| 草野球界に殴り込みをかけてから何度目の春を迎えただろうか？指折り数えてみると、ついに両手両足の指の数では足りない21度目の春である。今年2010年、チームは創設20周年を迎えた。その記念すべき開幕戦は、ある意味で最も忘れられない試合となってしまった。 １月下旬に房総半島最南端にＳリーグ２連覇を祝した優勝旅行に行ってからナインが顔を合わせることはなかった。予定されていた開幕前の全体練習はグランドが確保できずに中止となり、2006年以来のぶっつけ本番試合となってしまった。悪いことは重なり、この日の気温は３月下旬にもかかわらず10℃を下回り、冷たい北風が吹きつけて体感温度はさらに低く感じた。例年ならこの時期、大宮のグランドでは開幕を祝ってくれるかのように満開の桜が出迎えてくれていたが、今年はまだ満開には程遠い状態。それでも開幕を待ちわびていたナイン達は寒さの中でも、いきなり15名が参加し、気合いで寒さに震える身体を止めてグランドに飛び出した。20周年記念シーズン、再出発の21年目開幕戦は定刻通り10時30分にプレイボールとなった。 先攻のジュピターズは初回、相手投手の立ち上がりの悪さを突いて四球や内野安打でランナーを出してから４番の則、５番の岡村の連続タイムリー二塁打で３点を奪った。ちなみにこの日の打順はジュピカルチョ提出順という変則打順で臨んだ。３点を奪ってからも佐藤が四球で歩きチャンスは続いたが、北島、菊池と凡退し二者残塁で初回の攻撃を終える。 ジュピターズの開幕投手は2005年以来５年ぶりに高橋が登るが、いきなり３者連続四球で無死満塁のピンチを迎え、なんとか二死までは取ったが続く打者に走者一掃の二塁打を浴びて試合を振り出しに戻してしまう。さらに３回には味方のエラー、ヒット、死球そして内野の野選で１点を失い逆転を許してしまった。2008年７月に結婚してから１度も負け投手になっていない高橋だったが、さすがにこの日は寒さのせいか思うようなボールが投げられずマウンドで苦労していた。それでも徐々に本来の力を取り戻し、５回を投げて毎回の７三振を奪い、ヒットは２本しか打たれず、今年もエースとしての活躍が期待できる内容だった。 １点を追いかけるジュピターズは初回に連打が出てから打線が沈黙。回を追うたびに低くなっていく気温に身体が付いていかなかった。２回、３回と敵失と四球で相手からチャンスをもらいながらも後続が続かず、４回も無死で四球のランナーを出してもらったがホームは遠かった。ジュピカルチョ提出順という変則打順を差し引いても寒さで身体が動かずにチャンスに凡退が多く残塁の数だけが増えていった。しかし６回、先頭の長谷川がヒットで出塁すると、続く手塚、箕浦が連続四球で無死満塁の大チャンスを迎える。一死後、田辺が押し出しの四球を選んで同点。二死から仁上も四球を選んで逆転に成功。さらに西浦はセンター、ライト、セカンドの間に落ちるラッキーなヒットで２者が還ってこの回ヒットは１本ながら４点を奪った。これにより１点差ビハインドのまま５回でマウンドを降りた高橋の負け投手の可能性はなくなり、この時点で高橋不敗伝説は継続されることになった。 ラッキーな形で３点リードとした直後、６回からのマウンドを託したのは昨シーズンの最終戦ダブルヘッダー第１試合で入団初マウンドを踏んだ岡村が今季は本格的に投手転向も考え、開幕戦でいきなりの登板となった。しかし、通算２度目の登板となった岡村は四球、味方のエラー、死球、四球、死球とノーヒットで２点を与えてしまい１点差まで詰め寄られ、さらに７回には連打を浴びて１点を献上し同点に追いつかれてしまい厳しい今季初マウンドとなった。 ７回にも佐藤の四球と北島の死球で２者を出すが後続倒れチャンスに１本が出ない状態に逆戻りしてしまった打線だったが８回、一死から長谷川が２打席連続ヒットで出塁すると、手塚が四球、二死後に高橋も四球で満塁のチャンスを迎え、田辺が打席の時にワイルドピッチがあり長谷川が生還して再び逆転に成功。ランナーもそれぞれ進塁し、たたみかけたかったが田辺が三振に倒れて１点止まりと、また残塁の数を増やした。やはり回が進むたびに身体が芯まで冷えてバットの振りが鈍くなっているのがよく分かった。 ８回からは長谷川がマウンドへ。打席では２安打と活躍した長谷川だったが、ピッチングは厳しかった。８回には２安打を与え簡単に１点を献上して同点に追いつかれてしまった。最終回、味方の攻撃は簡単に３人で終わってしまったため、このまま最低でも引き分けに持ち込みたかった。だが先頭打者に二塁打を浴びて大ピンチを迎える。しかし、長谷川は落ち着いて２者を打ち取り二死二塁としたが続く打者の時、不用意に真ん中に入れた球を痛打され、打球はレフト高橋のはるか頭上を越え、打った瞬間にサヨナラと分かる打球だった。 チームが1990年に創設してから、これまで20回の開幕戦を戦い14勝５敗１分という成績だった。この日、21回目の開幕戦で６敗目が付いたが、この６敗目はチーム初の開幕戦サヨナラ負けという歴史に残る敗戦となってしまった。さらに昨年の最終戦もサヨナラ負けで締めくくられてしまったため、チーム創設初の２試合連続サヨナラ負けということになる。20周年記念シーズン開幕に記念となる忘れられない敗戦となってしまった。 終わってみれば得点は９対８と熱戦にも見えるが、常に相手に圧倒されっぱなしの試合だった。いや相手と戦っているより寒さと戦っている感じも否めなかった。過去には２月に開幕した年もあったが、それ以上にこの日は底冷えのする寒さだった。21年目のチームは当然、平均年齢も上がり寒さは大敵にもなったと痛感させられた。いずれにしても2010年、ジュピターズにとって21度目のシーズンは創設20周年記念シーズンでもある。今年も１年、ケガなく全員で楽しみながら戦っていこう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
