| 前節、真夏並みの暑さの中でＳリーグ通算200試合目を戦い、見事に勝利し今大会早くも単独首位に立ったジュピターズ。今週の第三節から雨天順延がなければ第六節まで怒涛の４週連戦というハードスケジュールである。しかし、この日も前戦同様に15選手が集まり必勝態勢で試合に臨んだ。 曇り空から時折、太陽が顔を出し、蒸し暑さの中での戦いとなった第三節。先発マウンドには３試合連続でエースナンバーを背負った仁上が登った。だが初回、簡単に二死まで取ってから自らのエラーでランナーを生かし、二盗、三盗を決められた後、続く打者には打ち取りながらも難しい打球がサードへ。これを鈴木（武）が前進して捕球、すかさず一塁に投げるが間に合わず、悔しい内野安打となり先取点を奪われてしまった。 １点を追いかける形となったジュピターズは初回、先頭の岡村が粘って四球を選び、続く高橋は自らも生きる絶妙なセーフティバントを決める。ランナーの岡村はバント処理のため三塁手が前進してサードが空いているのを見逃さず、二塁も蹴って三塁に達するナイスランを見せた。さらに高橋が簡単に二盗を決め、３番の佐藤も四球で歩いて無死満塁の大チャンス。４番の則はサードゴロで岡村がホームフォースアウトとなり一死満塁。続く５番の手塚が放った打球は大きな放物線を描きグングンと伸びていく。途中から左翼手が追うのを止めた。白球はレフト後方の草むらに飛び込む手塚の自身８本目（チーム最多）となる満塁ホームランが飛び出し逆転に成功した。ちなみに手塚は昨年放った１本塁打が満塁ホームラン（ゼファーズ戦）、一昨年はホームラン０だったが、2010年も１本塁打が満塁ホームラン（フラワーズ戦）であり、これで足掛け４年で３本連続満塁ホームランを放ったことになる。手塚のグランドスラムが炸裂し勢いづいたジュピターズは２回、先頭の田辺が内野安打＋エラーで二塁に達し、当然のように三盗を敢行。続く箕浦も遊撃手のグラブを弾く強烈な内野安打を放って田辺が生還し１点を加えた。 自らのエラーがきっかけで先取点を奪われながらも直後に逆転してもらった仁上だったが、３回は岡村の２試合連続となるライトゴロアウトの好プレーもあり簡単に二死とした後、四球や味方の守備の乱れもあり２点を失い点差を２点まで詰め寄られてしまう。しかし３回裏、再び打順が好調の上位打線に巡ると追加点のチャンスが生まれた。一死から岡村が死球で歩くと二盗を決め、続く高橋は左中間を破るツーベースを放ち岡村が生還。さらに佐藤もヒットで続き、則の犠牲フライで高橋も生還。佐藤は二盗、三盗と足でかき回した後、手塚のタイムリーで生還し好調な１番から５番の５人で３点を奪いリードを広げた。さらに４回には北島のヒット、菊池の二塁打でチャンスを作り、伊藤のサードゴロで三塁ランナーの北島が一旦スタートしながらも途中で止めるが再びスタート。一塁手から捕手に送球されタイミング的にはアウトだったが、捕手が落球し、結果オーライ、北島決死のホームインで１点を追加した。 ３対９と６点のリードで迎えた５回は先頭打者を味方のエラーで出してしまい、二盗、三盗を許し、二死からタイムリーを打たれ１点を与えてしまうイヤな流れだったが直後の５回裏、西浦のヒット、仁上も敵失出塁し、岡村が初回の高橋に負けじと絶妙なセーフティーバントヒットで二死満塁とすると高橋が押し出しの四球を選んで１点を追加した。高橋はこれで今季開幕から11打席連続出塁となり（４安打、５四球、２死球） いまだ打率、出塁率とも驚異の10割をキープしている。ちなみに昨年の最終戦から数えると最終打席にヒットを打っているので12打席連続出塁中であり、さらに５打数連続ヒット中でもある。連続出塁のチーム記録は2010年に後藤が達成した12打席連続（６安打、５四球、１死球）であり、現在高橋は２シーズンにまたがっているが後藤と並びタイ記録である。１シーズン中においての連続出塁記録は残り１打席で後藤と並ぶことになり、２打席連続出塁が続くと年間新記録の樹立となる。また連続打数安打の記録は1999年に手塚が達成した７打数連続ヒットがチーム記録として残っている。高橋はあと２打数ヒットが続くと並ぶことになる。いずれにしても次試合の２打席は高橋にとって新記録とタイ記録がかかる大事な打席になるのは間違いない。 昨年チームMVPを獲得した高橋の貴重な押し出し四球で１点を加え、ついに二桁得点としたものの、６回に２安打と味方のミスで１点を奪われてしまう。結局、仁上は６回を投げ、その間に自らのエラーも含めるとバックのエラー数は６ヶと今季最多を記録。失点に結びつく拙守に足を引っ張られながらも我慢強く投げ、球数自体は多くないため完投ペースであったが、最終回は鈴木（武）にマウンドを譲った。前戦に続き連投となった鈴木武は前戦のような硬さはなかったが先頭打者にいきなりヒットを打たれてしまい二盗も決められてしまう。