昨年の同時期に組まれていた開幕戦は東日本大震災の影響による深刻なガソリン不足により中止を余儀なくされた。あれから１年、いまだ大震災からの復興や原発事故の終息には至っていないが、今年も球春はやってきた。２月に潮見で予定されていた自主練習（新ユニフォームサイズ合わせ）、１週間前の晴海で予定されていた全体練習がグランドコンディション不良による中止となり、これで３年連続で開幕前に練習をすることができずに実戦を迎えることになったものの、シーズンオフの間、野球に飢えていたナインは曇り空の大宮に元気に集まった。
2005年から７シーズン着用した15周年ユニフォームに替わり、今季からチームとして５着目となる新ユニフォームを作成、しかし残念ながら開幕には間に合わなかったため、2009年の開幕戦以来３年ぶりとなるストライプユニフォームに身を纏って開幕戦に臨んだ。この時期、まるで開幕を祝うかのように大宮の桜が満開となって我々を迎えてくれていたが、今年はまだ固いつぼみの状態で春は遠く感じられた。だが、グランド全体がどんよりとした厚い雲に覆われ、冷たい北風が吹く中、23度目の球春到来、10時35分にプレイボール。
ピンチを背負いながらも初回を無失点に抑えた直後の１回表、いきなり先頭の則がセンターオーバーのツーベースを放って華々しい幕開け。続く北島の時に三盗に成功。北島が倒れた後、仁上の敵失の間に則はホームベースを駆け抜け先制点を奪った。さらに４番の箕浦もヒットで続き、二死から西浦が四球を選んで満塁とするが後続倒れて初回は１点止まりだったが２回には二死から岡村が四球、高橋死球、佐藤も四球で再び満塁とし、2010年８月以来の参加となったバックアップメンバー有田も四球で押し出し１点、さらに打順は先頭に戻って則の内野安打の間に高橋、佐藤が相次いでホームインし、この回３点を挙げた。開幕戦の打順は前年の打撃成績順という変則打順を組んで臨んだが、いきなり２回まで昨年ＭＶＰの則が２安打で今季も存在感をアピールした。
ジュピターズの先発には今年から背番号をエースナンバー18番に変更した仁上が４年連続で開幕投手の任を務めた。残念ながら、この試合は18番のユニフォームではなく昨年までの13番であるが３回までノーヒットピッチングを続ける。しかし４回、自らのエラーで出したランナーに三盗を許し、内野ゴロの間に生還させてしまいノーヒットで１点を失ってしまう。さらに５回、簡単に２者連続三振で二死とした後、味方のエラーでランナーを出すと次打者に左中間に弾き返され初ヒットを許すも、後続を打ち取りピンチを切り抜けた。
その裏のジュピターズは岡村が死球、高橋が振り逃げで出塁、二死から岡村、高橋とも相手バッテリーエラーで生還して２点、則も四球で出塁した後に二盗と暴投で三塁へ進み、北島の内野安打で生還して３点目を奪い、１対７とリードを広げた。疲れの見えてきた仁上は６回に２安打２四球で１点、７回には１安打１四球ながら味方の連続エラーで２点を献上し、結局７回を投げて４安打４失点と、まずまずのピッチングでマウンドを降りた。
一方、攻撃の手を緩めないジュピターズは６回に制球の定まらない代わった投手から３者連続四球で満塁とし、伊藤のタイムリーや敵失、岡村のタイムリーで３点を追加し得点を二桁に挙げ、さらに７回には高橋の二塁打を皮切りに４安打４四球１死球で打者一巡、一挙７点を奪って完全に試合を決定づけた。開幕戦での二桁安打、二桁得点は2004年以来８年ぶりの快挙である。
仁上に代わって８回からマウンドに登ったのは、今年から背番号をチームの顔ともいえる１番に替えた高橋が堂々とマウンドに登る。８回は３者凡退、最終回も四球でランナーを２人出すが、大量リードに守られ危なげなく後続を打ち取りゲームセット。結局、23度目の開幕戦は４対18と大量リードで圧勝。強気の23年目、幸先よいスタートとなった。
試合開始直後はどんよりとした曇り空、さらに時折、小雨まじりの寒風も吹き荒れる厳しい条件下であったが、試合後半になると太陽が顔を出し、暖かな春の日差しがグランドに注いだ。目まぐるしく変わる天候の中でも野球に飢えていたナインは躍動し、全体練習中止の影響を微塵も感じさせなかった。また今年も始まった。今年も楽しみながら勝利を目指そう。次週、Ｓリーグからは新ユニフォームで派手にいくぜ！
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