暦は８月に入った。いよいよ今月末よりＳリーグ後半戦が再開される。過去２年間は雨に悩まされたシーズンを送ったが、今季はこれまでＳリーグ前半戦で１試合が順延になっただけで順調に試合消化してきた。夏の練習試合も４戦目、最後の９イニング制試合であるが、この日も朝から気温がグングン上がり、試合開始は10時半ながら、すでに軽く30度超えをしていた。灼熱の大宮で地獄の９イニング制の対戦相手は仁上の紹介のチームである。紹介特典としてピッチャーで４番に仁上を据え、ギラギラとした太陽に焦がされながら試合は開始された。
初回、先頭の岡村が四球を選んで出塁し、すかさず二盗を敢行。送球が逸れた間に岡村は三塁へ達し、箕浦は三塁線ギリギリの内野安打で出塁。当然、二盗。三輪も四球で歩いて無死満塁の大チャンスに４番の仁上が打席に入るが、力んだのか敢え無く三振に倒れるも５番の則がセンターへ犠牲フライを打ち上げて岡村が生還。先取点を奪うと、続く手塚の内野ゴロが敵失となり、その間に箕浦が本塁を駆け抜けて追加点。さらに三輪が三本間に挟まれるが相手のミスで三輪もホームを踏んで初回に幸先良く３点を挙げた。３回には先頭の高橋がライトオーバーの二塁打を放ち、二死から箕浦の振り逃げの間に三塁へ進み、続く三輪に三遊間を破るタイムリーが出て１点を追加。さらに一、二塁のチャンスだったが４番の仁上は一塁ゴロで追加点はならなかった。
先発の仁上は初回、２回と２人のランナーを塁に出すが、要所を締めて無得点に抑えていたが、３回に先頭打者を味方のエラーで出した直後、レフトを深々と破られる長打を浴び、一塁ランナーが長駆ホームイン。バッターも快足を飛ばして三塁も蹴るが、高橋、伊藤、岡村そして捕手の北島へとボールが渡り、北島が体を張って本塁を死守、見事にホームギリギリで刺して追加点を許さなかった。
１点を返された直後の４回表、先頭の則が四球で歩き、捕逸の間に三塁まで達し、二死から西浦のタイムリーで生還。獲られてすぐに獲りかえすことに成功した。しかし５回以降はランナーを毎回、スコアリングポジションに進めるものの、チグハグな攻撃が目立ち得点が奪えなかった。５回は先頭の長谷川が外野手の落球で幸運な出塁をするも欲張って三塁まで走りタッチアウト。直後の北島にヒットが出ただけにもったいなかった。６回は先頭の岡村が内野安打で出て二盗、箕浦も四球で出塁しチャンスが広がったが、三輪の内野ゴロで岡村がホーム突入でタッチアウト、さらにスタートの遅れていた箕浦も三塁手前でアウトになり一気にチャンスを潰してしまった。７回は先頭の則がレフト線へ大飛球、これが三塁打となり無死三塁のチャンスを演出するも、続く期待の手塚、佐藤、西浦が相次いで凡退し無死三塁で１点を奪えずイヤな雰囲気となった。緊張感や集中力を持続させるのが難しい猛暑の中での試合だったが、チグハグで雑な攻撃が目立っていた。
マウンドの仁上は３回に１点を奪われた以降は気合いの入った投球を披露。打ち気満々で相手の早打ちにも助けられ、投球数も少なくスコアボードに０を並べていた。しかし７回、ヒットや味方のミスが出て１点を献上してしまうが動じることなく後続を打ち取り奮闘した。
雑な攻撃を繰り返していた打線が８回、仁上の奮闘に応えた。先頭の伊藤が内野安打で出塁、続く長谷川がライト線ギリギリに落ちるタイムリースリーベースで伊藤が生還、さらに北島もタイムリーで続いて長谷川がホームを踏んで下位打線の３連打でダメ押しとなる２点を追加した。
猛暑の中での投球が続いた仁上は本来７回で交代の予定だったが、志願の続投。８回は味方のエラーでランナーを出したが、動じることなく無得点。そして最終回、ここまで100球近くを投げ、疲れの出てきた仁上は先頭打者をヒットで出すと、続く打者にもセンターオーバーの二塁打を打たれて１点を失い、さらに一死から死球をぶつけてピンチを招いたが、持ち味の粘りのピッチングで後続を打ち取ってゲームセット。結局、真夏の９イニング試合は２時間20分の熱闘の末、先制、中押し、ダメ押しと効果的に得点を挙げて７対３で勝利した。しかし、３本の長打を含む二桁安打を放ち、３者凡退に終わった最終回以外は常にランナーを出して攻めていたわりに得点は少なく感じた。最終回以外は毎回残塁とチグハグな攻撃が目に付いた。猛暑の中での長時間の試合のため、集中力や緊張感が持続できなかったことが原因なのは明らかである。今月末から再開されるＳリーグも猛暑、残暑の中で、ひとつのプレーに集中して臨める精神力が求められる厳しい戦いとなることが予想される。今年の夏は例年以上に暑いが、暑さに負けずに常に集中して頑張ろう。
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