| ジュピターズ20周年記念でもある2010年の夏は観測史上113年間で最も暑い夏であり歴史に残る夏となった。暦は９月に入ったが残暑と呼ぶには厳しすぎる暑さが続く。すでに東京では熱帯夜の記録を更新した。また京都では39.9度と９月の最高気温を更新したこの日、朝方は曇っていたが試合途中から眩しい太陽が照りつけ、先週同様に猛暑での試合となった。 前節に首位のゼファーズが敗れる波乱があり、フラワーズとの死闘を制したジュピターズに自力優勝の可能性が復活したものの、この日の試合に先発を予定していた仁上が急に欠場。長谷川も前から欠場報告を受けており、高橋も参加未定だったため、Ｓリーグ公式戦に於いて投手陣三本柱欠場が危惧されたが、高橋が無事に参加。とりあえず三本柱不在は回避された。 ９月ではあるが真夏の陽射しの下、連投の高橋を援護するべく初回から積極的に点を奪いに行った。まず初回、先頭の岡村が敵失で出塁し二塁まで達すると三盗を仕掛ける。一死から三輪の敵失の間に岡村が生還し難なく先取点を奪うと、三輪も二盗と早くも足攻でチャンスを広げる。ここで４番の則がレフト線へ鋭いライナーを放ち、ワンバウンド後に後方の草むらへ飛び込むエンタイトルツーベースで三輪が楽々ホームを踏んで２点目、さらに続く手塚が四球で歩いて即二盗。伊藤が倒れて二死二、三塁となるが、菊池が打席の時に捕手から投手への返球が逸れたのを見逃さずに則がホームを駆け抜け、初回にヒット１本ながら３点を奪い幸先良いスタートを切った。 続く２回には四球の西浦を塁に置き、続く箕浦は内野フライに倒れたが、飛び出していた西浦を刺そうとした返球が暴投となり西浦は二塁へ。ここで高橋がタイムリーツーベースを放って西浦が生還し１点を追加。さらに３回には連続四球の後藤と岡村を塁に置き、田辺が先週の決勝タイムリーと同じように右中間を深々破る２点タイムリースリーベースを放つ。続く三輪の敵失の間に田辺が生還、さらに塁上の三輪は二盗、捕逸で三塁へ達し、則の内野安打でホームイン。則も積極的に二盗、三盗を成功させ、伊藤の内野ゴロの間に生還して結局、この回５点を奪ってリードを広げた。 先週、猛暑の中でフラワーズ相手に124球を投げて完投した高橋が２試合連続で先発。この日の高橋は最初から奪三振を捨て、打たせて取る省エネピッチに終始した。２回1/3まで僅か１安打の好投を見せたが、３回に出会い頭の一発を浴びて１点を失う。しかし大量リードに援護され、その後も順調に凡打の山を築きピンチらしいピンチは１度もなかった。 Ｓリーグ前半戦５試合のチーム打率は２割にも満たない６チーム中最低の数字で投手陣に頼り切っていた打線だったが、真夏の練習試合で鍛え上げた成果が発揮された。４回、先頭の西浦が四球で出塁し、続く箕浦が二塁打で無死二、三塁のチャンス。ここで高橋が２打席連続のツーベースを放って２者が生還。高橋はすかさず三盗し、一死後に後藤の内野安打でホームを駆け抜け、岡村、田辺が連続四球で一死満塁から三輪も押し出しの四球を選ぶ。なおも一死満塁のチャンスに則が猛打賞となる３本目のヒットはセンターオーバーの２点ツーベースとなり、この回４安打で大量６点を奪って試合を決定づけた。さらに容赦ない攻撃は続き、５回には先頭の菊池が二塁打を放ち、佐藤が敵失で二塁へ達して無死二、三塁から西浦の２点タイムリーツーベースが飛び出し、さらに西浦は三盗、そして暴投の間にホームを踏み３点目。続く箕浦も四球で歩いて二盗と暴投で三塁に達してからラストバッターの後藤がセンターオーバーの二塁打を放って４点目。得点は今大会６チーム中１試合最多の19点となった。 時間的最終回となった５回裏のマウンドには岡村が登った。結局、連投となった高橋は４回を投げて３安打１失点の好投。それも僅か42球の省エネ投球だった。投手陣三本柱不在の場合、一時は先発も予定されていた岡村は最終回も簡単に僅か６球で退ける好投を披露。すでに投手陣四本柱と呼んでも良い存在となった。テンポよく投げた高橋、岡村のリレーは守備陣も安定させ、炎天下の試合にもかかわらず、集中力が最後まで持続して見事にノーエラーだった。 先週から来週まで続く猛暑の中での３週連戦の２戦目となった第七節は５イニングで終了ながら、毎回安打、毎回得点の猛攻で19対１で快勝。二桁11安打のうち１試合最多新記録となる８本の二塁打が飛び出し、春は眠っていた自慢のビッグバン打線が復活したと言ってもいいだろう。 発達した太平洋高気圧の影響で来週も猛暑は続くようだ。３週連戦の３試合目も厳しい戦いが予想される。再び仁上、長谷川の欠場が決まっていて高橋、岡村も未定の状態である。悲願の３連覇に向け正念場となる第八節も一丸となって戦い、３連覇に向かって着実に歩みを進めよう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 51 | 岡村 | 4 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | .346 | 遊失 | … | 四球 | 四球 | 遊飛 |
| 8 | 田辺 | 3 | 2 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | .258 | 投ゴ | … | 中３ | 四球 | … |
| 35 | 三輪 | 3 | 2 | 0 | 2 | 1 | 0 | 2 | 0 | .241 | 遊失 | … | 二失 | 四球 | … |
| D | 則 | 3 | 3 | 3 | 4 | 0 | 0 | 3 | 0 | .441 | 左２ | … | 遊安 | 中２ | … |
| D | 手塚 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | .333 | 四球 | … | 投ゴ | 三振 | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .219 | 投飛 | … | 遊ゴ | 三振 | … |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | .241 | 三振 | … | 三失 | … | 中２ |
| 7 | 佐藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .154 | … | 三振 | 三振 | … | 三失 |
| D3 | 西浦 | 3 | 1 | 1 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | .200 | … | 四球 | … | 四球 | 左２ |
| 9D | 箕浦 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .320 | … | 二飛 | … | 中２ | 四球 |
| 19 | 高橋 | 3 | 3 | 2 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | .211 | … | 左２ | … | 中２ | 遊飛 |
| 2 | 北島 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .105 | … | 遊ゴ | … | 三振 | 一飛 |
| D | 後藤 | 3 | 2 | 2 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | .316 | … | … | 四球 | 遊安 | 中２ |
| 合計 | 40 | 31 | 11 | 16 | 9 | 6 | 13 | 0 | .251 | 試合時間1時間43分 | |||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 高 橋 | 4 | 15 | 3 | 2 | 0 | 1 | 1.54 | 42 |
| 岡 村 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3.35 | 6 |
