２週間前、夢の島で予定されていた夏の練習試合２試合目がグランドコンディション不良のために今季初の中止となったため約１ヶ月ぶりの試合となった。しかし、この日の試合が計画された時点から欠場者が多く、また間際まで未定の選手も多かったため最悪の場合は９名を揃えることができない状況も考えられた。そこでＳリーグの盟友フィッシャーズに早くから助っ人を依頼。主力３選手が参戦してくれることになった。結局、未定だった選手も参加できたため、フィッシャーズからの助っ人を含め12名がグランドに集まったが、炎天下が予想される真夏の９イニング制試合、参加人数は多い方が助かる。この日は予想に反し、曇り空で過ごしやすい天候だったが、それはあくまで結果論。試合途中にケガ人（箕浦…５回の打席時に肉離れ）も出たため、フィッシャーズからの３選手の助っ人は本当に助かった。ちなみに助っ人の人数が１試合３名、ジュピターズの試合に参加したのは1999年の７月、光が丘での練習試合以来となる。当時はジュピターズメンバーがチーム史上１試合最少参加人数の僅か７名しか参加できず、ゼファーズから３選手を助っ人に頼んで戦った。その時以来13年ぶりに助っ人３名の参加試合となった。
フィッシャーズからＳリーグの最多勝経験のある２人の投手も参加してくれたが、先発マウンドには仁上が威風堂々と登った。この日は久しぶりにメッシュユニフォームを着用したため、18番から13番の背番号に戻ってのピッチングだったが、巧みにコーナーを突く仁上らしい粘りの投球で相手打線をかわしていた。しかし２回、二死からセンターオーバーの大飛球を打たれてしまい打ったバッターは二塁も蹴って三塁へ。そして三塁も蹴った。センターを守っていたフィッシャーズ国谷選手が中継のショート伊藤へダイレクト送球。さらに伊藤からサード手塚へボールが渡ったと思った直後、三塁を蹴ってホームへ向かうのを諦め戻ってきたランナーが目に入ったのか、手塚がこれを後逸。その間にランナーは再びホームへ向かい先制されてしまった。さらに３回には二死から味方のミスで出したランナーを背負った直後にタイムリーを浴びて２点目を献上してしまった。
２点を追いかけるジュピターズは相手投手のインコース攻めを攻略できず、スコアボードに０を並べていた。３者凡退は１度もなく毎回、ランナーは出していたが、なかなか攻略の糸口が見つからずにイニングだけが重ねられていた。そして７回、先頭の則が敵失で出塁し、ワイルドピッチの間に二塁へ。さらに相手投手の癖を見抜いて三盗を敢行してチャンスを演出。佐藤が倒れた後、手塚が三遊間をキレイに破るタイムリーを放ってようやく１点を返した。続く８回、先頭の西浦に四球を出して相手先発投手が代わった。その代わり端、一死から後藤が粘って四球を選び、さらにワイルドピッチで一死二、三塁と進塁。フィッシャーズ吉田選手のレフト前に落ちるタイムリーで西浦が生還して同点に追いつくと、フィッシャーズ佐々木選手も四球で出塁して満塁からフィッシャーズ国谷選手はセカンドゴロだったがダブルプレーを焦った捕手が二塁手からの送球時に本塁を踏んでいなかったため三塁から後藤が生還。フィッシャーズ助っ人三人衆の活躍もあり逆転に成功した。その後も満塁のチャンスは続いたが、期待の則、佐藤が連続三振に倒れ僅か１点リードしか奪えなかった。
序盤に味方のミス絡みで２点を失った仁上だったが、この日はテンポも良く、３回、４回は３者凡退に抑え、５回以降もランナーは出すものの要所は締めて追加点を許さずにいた。特に内野ゴロ、それもショートへのゴロが多く、伊藤が難なく捌いてピンチの芽を摘んでいた。結局、伊藤は９イニング制試合ということもあるが守備機会は27アウトのうち約半分の13度もあった。逆転してもらった直後の８回、二死から、その伊藤のエラーでランナーを出すが後続を打ち取り、いよいよ最終回を迎えた。
ここまで８回を終え３対２と緊迫した試合が続いていたが、最後の攻撃で予想外の展開となった。三番手としてマウンドに登った相手投手の制球が悪く、二死を取るまでに２四球、さらに敵失もあって１点を追加すると、二死から５者連続四死球で押し出しだけで４点をもらい、結局この最終回はノーヒットながら６四球１死球で５点を加え試合が決まってしまった。一気に相手の自滅でリードを貰った仁上は最終回、簡単に２人を打ち取り、最後は見事に三振を奪ってゲームセット。８回までは１点差で緊迫した試合だったが終わってみれば８対２と予想外の結末だった。
Ｓリーグ最多勝投手２名が助っ人で参戦していたがマウンドを譲ることなく仁上は最後までジュピターズのマウンドを守った。９回を投げ抜き、５安打２失点ながら自責点は０、そして無四球完投とエースの意地と貫録を見せた。仁上の９イニングでの無四球完投は通算２度目だが前回約６年半前は敗戦投手だったので勝利投手としての９回無四球完投は入団初である。ちなみに過去、９イニング無四球完投勝利を挙げたのは1999年の久保田が挙げて以来いなかった。この日の仁上はチーム２人目の９イニング無四球完投勝利投手となった。
最終的には相手の自滅で勝利したが、それにしてもジュピターズ打線は貧打だった。フィッシャーズから主力３選手が助っ人として参加してくれなければヒットは手塚の１本だけである。（２回の伊藤のセンター前への打球はランナーの手塚が中堅手→遊撃手で二塁に着く前にフォースアウトになったためヒットと記録されない）夏の練習試合は残り１試合しかない。それが終われば３年ぶりの優勝を懸けたＳリーグが再開する。練習試合あと１試合を有意義に戦い、暑い夏を熱く戦い抜こう。
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