| ９月に予定されていたＳリーグ２試合は、いずれも台風12号の影響によりグランドが冠水したため順延となってしまい、チーム創設初めて９月に試合がない事態と思われたが、Ｓリーグが順延となった９月11日に急遽、大宮にて練習試合を敢行。なんとか９月試合なしを回避できた。しかし、９月後半にはさらに勢力の強い台風15号が上陸。各地で交通網がマヒする被害を出し、三郷のグランドは２度目の冠水被害に遭った。それから約10日後、回復状況が懸念されたが、８月28日以来、１ヶ月超ぶりにＳリーグ公式戦が再開となった。２度の順延があったため再開直後、第七節の対戦相手は首位を独走するゼファーズ。この試合に勝利しなければジュピターズの覇権奪回の道は途絶えてしまうと言っても過言ではない重要な試合となった。神７の１人であった手塚が体調不良で欠場したが、９月11日の練習試合に欠場した岡村や三輪、高橋も揃い、ほぼベストな布陣で試合に臨めることができた。 運命の天王山の初回、ジュピターズは一死から岡村が死球、すかさず二盗、続く田辺がセンター前に弾き返して一死一、三塁のチャンスを迎える。ここで４番の則は内野ゴロながら岡村が三塁から好スタートを切ってホームを駆け抜けて幸先良く先制した。ところが直後の一回裏、先頭打者を内野安打で生かし、二盗を許した後、二塁へ牽制を投げたが二塁手の菊池とタイミングが合わずに後逸。ランナーを三塁まで進ませてしまい、次打者に犠牲フライを打たれて同点に追いつかれると、さらに２本の長短打を打たれて１点を献上。早くも逆転されてしまった。 ２回以降も夏の練習試合以降、調子の上向いてきた打線はヒットを重ねてチャンスを演出するも、打線につながりがなくホームが遠かった。２回は二死から菊池がヒットで出るが一塁に釘付け。３回は先頭の仁上がヒット、続く高橋が絶妙なセーフティーバントで無死一、二塁とするも後続が倒れて無得点。４回にも則と箕浦のヒットで一、三塁と絶好のチャンスを作ったが得点には結びつかず。５回も無死で菊池が敵失で出塁したが再び一塁に釘付け状態。６回は二死から岡村がヒットを放つが盗塁失敗と毎回ランナーを出したがイライラの募る攻撃が続いた。 ジュピターズの先発マウンドには今季唯一、規定投球回数に達している仁上が登っていた。この試合、高橋も参加していたが登板間隔が空いていたので、仁上に白羽の矢が当たった。初回に逆転を許した仁上だったが２回も一死からヒットでランナーを出し、次打者にもセカンドとライトの間にポテンヒットを打たれるものの、ライトの三輪がすかさず二塁に送球して一塁ランナーを刺すと、次打者の時に盗塁を仕掛けてきたランナーを今度はキャッチャーの則がセカンドへストライク送球で見事に刺し、この回に２安打を打たれながらもバックに助けられ３者凡退で切り抜ける。ところが３回、先頭打者をヒットで出すと二盗を許した後、簡単に二死まで取るが続く打者の投手ゴロを焦って一番難しいバウンドで捌こうとして打球を弾いてしまい、これがベンチのラインを越えてしまったためにすでに三塁まで達していたランナーを楽々とテイクワンでホームに還してしまった。自らのエラーで痛恨の失点を許してしまった。だが、その後の仁上は巧みにコーナーを攻めて相手打線を封じ込め、４回から６回までの３イニングで許したヒットは内野安打の１本だけ、そしてなにより仁上自身今季２度目の無四球完投を果たして打線の援護を待った。ちなみに仁上の年間最多完投数は2002年と2003年の６完投だったが、この日の試合で今季は年間７完投に達し、入団12年目にして自身の最多完投数を更新した。（チーム記録は1994年、久保田の年間11完投） ２点を追うジュピターズだったが前述通り毎回ランナーは出すが打線につながりがなく、悪戯にイニングだけが過ぎていき、ついに最終回の攻撃を迎える。しかし打順良くクリーンアップからだったが、田辺、則と呆気なく倒れて二死と追いつめられる。しかし続く西浦が鮮やかにショートの頭を超える流し打ちのヒットで出塁すると、今度は箕浦が得意の右打ちでこの試合２本目のヒットを放って次につなげた。さらにワイルドピッチで、それぞれ進塁し二死ながら二、三塁と一打同点の場面で三輪に期待がかかったが三輪は敬遠気味の四球で歩かされ、菊池との勝負を迎える。この試合、ヒットと敵失で２度とも出塁していた菊池だったがカウント２−３から２球ファールで粘った後、空振りの三振に倒れてゲームセット。結局、最後に見せ場は作ったが初回の１点のみ、スミ１に抑えられ運命の天王山は悔しい敗戦を喫してしまったと同時に、首位相手の敗戦は自力優勝の可能性が消えるだけでなく、ほぼ覇権奪回の道が途絶えてしまったと言っていいだろう。相手よりヒット数を放っておきながら僅か１得点、あまりにも悔しい終戦記念日となってしまった。そして、この敗戦により2011年シーズン２度目の３連敗を喫してしまった。ちなみに22年間のシーズンで１年に２度の３連敗は創設初の屈辱である。 自力優勝の可能性がなく、限りなく絶望的な状況であるがＳリーグ第19回大会はまだ３試合も残っている。９月が順延続きだったために３週連続の超過密日程ではあるが、現在３勝３敗１分ながらまだ２位につけている。最後まで希望を捨てず、モチベーションを保って残り３試合、納得のいく戦いをしてもらいたい。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| D | 北島 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .304 | 三振 | … | 投ゴ | … | … | 二ゴ | … |
| 5 | 岡村 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | .308 | 死球 | … | 三振 | … | … | 左安 | … |
| 8 | 田辺 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | .278 | 中安 | … | … | 三振 | … | … | 左飛 |
| 2 | 則 | 3 | 3 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | .407 | 遊ゴ | … | … | 中安 | … | … | 三振 |
| 3 | 西浦 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .286 | 三振 | … | … | 三振 | … | … | 左安 |
| D | 箕浦 | 3 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .324 | … | 三振 | … | 右安 | … | … | 右安 |
| 9 | 三輪 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .240 | … | 三振 | … | 遊ゴ | … | … | 四球 |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | .185 | … | 左安 | … | … | 一失 | … | 三振 |
| 6 | 伊藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .185 | … | 投ゴ | … | … | 一飛 | … | … |
| 1 | 仁上 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .348 | … | … | 左安 | … | 三振 | … | … |
| 7 | 高橋 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .222 | … | … | 投安 | … | 三振 | … | … |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .278 | … | … | 三振 | … | … | 捕飛 | … |
| 合計 | 32 | 30 | 9 | 1 | 2 | 11 | 3 | 3 | .264 | 試合時間1時間40分 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ● | 仁 上 | 6 | 25 | 7 | 3 | 0 | 1 | 3.92 | 74 |
