると続く西浦が四球で出て無死満塁の大チャンスを迎える。ここで次打者の後藤が振ったバットに捕手のグラブが触り、打撃妨害で難なく１点を貰うと、そこから急に相手投手が崩れて、押し出し四球や暴投で徐々に点を加えていく。また岡村の内野安打や三輪の死球などで満塁の場面とし、過去２打席とも三振を奪われている主砲の佐藤に打順が周ってくる。佐藤の持ち味であるフルスイングしたバットから弾かれたボールは、打った瞬間に行方が分かるほどの鋭い打球で、一塁ベンチから左中間後方の江戸川に飛び込んだ水しぶきが確認できるほどの特大ホームランが飛び出した。佐藤の超特大今季１号アーチは、相手にとどめを刺すグランドスラムとなり、この回一挙９点を奪った。ちなみに佐藤の満塁ホームランは2005年８月の大宮での練習試合以来、通算４度目であるがＳリーグ公式戦では初めてであった。最多満塁本塁打記録は通算５度を記録している手塚が保持している。 佐藤のグランドスラムも飛び出した６回の攻撃は結局、打者14人を送り、９点を奪って２試合連続でふた桁得点を記録した。その裏から長谷川に代わってマウンドに登った仁上は大量リードにも守られ、２イニングをヒット１本に抑えて零封。見事、宿敵フラワーズに12-1の完勝を果たした。そして隣のグランドでは今大会全勝で単独首位を走っていたフィッシャーズがミラーズに敗戦し、３勝１敗となってついに勝ち点で並んだ。わずかな得失点差でフィッシャーズの方がまだ首位であるが、いよいよ来週は直接対決、首位攻防戦である。ジュピターズが第二節で敗戦した時は遠かった首位の尻尾だが、前半戦クライマックスでついに捕まえることができた。悲願の連覇のため、チャンピオンチームとして堂々と誇りを持って次週の最も大事な一戦に臨みたい。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 田辺 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | .273 | 死球 | … | 一安 | … | … | 三振 | … |
| 5 | 岡村 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | .500 | 四球 | … | 三振 | … | … | 三安 | … |
| 3 | 三輪 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | .375 | 三振 | … | … | 三振 | … | 死球 | … |
| 2D | 佐藤 | 3 | 3 | 1 | 4 | 0 | 2 | 0 | 0 | .400 | 三振 | … | … | 三振 | … | 中本 | … |
| D7 | 手塚 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .462 | 三振 | … | … | 三振 | … | 遊飛 | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .417 | … | 遊失 | … | … | 中飛 | 二失 | … |
| D2 | 則 | 3 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | .214 | … | 中犠 | … | … | 三失 | 左２ | … |
| 4D | 菊池 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .133 | … | 右飛 | … | … | 三ゴ | 三振 | … |
| 7D | 高橋 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .200 | … | 右安 | … | … | 投ゴ | … | 二飛 |
| D4 | 金子 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | .000 | … | 三振 | … | … | … | 四球 | 投ゴ |
| 1D | 長谷川 | 3 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .364 | … | … | 右２ | … | … | 遊安 | 捕飛 |
| D | 西浦 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | .400 | … | … | 四球 | … | … | 四球 | … |
| D | 後藤 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | .111 | … | … | 三振 | … | … | IF | … |
| 99 | 仁上 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | .222 | … | … | 三振 | … | … | 四球 | … |
| D9 | 箕浦 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .091 | … | … | 一失 | … | … | 四球 | … |
| 合計 | 41 | 31 | 7 | 8 | 9 | 12 | 9 | 1 | .282 | 試合時間1時間50分 | |||||||
| ※後藤の２打席目IFは打撃妨害出塁 | |||||||||||||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 長谷川 | 5 | 20 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0.78 | 65 |
| S | 仁 上 | 2 | 8 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.91 | 21 |