| D | 後藤 | 4 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | .000 | 四球 | … | 四球 | … | … | 中飛 | … | … | 二飛 |
| 97D | 仁上 | 4 | 3 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | .333 | 遊安 | … | 一ゴ | … | … | 四球 | … | … | 三振 |
| 3D | 西浦 | 4 | 3 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | .333 | 四球 | … | 一飛 | … | … | 中安 | … | … | 捕飛 |
| D2 | 則 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | .500 | 左２ | … | … | 四球 | … | 三ゴ | … | … | … |
| 5D15 | 岡村 | 3 | 3 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 1 | .333 | 左２ | … | … | 三飛 | … | … | 三振 | … | … |
| 72D | 佐藤 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | .000 | 四球 | … | … | 三ゴ | … | … | 四球 | … | … |
| D | 北島 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 | 投ゴ | … | … | 一飛 | … | … | 死球 | … | … |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 三振 | … | … | … | 投飛 | … | 遊ゴ | … | … |
| 23 | 三輪 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | .000 | … | 投ゴ | … | … | 三振 | … | 三ゴ | … | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .000 | … | 一失 | … | … | 遊飛 | … | … | 二ゴ | … |
| D51 | 長谷川 | 3 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1.00 | … | 四球 | … | … | … | 左安 | … | 中安 | … |
| D | 手塚 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | .000 | … | 三振 | … | … | … | 四球 | … | 四球 | … |
| D9 | 箕浦 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 | … | 三ゴ | … | … | … | 四球 | … | 遊飛 | … |
| 1D7 | 高橋 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | .000 | … | … | 一失 | … | … | 三振 | … | 四球 | … |
| 8 | 田辺 | 3 | 2 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 | .000 | … | … | 三振 | … | … | 四球 | … | 三振 | … |
| 合計 | 48 | 34 | 6 | 7 | 14 | 8 | 4 | 3 | .176 | 試合時間２時間20分 | |||||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| 高 橋 | 5 | 24 | 2 | 7 | 5 | 3 | 4.20 | 84 | |
| 岡 村 | 2 | 14 | 3 | 3 | 4 | 2 | 7.00 | 44 | |
| ● | 長谷川 | 1 2/3 | 9 | 4 | 0 | 0 | 2 | 8.40 | 23 |
