| 今週は46年ぶりの皆既日食に沸いた日本列島だったが、いまだ本州は関東甲信地方しか梅雨明け宣言が出されていない。東京も梅雨明けしたにもかかわらず、不安定な天候が続いていた。しかし今季２度目となる夢の島での試合が行われた26日はギラギラとした真夏の太陽が照りつけ、朝から気温は30度オーバー。最も気温の高い時間帯である正午からの試合は気温と同じくらいの熱戦となった。 湾岸にある夢の島のグランドには時折、海からの強い風が吹き、火照った身体に心地よい。この風がなければ灼熱地獄の中での試合となっただろう。先攻のジュピターズは初回、先頭の岡村が四球で出塁、三輪の内野ゴロでランナーが入れ替わるが続く鈴木もヒットで続き一死、一、三塁のチャンスを迎える。すかさず鈴木が二盗を試みた時に偽投に引っかかり一、二塁間に挟まれるが、それを見た三塁ランナーの三輪も本塁へ向かう。ボールは捕手に戻り三本間で三輪が挟まれたが一瞬、本塁ががら空きになったのを見逃さず三輪は生還、鈴木もその間に三塁に達し、結果オーライのディレイドスチールで先制点を奪う。続く佐藤が内野安打、則が四球で満塁となり、手塚が倒れた後、伊藤が打席の時に三塁ランナーの鈴木が捕逸を突いてホームを駆け抜け２点目を奪った。 初回、２点のリードをもらい先発マウンドに立ったのは２日前に35歳の誕生日を迎えたばかりの長谷川。幸先良い35歳一発目の登板にしたかったが、いきなり四球とヒット、味方のミスもあって３点を失い逆転を許してしまった。初回の攻防で約30分、暑さの中かなりツライ試合になる予感がした。しかし、逆転された直後の２回表、先頭の長谷川が四球で出塁し二盗でチャンスを作り、続く西浦もヒットでつなぐ。さらに無死一、三塁から菊池が鮮やかにレフト前に弾き返して長谷川がホームを踏んで同点に追い付く。さらに逆転のチャンスは続くが箕浦、仁上と倒れて二死となる。だが続く後藤の放った打球はライナーでセンターの頭を越え、左中間一番深い所まで転がった。西浦、菊池が楽々と生還し、打った後藤も渾身の力でダイヤモンドを一周。後藤の値千金となるスリーランホームランが飛び出し逆転に成功した。後藤のホームランは1995年に田辺、菊池と本塁打王を分け合って受賞した時以来、実に14年ぶりとなる一発であり、チーム最年長本塁打記録と14年ぶりという最長間隔期間記録を更新した。後藤の“まさか”のホームランで勢いづいたチームは続く３回、四球出塁の三輪と二塁打を放った鈴木を塁に置き、４番の佐藤が持ち味のフルスイング。おもいきりバットに叩かれたボールはレフト線に沿ってグングンと伸び、ファールゾーンに切れることなくフェアゾーンを勢いよく転がり、グランドの一番奥まで達した。三輪、鈴木に続いて佐藤もホームイン。主砲圧巻の一振りは２イニング連続のスリーランホームランとなってリードを広げた。 ６点のリードをもらって３回のマウンドに登った長谷川だったが、４本の長短打を放たれ２点を失う。ジャストミートされる当たりも増えタイミングが合ってきたために、まだ４点のリードがあったが長谷川を諦め、４回から仁上をマウンドに送った。しかし仁上は内野安打で先頭打者を出すが、その後は簡単に二死まで取るものの、続く打者に四球を与えてから急におかしくなった。さらに次打者には簡単にストライクを取りに行ったところを痛打され、左中間を破られて２点タイムリーツーベースを打たれて２点差に詰め寄られる。さらに次打者にはツーランホームランを浴び、結局二死から一気に４点を奪われて同点とされてしまった。さらに仁上は５回には連打と四球で満塁のピンチを迎えるものの、なんとか後続を抑えてピンチをしのいだが、暑さの影響からか本来の調子には程遠いピッチングだった。 先制されたものの、すぐに逆転を許したが、すかさず同点から２本のホームランで逆転、一時は６点のリードを奪いながらも再び試合を振り出しに戻されてしまい、まさしく気温同様に熱戦となった試合も終盤。同点に追い付かれる直前の４回表に三者残塁と拙攻をしてしまったことが悔やまれたが、５回に敵失と鈴木の３本目となるヒットで無死一、二塁のチャンスを作る。９月に結婚を控えた鈴木は前試合に続き、この試合が今季２試合目の参加だが猛打賞の活躍を見せた。しかし佐藤の内野ゴロの間にそれぞれ進塁したが、則も内野ゴロで二死となり、期待された手塚が三振にとられて勝ち越しには至らなかった。時間的最終回となった６回は簡単に三者凡退に終わり、この試合の勝利はなくなった。なんとか引き分けを狙って臨んだ最後の守り、仁上は簡単に二死を奪うが次打者に２打席連続ツーベースを打たれて動揺すると、続く前打席にホームランを浴びた打者には力が入りすぎて死球を与えてしまい二死一、二塁とサヨナラの大ピンチを迎える。だが最後の打者を内野ゴロに仕留めてゲームセット。３本のアーチが飛び出す真夏の熱戦は９対９の引き分けで幕を閉じた。 一時は６点もリードしておきながら、同点に追いつかれ、さらには防戦一方の厳しい試合だったが、かなりの暑さの中でも集中力を持続させて勝ち越しを許さなかったことは大きかった。次週にはいよいよＳリーグが再開となり、さらに炎天下の試合が予想される。いきなり大事な首位攻防戦となるが、夏のプレ･シーズンゲーム３試合を２勝１分の負けなしで戦った自信と誇りを持って堂々と臨んでもらいたい。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 85 | 岡村 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .250 | 四球 | 遊ゴ | … | 三ゴ | … | … |
| 58 | 三輪 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | .231 | 三ゴ | … | 四球 | … | 一失 | … |
| D | 鈴木 | 3 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .667 | 右安 | … | 左２ | … | 中安 | … |
| 7 | 佐藤 | 3 | 3 | 2 | 3 | 0 | 0 | 1 | 1 | .500 | 三安 | … | 左本 | … | 捕ゴ | … |
| 2 | 則 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .261 | 四球 | … | 中安 | … | 投ゴ | … |
| D | 手塚 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .350 | 三振 | … | 三ゴ | … | 三振 | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .286 | 捕飛 | … | 投ゴ | … | … | 中飛 |
| 1D | 長谷川 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | .222 | … | 四球 | 四球 | … | … | 二ゴ |
| 3 | 西浦 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .267 | … | 右安 | … | 二失 | … | 捕飛 |
| 4 | 菊池 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | .182 | … | 左安 | … | 四球 | … | … |
| D | 箕浦 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .118 | … | 右飛 | … | 四球 | … | … |
| 91 | 仁上 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .176 | … | 投ゴ | … | 二ゴ | … | … |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | .267 | … | 中本 | … | 遊飛 | … | … |
| 合計 | 35 | 28 | 9 | 7 | 7 | 2 | 4 | 3 | .270 | 試合時間１時間50分 | ||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| 長谷川 | 3 | 20 | 6 | 1 | 3 | 2 | 2.80 | 62 | |
| 仁 上 | 3 | 18 | 6 | 0 | 3 | 4 | 2.04 | 58 |