ピンチの時にはいつでも投げられるよう先発した仁上は退かずにライト、さらに高橋もサードに配して万全の態勢を整えていたが、鈴木（武）は落ち着いて後続を３人で打ち取りゲームセット。結局、拙守で失点は多かったが、今季初の二桁安打を放ち二桁得点でＳリーグ３連勝を挙げ、単独首位の座をガッチリとキープした。 今季は開幕ダブルヘッダーでサヨナラ負けを含む連敗スタートだったが、Ｓリーグ第21回大会が始まり３連勝。だが浮かれるにはまだまだ早すぎる。昨年も前半は好調だった。これから本当に厳しい戦いが続く。特にまだリーグ戦３週連戦が続く。チーム永遠不変のスローガン「楽しみながら勝つ」を胸に一本の道を突き進もう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 98 | 岡村 | 3 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | 1 | .333 | 四球 | … | 死球 | … | 投安 | … |
| D5 | 高橋 | 3 | 2 | 2 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1.00 | 投安 | … | 中２ | … | 四球 | … |
| 7 | 佐藤 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | .333 | 四球 | … | 中安 | … | 遊飛 | … |
| D | 則 | 3 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | .182 | 三ゴ | … | 中犠 | … | … | 四球 |
| D | 手塚 | 3 | 3 | 2 | 5 | 0 | 1 | 0 | 0 | .417 | 左本 | … | 遊安 | … | … | 三振 |
| 51 | 鈴木武 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | .286 | 四球 | … | 三ゴ | … | … | 中飛 |
| D | 北島 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .333 | 三失 | … | … | 中安 | … | 三振 |
| 2 | 松本 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .143 | 一飛 | … | … | 左飛 | … | … |
| 4 | 菊池 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .222 | 三ゴ | … | … | 中２ | … | … |
| 6 | 伊藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .111 | … | 中飛 | … | 三ゴ | … | … |
| 8D | 田辺 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | .125 | … | 三安 | … | 中飛 | … | … |
| D | 箕浦 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | .667 | … | 遊安 | … | … | 投ゴ | … |
| 3 | 西浦 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .250 | … | 一ゴ | … | … | 中安 | … |
| 19 | 仁上 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .250 | … | 投ゴ | … | … | 三失 | … |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .111 | … | … | 投ゴ | … | 二飛 | … |
| 合計 | 37 | 30 | 11 | 9 | 6 | 2 | 6 | 6 | .266 | 試合時間1時間50分 | ||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 仁 上 | 6 | 28 | 5 | 5 | 1 | 1 | 0.67 | 83 |
| 鈴木武 | 1 | 4 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1.00 | 16 |
