２戦続けて大宮で９イニング制の練習試合。２週間前は参加メンバーが僅か９名だったため、Ｓリーグの盟友フィッシャーズから主力３選手が助っ人参加してくれた。天候も曇り空で過ごしやすい中での試合となり見事に勝利をおさめた。しかし、この日の大宮は朝から気温がグングンと上昇、プレイボールの頃には30度をはるかに超える猛暑となった。灼熱炎天下での大宮９イニング制試合は、すでにジュピターズ夏の風物詩である。年々、体力的に厳しくなってきた平均年齢の高いチームにとって、ある意味で自虐的な行為であるが毎夏、この暑さの中で気合いと根性を養ってきた。それはチーム創設23年目を迎えた今年も変わらなかった。
７月上旬、夢の島での練習試合が今季初のグランドコンディション不良により中止になったため、夏の練習試合、今季は３試合。この日でラストとなる。次試合からいよいよＳリーグが再開される。３年ぶりの覇権奪回に向け、最後の調整の場となった。
ところが夏の練習試合になってから自慢の打線が全く機能していない。この日もチャンスらしいチャンスも作れないまま序盤はアッという間に過ぎてしまう。中盤に入って４回一死から長谷川が三塁打を放って、ようやく得点チャンスを迎えるが、後続が倒れ長谷川は三塁に釘付けだった。さらに５回は二死から伊藤が、この日２本目のヒットで出塁するも盗塁失敗とチグハグな攻撃が続いた。
先発マウンドの高橋は初回、２回とスコアリングポジションにランナーを進めるものの、要所を締めて得点は許さなかった。ところが３回、一死から菊池、伊藤と内野エラーが２つ重なり、さらにセンター前に弾き返された打球を中堅手の三輪がバックホームするが送球が大きく逸れて２点を献上してしまう。しかし、高橋はここまで３回を投げて５奪三振と調子は決して悪くなかった。まだこれからという時、私的なトラブルのために帰宅を余儀なくされ無念の３回降板となった。
高橋早退のため４回から急遽、マウンドに登ったのは２週間前に９イニング無四球完投勝利を挙げた仁上。ところが準備不足のためか代わり端に連打を浴び、さらに炎天下で集中力の切れた守備にも足を引っ張られ１点を与えてしまう。さらに５回にも珍しく先頭打者に死球をぶつけ、二死まで取るがワイルドピッチや内野ゴロの間に三塁まで進まれた後、タイムリーを打たれて１点を献上。０対４とリードを離されてしまう。
ここまで５回を終え散発３安打で無得点と打線のつながりを欠き得点の気配すら見えなかったジュピターズだったが６回、誰も予想していなかった意外な選手のバットから得点が生まれた。先頭の西浦が四球で出塁。菊池の内野ゴロでランナーが入れ替わり、打席には今季の打率１割台の仁上が入る。その仁上がフルスイングした打球はスライスしてライト線ギリギリに落ち、そのままファールゾーンを勢いよく転がった。菊池が一塁から長駆ホームイン。打った仁上もダイヤモンドを一周。仁上まさかのツーランホームランにより２点を返し反撃態勢を整えた。７回には先頭の手塚が左中間を破る二塁打で出塁すると、続く則が内野エラーで出塁。二塁ランナーの手塚は楽々とホームを踏んで１点差に詰め寄った。佐藤が倒れた後、三輪が四球を選んで一死一、二塁と一気に同点、逆転のチャンスは続いた。ところが後続が呆気なく倒れてしまい打線のつながりの無さを悔やんだ。８回にも先頭の菊池が死球で出塁してノーアウトのランナーが出たものの、その後が続かず。最終回は３番からの攻撃のためクリーンアップトリオに期待がかかったが、手塚、則、佐藤と簡単に倒れて結局、仁上の一発で反撃したが一歩届かず３対４で惜敗。夏の練習試合１勝２敗と負け越しのみならず、打線に大きな不安を抱えたまま再開するＳリーグに臨まなくてはならなくなった。
この試合、炎天下の中で集中力が持続せずに６失策。３回と４回の計３失点は失策絡みだった。高橋の緊急降板後、仁上は持ち前の粘りのピッチングで相手打線を抑え、味方の援護を待ったが、打線は長打は出たものの散発５安打で１イニングに２本以上のヒットが出ることは１度もなかった。これでは得点は生まれない。さらに期待のクリーンアップが３人で12打数１安打と散々だった。
もう調整の場はない。Ｓリーグ再開後も残暑は厳しいだろう。しかし、３年ぶりの優勝に向けてやるしかない。とにかく暑いのは相手も同じ。集中して戦い抜くしかない。
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