| 前日、冷たい雨が降ったために開催が危ぶまれたが、カラッとした穏やかな秋晴れに恵まれた第八節。今大会もいよいよ終盤戦である。ここまでジュピターズは６勝１敗と単独首位、この試合は４勝２敗１分けで２位のゼファーズと直接対決を迎えた。もし、この試合に勝利し、さらに４勝３敗で３位のフィッシャーズが敗れるか引き分けた場合、早くもジュピターズの２年連続優勝が決まる大一番である。昨年のＳリーグ15周年記念大会でもあった第16回大会は２試合を残し、第八節で優勝を決めた。今大会は早々に１敗を喫したものの、その後は連勝し第五節で単独首位に立つ間、他チームが潰しあいをしてくれたおかげもあって、昨年同様に第八節で優勝を決めるチャンスをもらった。年間１大会制になってから未だ連覇を果たしたチームはいない。昨年優勝のジュピターズだけが今年、連覇への挑戦権を得ている。歴史に名を残すため、他チームの動向も関係してくるが、この試合で決める意気込みで臨んだ。しかし…気持ちとは裏腹に試合は思わぬ展開となってしまった。 この試合、エースの高橋や内野の要である伊藤が欠場。またプレーで選手を鼓舞する牽引役の岡村や鈴木も欠場、さらに当日になり長谷川が体調不良のために欠場となってしまい大きなハンデを負ったまま試合は始まった。投手陣三本柱のうち高橋と長谷川の欠場は大きく、全てを仁上に任せるしかなかった。しかし本来なら孤軍奮闘する仁上を助けなければいけない守備陣に初回からミスが連発。内野陣に４失策、外野もエラーの数字にはならないが目測を誤り単打を長打にしてしまう守備もあり、なんと初回に３安打４失策でいきなり５失点、それも二死から５点を奪われる苦しい展開となってしまった。 ５点を追うジュピターズは初回は３者凡退に倒れたが２回、先頭の佐藤が空高く打ち上げた打球はレフトとショートの間に落ちるラッキーなヒットで出塁すると、前節で２打席連続ホームランを放ち、現在Ｓリーグバットマンレースの２位まで上がってきた三輪が初球を迷いなく叩いたヒットでチャンスを広げる。その後、二死から手塚が打席の時に相手投手のボークでそれぞれ進塁した直後、手塚の一、二塁間を破るタイムリーで２点を返した。３点差に詰め寄り反撃態勢に入ったと思われたが、その後が続かなかった。３回は３者凡退。４回は敵失と四球でランナーを出すものの１本が出ずに無得点。５回には先頭の則が四球で出塁し、抜群のタイミングで盗塁を仕掛けたが、打者の菊池が内野フライを打ち上げてしまい則は一塁に戻れずにダブルプレー。また６回は先頭の金子が死球で出塁し、二盗に成功。さらに三盗を狙った時に誘い出されて挟殺されてしまいチャンスを潰してしまった。 初回に５点を失ったもののマウンドの仁上は落ち着いていた。２回、３回、４回と無失点に抑えて味方の援護を待った。しかし疲れが見えてきた５回、一死から四球を与えた後、ヒット、四球、ヒット、ヒットで３点を失ってしまった。高橋も長谷川もいない中、さらに優勝の可能性のあるプレッシャーのかかった試合、ここまでよく投げてきた仁上であるが、ついに相手打線に捉えられてしまった。さらに不運は続き、６回には一死から味方のエラーとヒットで２人のランナーを塁に置き、次打者の打球はライト前へ。これが右翼手の箕浦の前でバウンドし、ボールは箕浦の頭上を越えて外野の奥まで転がってしまう。２人のランナーが相次いでホームを踏み、打ったバッターもホームイン。痛恨の３点を献上し、ついに今季初の二桁失点を喫してしまった。 １点でも返したいジュピターズだったが、２回に３安打で２点を奪ってから打線は沈黙。時折訪れるチャンスも雑なプレーで簡単に潰してしまいホームベースが遠かった。そして９点差で迎えた最終回、先頭の後藤が敵失で出塁し、続く田辺も四球を選び無死で２人のランナーを塁上に置く最後のチャンスが到来。箕浦の打席の時にダブルスチールを敢行してチャンスを広げたが箕浦は三振に倒れ一死。続く西浦も内野フライを打ち上げ二死となるが佐藤、三輪と続く打線に祈りを込めた直後、なぜか二塁ランナーの田辺がアウトカウントを間違えているボーンヘッドで二塁に戻ることができず万事休す。呆気なく第八節はゲームセットとなり、今季２敗目を喫してしまった。 結局、好調だった打線は２回の３安打のみに抑えられ、相手のミスでもらったチャンスも、こちらの大きなミスで帳消しにしてしまい、２併殺を含む何をやってもうまくいかない試合だった。長い間、草野球の試合をやっていると、なぜだか分からないが、何をやっても上手くいかない、まったく思い通りにいかない試合が数十試合に１試合はある。まさに今日の試合は何も収穫のない寒い試合だった。そんな時は必ずこの言葉を思い出してほしい。 「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ」 〜東北楽天ゴールデンイーグルス監督・野村克也〜 今季２敗目＝Ｓリーグ２敗目を喫し、これで今大会６勝２敗となったが、いまだ単独首位を確保したままである。ゼファーズが５勝２敗１分けで２位、結局フィッシャーズも勝利したため、もしゼファーズに勝利していても第八節での優勝はお預けとなったが、３位フィッシャーズは５勝３敗と差が縮まってしまった。しかし、次節にジュピターズが勝利し、２位と３位が共に敗れたり引き分けた場合、ジュピターズの優勝が決まる可能性が残されているので、まだ十分に有利な状況なのは確かである。この敗戦から頭を切り替え、下に伸ばした強い根を張り巡らして次の戦いに集中してもらいたい。他チームの動向は関係ない。残り２戦、死に物狂いで勝ちにいき、自力で覇権を手中にしよう！ |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 田辺 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .273 | 三ゴ | … | … | 捕ゴ | … | … | 四球 |
| 9 | 箕浦 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .077 | 捕飛 | … | … | 捕失 | … | … | 三振 |
| 3 | 西浦 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .280 | 左飛 | … | … | 遊飛 | … | … | 遊飛 |
| 7 | 佐藤 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .444 | … | 左安 | … | 四球 | … | … | … |
| 5 | 三輪 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .333 | … | 左安 | … | 投飛 | … | … | … |
| 2 | 則 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .206 | … | 三飛 | … | … | 四球 | … | … |
| 6 | 菊池 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .206 | … | 一飛 | … | … | 二飛 | … | … |
| D | 手塚 | 2 | 2 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | .321 | … | 右安 | … | … | 右飛 | … | … |
| 4 | 金子 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | .143 | … | 遊ゴ | … | … | … | 死球 | … |
| 1 | 仁上 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .154 | … | … | 三振 | … | … | 三振 | … |
| D | 三笘 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | … | … | 遊ゴ | … | … | 三振 | … |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .238 | … | … | 三ゴ | … | … | … | 投失 |
| 合計 | 27 | 23 | 3 | 2 | 4 | 4 | 3 | 5 | .258 | 試合時間1時間55分 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ● | 仁 上 | 7 | 39 | 10 | 1 | 3 | 5 | 2.65 | 137 |
