| ５月３週連戦最後であった先週は、土曜から日曜にかけ激しい降雨があり今季初の順延で１週間後に仕切り直しとなった。しかし、土日の雨で三郷のグランドは冠水し、開催が危ぶまれたが、この日は梅雨入り後初の夏日となり蒸し暑い中でのＳリーグ第19回大会の折り返しとなった。 前節、首位のゼファーズに対して敗戦濃厚となる４点差で最終回の攻撃に臨み、最後まで絶対に諦めない気持ちがバットに乗り移り４点を奪って同点引き分けに持ち込んだジュピターズ。それまで沈黙していた打線も３ホームランを含む今季初の二桁安打を放ち、ようやくエンジンがかかってきた。だがすでに今大会２敗を喫しているため、土俵際での厳しい戦いは続く。なんとか勝敗をイーブンにして折り返しを果たし、後半戦に弾みをつけたいところである。 先発マウンドには前節、８失点ながら完投した仁上が志願の連続登板。この日も信条の粘りのピッチングを披露し、またバックも好守備で仁上を助け４回まで４安打を浴びるが決してホームは許さなかった。 本来の当たりが戻ってきたジュピターズだったが初回、２回は簡単に打ち損じてしまい連続３者凡退。しかし３回、先頭の箕浦が快音を響かせセンター前に弾き返し、この試合チーム初ヒットが生まれると、続く手塚が三遊間を破って連打でチャンスを拡大。さらに前節に猛打賞を放った仁上が前試合から４打席連続となるヒットを放ち二塁から箕浦が生還、打った仁上も二塁へ達した。仁上の先制タイムリーツーベースの後に長谷川が四球を選んで満塁にすると、一死から北島が右中間へヒットを放って手塚、仁上が相次いでホームを踏んで追加点。さらに北島が果敢にスチールで二、三塁とチャンスをつなげると二死から田辺の放った打球は左中間の深い場所にダイレクトに飛び込んだ。田辺の２試合連続となるスリーランホームランが炸裂し、この回５本の長短打を集中させ６点を奪う怒涛の攻撃を見せた。ちなみに田辺は今季３本のヒットを打っているが、その３本すべてがホームランであり、ホームラン率驚異の10割である。そしてソロ→ツーラン→スリーランと続いている。 中軸から下位打線を中心とした攻撃で６点を奪った後の４回は一死から則が四球で出塁すると二盗を仕掛け、二死から伊藤のサードゴロの間に三塁を蹴ってホームを狙うがファーストからキャッチャーに好返球が戻ってタッチアウト。しかし、アウトになったものの積極的かつ攻撃的な姿勢がチームに戻ってきた。 ４回までスコアボードに０を並べていた仁上だったが５回、一死から二塁打を打たれ、さらに盗塁を許した後にタイムリーを浴びて１点を失う。だが、直後の５回裏、再び先頭の箕浦のバットが快音を鳴らしてヒットで出塁。続く手塚は四球を選び、直後にダブルスチールを敢行。さらにワイルドピッチで箕浦は楽々と生還した。無死三塁から仁上は左翼手の失策により二塁へ達し、その間に手塚がホームを踏み、続く長谷川もヒットで続く。ここで牽制悪送球があって仁上が生還してこの回３点目。そして高橋、北島が連続四球で満塁のチャンスに後藤も押し出しの四球を選んで４点目。さらに田辺の内野ゴロでランナーが入れ替わったが、菊池のピッチャーゴロが敵失となり北島が５点目のホームを駆け抜けた。結局、この回はヒットは２本ながら４四球３失策３盗塁で５点を奪い、今季初の二桁得点に到達し、試合をほぼ決定づけた。 疲れの見えてきた仁上は６回、連打を浴びて無死一、二塁のピンチを背負うものの相手の拙攻にも助けられ無得点。そして最終回、先頭打者を味方のミスで出すと、続く打者にヒットを放たれ無死一、三塁としてしまう。そして次打者の打球は左翼の草むらに飛び込むスリーランアーチ。前節と同じく最終回にスリーランで３点を失ってしまった。しかし大勢に影響はなく、ランナーがいなくなったことにより気持ちを切り替え、次打者をサードゴロ、続く打者はセンターフライ。そしてラストバッターをピッチャーゴロに打ち取りゲームセット。終わってみれば仁上は10安打を浴びるものの仁上自身2008年４月のミラーズ戦以来となる通算４度目の無四球完投で今季初勝利を挙げた。この日は高橋も長谷川も参加していたため疲れの見えてきたところで交代も考えられたが、得点差もあり球数も100球に届いていなかった。そして何より仁上自身が最後まで投げ抜くという気持ちが強かったため全てを仁上に託した。これで仁上は今季３試合に先発し、３試合連続完投でもある。 この試合は１ホームランを含む７安打だったが、効率的に得点を挙げることができ、打線は本来の状態に戻りつつある。しかしクリーンアップトリオが不発。それを補ったのが３回と５回の得点イニングの口火を切った箕浦のバットだった。箕浦はこれでチーム唯一の３割打者として首位打者に浮上。昨年も自身最高打率を残しているだけに今後のバッティングに期待である。 今季開幕戦のＳリーグ第一節は不戦勝で挙げた勝利であった。その後に３連敗し、前節は引き分けと今季はまだ実戦の勝利を味わっていなかったが、６試合目にしてようやく実戦初勝利。そしてこれでＳリーグは２勝２敗１分とイーブンで折り返し成功となった。残り５試合に勝負をかけるためにもSリーグ後半戦が始まるまでの約２ヶ月間、精力的に夏のPSGで鍛え直して挑みたい。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 8 | 田辺 | 3 | 3 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | .273 | 三飛 | … | 左本 | … | 三ゴ | … |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .182 | 投ゴ | … | 投飛 | … | 投失 | … |
| 3 | 三輪 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .133 | 三ゴ | … | … | 遊飛 | 遊ゴ | … |
| 2 | 則 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .273 | … | 遊飛 | … | 四球 | 三飛 | … |
| D | 西浦 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .273 | … | 中飛 | … | 三飛 | … | 一ゴ |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | .182 | … | 三飛 | … | 三ゴ | … | 遊直 |
| 9 | 箕浦 | 3 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | .308 | … | … | 中安 | … | 右安 | 三振 |
| D | 手塚 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .091 | … | … | 左安 | … | 四球 | … |
| 1 | 仁上 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | .500 | … | … | 左２ | … | 左失 | … |
| 5 | 長谷川 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | .400 | … | … | 四球 | … | 中安 | … |
| 7 | 高橋 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .200 | … | … | 投飛 | … | 四球 | … |
| D | 北島 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .333 | … | … | 中安 | … | 四球 | … |
| D | 後藤 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | .000 | … | … | 三振 | … | 四球 | … |
| 合計 | 33 | 27 | 7 | 5 | 6 | 2 | 5 | 4 | .220 | 試合時間1時間30分 | ||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 仁 上 | 7 | 33 | 10 | 2 | 0 | 2 | 4.55 | 97 |
