| 第16回大会、第17回大会と年間１大会制になってリーグ初の連続優勝を果たし、昨年の第18回大会には３連覇を狙って臨んだが力及ばず準優勝に終わった。今大会はもちろん失った覇権を奪回することのみが目標である。このやる気の表れなのか、春の暖かな陽射しが降り注ぐ三郷に15選手が集まった。そして誰もが胸に覇権奪回を秘めていた。 東京近郊は先週に桜満開のピークを迎えたため、すでに散っているが、第一節は不戦勝で勝ち点を得たものの、不本意の形での勝利に消化不良だったナインの戦闘意欲は満開だった。それが大量15選手の集結になったのかもしれない。しかし、このやる気が試合では空回りしてしまった。 先発マウンドに登ったのは昨年の中盤から終盤と欠場が続いたため、実に昨年７月25日以来、約９ヶ月ぶりの登板となる長谷川が登った。しかし立ち上がりに連続四球からタイムリーを浴び、さらに捕手･北島の捕逸の間にランナーがホームを駆け抜け初回２点を失ってしまう。すぐさま反撃したいジュピターズだったが岡村、田辺、三輪と３者凡退。昨年は機能していた得点パターンがあっさりと倒れてしまった。しかし２回、先頭の則がフルスイングですくい上げた打球は、大きな放物線を描き、長い滞空時間の後、レフト後方の草むらへ飛び込んだ。主砲･則の一振りで１点差に近づき、続く西浦もヒットを放ち追撃ムードが高まった。ところが高橋、佐藤、手塚と期待された３人が簡単に倒れ結局、則砲の１点のみに終わった。 ３回、追撃のためになんとしても追加点を与えることは許されない長谷川だったが、まず味方守備の乱れで先頭のランナーを出すと、ワイルドピッチが続き三塁まで進まれ、内野ゴロの間に生還を許し簡単に１点を与えてしまい再び２点差にされる。さらに連打を浴びて一死一、二塁からなんと連続ワイルドピッチで１点を献上。この回２点を気前良く与えてしまい３点差としてしまう。 覇権奪回のためには、どうしても負けられないため、制球の定まらない長谷川と動きの鈍い北島のバッテリーを３回で諦め、高橋･則のバッテリーで中盤から終盤に勝負を懸けた。ところが４回、高橋の代わり端に再び味方守備の乱れでランナーを出し、さらに高橋は連打を浴びて１点を失う。さらに一死一、二塁の時、鋭い打球がライトへ、これを仁上がまさかの後逸で二者とも生還させてしまい、この回３点を失い６点差となってしまう。 それでも最後まで諦めない打撃陣は直後の４回裏、箕浦のヒットや仁上、岡村が四球で歩いて一死満塁のチャンスから田辺も押し出しの四球を選んで１点を返した。それまで四球のなかった相手投手だったが、ここにきて制球が乱れてきたので大きなチャンスでクリーンアップに打順が周った。だが、ここで信じられないことが起きた。三輪は三振に倒れ、二塁ランナーの岡村のリードが大きいと捕手から遊撃手へ送球され、岡村が二三塁間に挟まれる。これを見て三塁ランナーの仁上がホームに向かってスタートするが明らかにタイミングの遅いスタートのため、ホーム手前でタッチアウト。なんと三輪が三振のため三振ゲッツーとなり、貴重な満塁のチャンスを拙攻で潰してしまい、アップアップだった相手投手を助けてしまった。それでも５回、西浦がヒットで出塁し、続く高橋が死球をぶつけられ、さらにワイルドピッチで進塁し、二死二、三塁から手塚が幸運な敵失で西浦が生還して１点を奪い、一塁ランナーの手塚が二盗を仕掛け、捕手が二塁へ投げた瞬間に三塁ランナーの高橋が好スタートを切ってホームを駆け抜けた。ディレイドスチールが決まって、この回２点を返し３点差まで詰め寄った。だが反撃はここまで。６回には北島、箕浦の連打が出るものの得点には至らず。最終回も敵失でランナーを出すが後続が倒れて結局、７対４で惜敗。代わり端に不本意な３点を奪われた高橋だったが、それ以降の５回から３イニングは二塁すら踏ませない気迫のピッチングだっただけに無駄な失点を悔やんでしまう。 第一節は没収試合のため不戦勝で一応、１勝を挙げているものの、実質Ｓリーグ公式戦の実戦初戦は悔しい黒星で始まってしまった。しかしワイルドピッチ、パスボール、エラー絡みなど、あまりにも簡単に得点を与えすぎである。おまけに打撃は拙攻だらけで４点取るのが精一杯では勝利は難しい。それでも今大会は始まっている。まだ１敗、覇権奪回に向け戦いながら調子を上げていくしかない。その道は果てしなく遠いが一歩一歩、確実に進むしかないのだ。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 5 | 岡村 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 三ゴ | … | … | 四球 | … | … | 三失 |
| 8 | 田辺 | 3 | 2 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 三ゴ | … | … | 四球 | … | … | 三振 |
| 3 | 三輪 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 投飛 | … | … | 三振 | … | … | 三振 |
| D2 | 則 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | … | 左本 | … | … | 三振 | … | … |
| D | 西浦 | 2 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | … | 左安 | … | … | 右安 | … | … |
| D1 | 高橋 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | … | 二ゴ | … | … | 死球 | … | … |
| 7 | 佐藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | … | 中飛 | … | … | 三振 | … | … |
| D | 手塚 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | … | 遊ゴ | … | … | 三失 | … | … |
| 6 | 伊藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | … | … | 遊ゴ | … | 投ゴ | … | … |
| 1D | 長谷川 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | … | … | 二飛 | … | … | 中飛 | … |
| 4 | 菊池 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | … | … | 中安 | … | … | 三振 | … |
| 2D | 北島 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | … | … | 二飛 | … | … | 中安 | … |
| 9D | 箕浦 | 2 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | … | … | … | 右安 | … | 左安 | … |
| D9 | 仁上 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | … | … | … | 四球 | … | 投ゴ | … |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | … | … | … | 三振 | … | … | 三振 |
| 合計 | 33 | 29 | 7 | 2 | 4 | 8 | 2 | 3 | 試合時間1時間50分 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ● | 長谷川 | 3 | 16 | 3 | 2 | 4 | 3 | 7.00 | 68 |
| 高 橋 | 4 | 18 | 4 | 7 | 1 | 0 | 0.00 | 76 |
