| Ｓリーグ前半戦と後半戦の間、夏の練習試合も最終戦を迎えた。いよいよ来週からＳリーグ第18回大会が再開される。しかし今年の夏は暑い。先週、東京では５日連続猛暑日を記録し、新聞には毎日のように熱中症の記事が掲載されるなど典型的な猛暑となった今夏の練習試合は、計画した５試合すべてが雨天中止なく消化することができた。今夏３度目、いまやホームグランド化した潮見での試合は暑さだけでなく、灼熱の太陽で乾燥したグランドから巻き起こる砂塵にも悩まされながらの試合となった。 仁上、高橋、長谷川とジュピターズの誇る投手陣三本柱全員が仕事のために欠場、このピンチにマウンドに登ったのは今季より投手としての能力も開花させ、打撃でもチームの牽引役として大活躍の岡村が４月11日以来、約４ヶ月ぶりの先発マウンドに登った。またチーム唯一のバックアップメンバーである有田も2008年５月の東京ドーム記念試合以来の参加となり、三本柱不在の不安は感じさせなかった。 しかし岡村は初回、一死から死球で出したランナーを二盗、ワイルドピッチで三塁まで進ませ、捕逸の間に本塁まで許してしまいノーヒットで早々に１点を献上してしまった。だが、その直後の１回裏、先頭の岡村が四球で出ると二盗、さらに暴投の間に三塁へ進み、捕手から投手への返球が緩いのを見逃さず、積極的に本盗を仕掛け、見事に成功。岡村の自身通算３度目のホームスチールが決まり早くも同点に追いつくと、２番の有田も四球を選んで出塁し二盗、暴投で三塁に進んでチャンスを演出。３番の三輪が力いっぱい振り抜いたバットに弾かれたボールは左翼手のはるか頭上を越え、隣のグランドの奥まで転がっていく。三塁ランナーの有田に続き、打った三輪もダイヤモンドを一周。三輪の今季１号ホームランが飛び出し、打者３人で３点を奪ってアッという間に逆転に成功した。 先制点を献上したが、すぐに逆転してもらった岡村は２回、２者連続四球でピンチを招くが、後続を打ち取り無失点に抑える。しかし３回、２者連続四球と盗塁で無死二、三塁と再びピンチを背負う。だが、次打者を三振に仕留め、続く打者はサードゴロ、三塁ランナーがホームへ突入したためサードの有田がキャッチャー北島へ矢のような送球、多少、高かったが北島が体を張ってブロックして見事にタッチアウトで二死となるが、次打者にレフト前に運ばれて１点を与えて１点差と詰め寄られてしまう。 その裏、先頭の菊池が粘って四球で出塁し、続く後藤が初球をライトへ流し打ち。菊池は一塁から長駆ホームイン、打った後藤も三塁まで達し、タイムリースリーベースで１点を追加。さらに後藤はワイルドピッチの間にホームを駆け抜け、この回２点目とリードを広げた。 岡村は４回にも四球の後、タイムリーを浴びて１点を失う。投手陣三本柱不在、さらに暑さと砂塵に苦しみながらのピッチングが続くが、直後の４回裏、マウンドで頑張る岡村を援護すべく打線がつながった。先頭の田辺が四球から二盗の当然コンポで二塁に達し、続く西浦は平凡なライトフライだったが、右翼手が落球、それを見た田辺は快足を飛ばして三塁も蹴って楽々ホームイン。西浦も二塁に達すると、ワイルドピッチの間に三塁へ。一死後に佐藤が四球＆二盗で一死二、三塁として伊藤が今日２本目のヒットを放って西浦が生還、佐藤もホームを狙うが残念ながらタッチアウトとなるが、伊藤はすかさず二盗、さらに北島が死球をぶつけられ、ワイルドピッチでそれぞれ進塁し、二死二、三塁として菊池がレフトへ鮮やかに弾き返し、伊藤、北島がホームイン。菊池は二塁で封殺されるが、この回４点を奪って力投する岡村を援護した。 岡村は５回にも１点を失うが、５イニングを投げ４安打４失点（自責点２）と三本柱不在をカバーするピッチングを披露してマウンドを降りた。岡村は打っても存在感をアピールした。５回裏、先頭の後藤が四球で出塁し、ワイルドピッチや盗塁で三塁まで達するとタイムリーツーベースを放って得点を二桁に乗せる10点目を叩きだした。さらに一死後、三輪が左中間を深々と破るタイムリースリーベースも飛び出して得点は11点と大きくリードしたまま時間的最終回である最後の守りにつく。 最終回のマウンドにはバックアップメンバーである有田が登った。有田とジュピターズの出会いは2001年９月、彼が当時まだ中学生の頃だった。何度か助っ人として試合に出場し、2007年10月にチーム初のバックアップメンバーとして背番号１のユニフォームを着ることとなったが、その後は仕事の都合などで2008年に２試合の参加のみで、１度も投手としての登板はなかった。しかし、野球センスに関しては中学生の頃から折り紙つき、何の不安もなくマウンドへ送りだした。