| ９月の台風シーズンを避けるために前半に６試合を消化することになった今大会。しかし、最初に決まった日程にＳリーグ第20回大会記念の東京ドーム試合が割り込んで入ったため、前半に７試合、それも第四節から第七節まで４週連戦という超ハードな変則日程となった。幸か不幸か今大会は雨天順延がなく、４週連戦の４週目、選手達の疲れはピークに達していたが前半ラストの第七節は曇り空ながらも蒸し暑い中でプレイボールを迎えた。 第二節で対戦したフィッシャーズとの２度目の試合は首位攻防戦である。現在６戦を終え、ジュピターズは５勝１分と無敗で単独首位をキープ。追いかけるフィッシャーズは４勝２敗と２位につけていた。優勝の行方に大きく左右する一戦は首位攻防戦らしく一進一退の展開となった。初回、先発の高橋は簡単に二死を取ってから四球でランナーを出し、続く打者を味方のエラーで生かすと次打者にレフトへタイムリーを打たれて１点を献上してしまう。しかし１回裏、先頭の岡村が四球で出塁、続く高橋が投手と三塁手の間に絶妙な送りバント。その間に岡村は三塁手がベースを空けたのを見逃さず迷わずに二塁を蹴って三塁まで進む好走塁。手塚が死球で歩いた後、則の内野ゴロの間に岡村はホームを駆け抜け同点に追いついた。さらに佐藤が痛烈なライナーを放ち、これがレフト後方の草むらまで届いて手塚がゆっくり生還、逆転に成功した。ところが直後の２回表、一死から自らのエラーでランナーを出した高橋は次打者にライトオーバーの大飛球を浴び、一塁ランナーがホームイン、打者も三塁に達するタイムリースリーベースで同点に追いつかれてしまう。さらに３回には先頭打者に一発を浴びて逆転を許し、さらに死球と三塁打で１点を献上、この回２点を与えてしまった。ここまでリーグ戦４勝と好調の高橋だったが前半戦に飛ばした疲れが出ていたのかもしれない。いつになく不安定なピッチングだった。 ２点差を追いかけるジュピターズは４回、高橋が敵失で出塁するとワイルドピッチなどで三塁まで達し、さらにワイルドピッチがあり楽々ホームを踏んで１点差に詰め寄ると、続く５回には先頭の箕浦が死球で出塁、続く伊藤がこの試合２本目のヒットを放ち、中継がもたつく間に箕浦は三塁へ。伊藤も二盗を敢行して無死二、三塁のチャンスを迎える。菊池が倒れた後、西浦の内野ゴロの間に箕浦が生還して再び同点に追いつくと、田辺は四球そして二盗で二死二、三塁から後藤の内野ゴロが敵失を誘い伊藤がホームインで逆転に成功。さらに後藤が二盗した時に捕手の送球が逸れたのを田辺が見逃さずにホームを駆け抜け、結局この回は１安打ながら３点を奪い２点リードとして時間的最終回となる６回、最後の守備に就いた。 マウンドの高橋は簡単に一死を奪い、次打者もボテボテの内野ゴロに仕留めるも、これを味方がエラーでランナーを生かしてしまう。次打者には四球を与え、さらにワイルドピッチもあって一死一、三塁とピンチを迎えると、続く打者はショートゴロ。伊藤が一塁に送って二死とするがランナーがそれぞれ進塁したため１点を献上し１点差に詰め寄られ、さらに次打者にはレフトへ弾き返され二塁ランナーがホームを踏んで土壇場で同点に追いつかれてしまう。前週、仁上が最終回４点差を守り切れずに引き分けたが、この日は高橋が２点差を守りきることができなかった。しかも次打者には死球をぶつけてしまい、一、二塁のピンチは続いたが、最後の打者を内野フライに打ち取り、なんとか同点止まりに抑えた。 最後の攻撃は当然、サヨナラ勝ちしか狙わず一発に賭けた。この試合のグランドは左翼が異常に狭くホームランの出やすい右打者には有利なグランドだった。だが、先頭の高橋は左打者。内野ゴロに倒れて一死となるが、ここからのクリーンアップトリオは、どこからでも一発の狙えるバッターが続く。まず３番の手塚が打席に入るが敢え無く三振。４番の則も一発狙いの大振りで三振に倒れ、現在３ホームランでＳリーグ本塁打王トップの５番・佐藤に打席が周ることなくゲームセット。シーソーゲームの結末は、なんとリーグ戦では初めての体験となる２試合連続引き分け試合に終わった。 初回から高橋の不調は感じていた。本来、それをフォローするべき打線だったが、この日は初回に佐藤のタイムリー二塁打と伊藤の２安打の合計３安打と今まで好調だった打線が完全に沈黙してしまった。逆に考えれば僅か３安打で６点を奪い引き分けたのは幸運だったのかもしれない。（相手打線は７安打）今季は開幕当初から飛ばしてきたため、その疲れが出始めてきたのかもしれない。しかも深夜の東京ドームを含む４週連戦だったので全体的に投打に精彩を欠いていたように思える。だが、引き分けでも勝ち点１は獲得。相手にも勝ち点１は入ったが、対戦前と差は縮まっていないので首位攻防戦の直接対決で負けなかったことは大きい。そして幸いにもリーグ戦は残り３試合を残して８月末までの間、一時中断に入る。今後は夏の練習試合を戦いながらリーグ再開までマイペースで調整し、鍛え直すことができる。 今季ここまで開幕から８試合戦い、６勝２分と未だ黒星なしが続いている。過去、1996年と2008年の開幕６試合黒星なし（開幕６連勝）が記録として残っているが、今季は開幕８試合黒星なし（開幕６連勝＋引き分け２試合）とすでに記録を更新している。ジュピターズ「強気の23年目」、これからも派手に行こう！ |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 5 | 岡村 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .308 | 四球 | … | 三ゴ | … | 三振 | … |
| 1 | 高橋 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .400 | 投犠 | … | … | 二失 | … | 一ゴ |
| D | 手塚 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .318 | 死球 | … | … | 中飛 | … | 三振 |
| 2 | 則 | 3 | 3 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .250 | 三ゴ | … | … | 投ゴ | … | 三振 |
| 7 | 佐藤 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .471 | 中２ | … | … | 三振 | … | … |
| 9 | 箕浦 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | .385 | … | 三振 | … | … | 死球 | … |
| 6 | 伊藤 | 2 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .381 | … | 中安 | … | … | 中安 | … |
| 4 | 菊池 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | .278 | … | 右ゴ | … | … | 三振 | … |
| 3 | 西浦 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | .143 | … | 捕飛 | … | … | 二ゴ | … |
| 8 | 田辺 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .077 | … | … | 三ゴ | … | 四球 | … |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .267 | … | … | 投ゴ | … | 遊失 | … |
| 26 | 21 | 3 | 3 | 4 | 6 | 3 | 3 | .278 | 試合時間1時間40分 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| 高 橋 | 6 | 35 | 7 | 3 | 7 | 2 | 0.45 | 119 |
