| 前試合からゴールデンウィークを挟み４週間ぶりの試合は５月特有の爽やかな陽射しの下で行われた。しかし時折、外野からホーム方向に強い風も吹き、波乱の予感も感じられた。ジュピターズは前試合には大量15選手が参加したものの結果に結びつかず深刻な貧打に悩まされていたが、４週間のインターバルでどう変化したのか期待がもたれた。ところがこの４週間の間に長谷川が背筋の肉離れ、北島は両膝の負傷で長期戦線離脱を余儀なくされ、昨年チームMVPの岡村や仁上も仕事の都合で欠場となり、今季最少の11名で2011年シーズン実戦初勝利を目指しての戦いとなった。 初回、一死から箕浦が四球を選び、続く三輪が今季初ヒットを放って一、二塁のチャンスを迎える。しかし４番の則は平凡なショートフライ。だが上空は強い向かい風のため打球が押し戻され遊撃手が落球。その前に審判がインフィールドフライを宣告していたが、二塁ランナーの箕浦には審判の声が届いていなかったのか、落球を見るや三塁へ走ってしまい、当然二、三塁間に挟まれタッチアウト。結局、インフィールドフライ宣告時に打者の則はアウトになっているため、ダブルプレーでチャンスを潰してしまった。 今季初先発の高橋はいきなり先頭打者に左中間に運ばれるがレフトの佐藤が好捕。続く打者を三塁ゴロに仕留めるものの、ファーストの西浦が落球しランナーを生かしてしまう。だが、次打者はショートゴロで二塁フォースアウトでランナーが入れ替わり二死一塁で４番打者と相対する。バットに弾かれた打球は平凡なレフトフライに見えたが、左翼側が異常に狭いグランドのため、逆風など関係なくこの打球がレフト後方の草むらに飛び込みツーランホームランとなってしまった。しかし、実際は草むらと打球を追っていた左翼手の佐藤の間に打球は落ち、ホームランではなくエンタイトルツーベースだったが審判の残念な誤審により痛い先制点となってしまった。 ２点を追うジュピターズは２回から４回まで３者凡退に倒れる。しかも４回は３者連続三振と全く快音の聞かれる気配すらなかった。逆に４回裏、先頭打者をヒットで出し、二死まで奪うものの次打者にライトへ弾き返され、この打球が逆風で押し戻され、前進する右翼手の箕浦のグラブが僅かに届かず二塁打となり１点を献上してしまう。３点差とされた５回の攻撃は三輪、則が連続四球で出塁。西浦が内野フライで倒れた後、菊池も四球で一死満塁と絶好のチャンスに一発のある手塚、佐藤に打順が周ってくる。しかし手塚は内野ゴロで三輪がホームでアウトとなり二死満塁、さらに佐藤は三振に倒れ３者残塁と１点も奪えなかった。 ５回を３者凡退に抑えた高橋だったが、６回に味方に足を引っ張られる。簡単に一死を奪い、続く打者もショートゴロに打ち取るものの伊藤の送球を西浦が弾きランナーを生かしてしまう。名手である西浦は初回に続いて珍しく２失策目だが、実は車の修理中に借りていた代車のトランクに愛用のファーストミットを入れたまま返してしまったため、慣れない借り物の小さなグローブでの守備となり、さらにこの時の捕球でグローブの網が切れてしまう不安も重なりエラーとなってしまった。グローブの網が切れてしまった西浦に代わり、手塚が一塁を守ったが、エラーの連鎖が続いてしまった。一死一塁の直後に高橋は死球をぶつけて一死一、二塁のピンチを背負うが続く打者をショートゴロに打ち取るものの、ダブルプレーを焦ったのか伊藤がファンブルし、無理な体勢での送球が悪送球となり二塁ランナーを生還させてしまい、尚も一死二、三塁のピンチが続く。味方の相次ぐミスに動じず高橋は次打者をピッチャーゴロに打ち取り、三塁ランナーを牽制しながら一塁へ投げるが、西浦に代わった手塚が信じられない落球で一死満塁としてしまう。さらに続く打者は強いファーストゴロ、これを手塚が捕球し、一塁を踏んでバッターランナーをアウトにしてからホームに投げるが、バッターランナーが先にアウトになったためにホームはタッチプレーとなるため、手塚から捕手の則へ素早い送球が渡ったものの、ホームに走り込むランナーへのタッチが僅かに遅れ生還を許し、結局この回ノーヒットながら内野のミスが相次ぎ２点を献上してしまった。 気付けば最終回、ここまでジュピターズのヒットは初回の三輪の１本だけに抑えられていた。いまだ片目すら開かない打撃陣にとって２番からの好打順も関係なかった。簡単に３者凡退に倒れてゲームセット。2007年以来４年ぶりの完封負けを喫し、早くも今大会２敗目となり土俵際に追い込まれてしまった。 我慢強く92球を投げ、相手打線を４安打２四死球に抑えた熱投の高橋を守備が足を引っ張り、打撃陣は完全に見殺しにしてしまい最悪の展開。しかし僅か１安打では何もできず。スランプのない自慢の足攻も影を潜めて０盗塁だった。フライが押し戻されるような強風の中、外野陣は頑張ったが、内野につまらないミスがあれだけ出て、しかもほとんどが得点に絡んでしまっては勝負にならない。ちなみに相手はノーエラー。まさに内野のエラーが致命傷となった。 これで第一節のフィッシャーズ戦は不戦勝だが、急遽組まれた練習試合から第三節まで３連敗。実戦では2011年シーズン、未だ勝ち星なしである。かなり厳しい戦いが続くが、いつか必ずビッグバンするはず。気持ちを切らさず、１試合１試合を大切に戦っていくしかない。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 田辺 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 三振 | … | … | 三振 | … | 中飛 | … |
| 9 | 箕浦 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 四球 | … | … | 三振 | … | … | 一ゴ |
| 5 | 三輪 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 中安 | … | … | … | 四球 | … | 三振 |
| 2 | 則 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 遊飛 | … | … | … | 四球 | … | 三振 |
| 3D | 西浦 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | … | 三振 | … | … | 遊飛 | … | … |
| 4 | 菊池 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | … | 中飛 | … | … | 四球 | … | … |
| D3 | 手塚 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | … | 遊飛 | … | … | 投ゴ | … | … |
| 7 | 佐藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | … | … | 三振 | … | 三振 | … | … |
| 1 | 高橋 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | … | … | 一ゴ | … | … | 四球 | … |
| 6 | 伊藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | … | … | 二ゴ | … | … | 三振 | … |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | … | … | … | 三振 | … | 三ゴ | … |
| 合計 | 26 | 21 | 1 | 0 | 5 | 10 | 0 | 5 | 試合時間1時間20分 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ● | 高 橋 | 6 | 29 | 4 | 4 | 2 | 1 | 0.70 | 92 |