有田は先頭打者を味方のエラーで出塁させるが、後続をキャッチャーフライ、センターフライと簡単に二死とし、最後の打者からは三振を奪ってゲームセット。夏の練習試合最終戦は投手陣三本柱不在を感じさせない岡村、有田のリレーと毎回安打と長打攻勢で二桁得点を奪って快勝、翌週からのＳリーグに向けて良い形で締めくくることができた。尚、岡村は今季２勝目となり、これで仁上、高橋、長谷川、岡村の４人全員が勝利数２勝で並んだ。 結局、夏の練習試合は５試合戦い４勝１敗。１試合最多の38得点試合があったり、６点差を守り切れずに負けた試合もあった。しかし、Ｓリーグ前半戦は貧打に悩まされたが、この夏の練習試合では打線につながりもでき、少ないヒットでも効率的に得点を奪うことができた。ただ、この試合でも５番から８番までの主軸に当たりが出ず、不安な面も残ったが、とりあえず猛暑の夏にチーム力を鍛えあげることができたはずであり最終調整は完了と言っていいだろう。いよいよ来週からのＳリーグ後半戦、まずは残暑の中での３週連戦と厳しいスケジュールではあるが、チームが一丸となって悲願、念願のリーグ３連覇に向けて戦い抜くしかない。絶対に負けられない戦いとなるが、必ず覇権を守りぬこう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 19 | 岡村 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 3 | 1 | .391 | 四球 | … | 一飛 | … | 中２ |
| 51 | 有田 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | .000 | 四球 | … | 振逃 | … | 三ゴ |
| 35 | 三輪 | 3 | 3 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | .269 | 中本 | … | 二ゴ | … | 左３ |
| D2 | 則 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .429 | 中安 | … | 左飛 | … | 遊ゴ |
| 8 | 田辺 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | .231 | 三振 | … | … | 四球 | 投ゴ |
| D3 | 西浦 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .152 | 一ゴ | … | … | 右失 | … |
| 9D | 箕浦 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .286 | … | 一ゴ | … | 投ゴ | … |
| 7 | 佐藤 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .136 | … | 二飛 | … | 四球 | … |
| 6 | 伊藤 | 2 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | .222 | … | 右安 | … | 右安 | … |
| 2D | 北島 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .125 | … | 二ゴ | … | 死球 | … |
| 4 | 菊池 | 2 | 1 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | .208 | … | … | 四球 | 左安 | … |
| D | 後藤 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | .235 | … | … | 右３ | … | 四球 |
| 合計 | 29 | 22 | 8 | 8 | 7 | 2 | 10 | 3 | .267 | 試合時間1時間50分 | |||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 岡村 | 5 | 27 | 4 | 4 | 7 | 2 | 5.69 | 99 |
| 有田 | 1 | 4 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0.00 | 15 |
