４週連戦の４週目、Ｓリーグ第六節が雨で順延したため、Ｓリーグ第21回大会は前半５試合を終え、ひとときの休養期間に入った。毎年、梅雨から夏場にかけてＳリーグ公式戦のない期間、ジュピターズは積極的に練習試合を組み、８月下旬に再開するＳリーグに備えている。梅雨明けはまだ来ないが創設24年目の2013年もジュピターズ恒例・夏の練習試合が今年は2009年以来４年ぶりに夢の島で始まった。この夢の島のグランドは2009年に２度使用して以来、2010年から2012年までの３年間で４試合も連続して雨天中止になっている雨男ならぬ雨グランドであった。梅雨真っ只中のため試合開催が懸念されたが、梅雨特有のジメジメとした湿気はあるものの、曇り空から時折晴れ間も見え、４年ぶりに夢の島で練習試合を開催することができた。夏の練習試合初戦、久しぶりの夢の島、今季初の９イニング制ということもあり、実働17選手中15選手が集結。約２ヶ月間に渡る暑い夏の熱い練習試合がプレイボールとなった。
先発の仁上は初回、簡単に２者を打ち取り３人目の打者もキャッチャー前への小フライ。これを則がワンバウンドでフェアゾーンで捕り一塁へ投げるが悪送球。しかしライトの岡村が好カバーですかさず一塁へ送球し３者凡退に抑えた。その裏、先頭の岡村、２番の高橋と出塁率６割を超えるコンビが連続四球で出塁するとパスボールや盗塁などで二、三塁のチャンスを迎える。手塚が倒れた後、４番の則がタイムリーツーベースを放ち岡村が生還して幸先良く先制。さらに３回には伊藤、箕浦が連続四球の後、二死から岡村も四球、高橋は押し出しとなる死球。ノーヒットで２点目を挙げた。
２回の仁上は一死から四球でランナーを出し、二盗を許すも次打者をサードゴロに打ち取る。サードの鈴木（武）からファーストの三輪に送球され二死。送球の間に二塁ランナーが三塁へ向うも、三輪から三塁カバーに入った伊藤へ矢のようなストライク送球が渡って楽々とタッチアウトでダブルプレーが完成。味方の好守に助けられ仁上は３回も無得点に抑え、いまだヒット１本も許さないピッチングが続いた。しかし４回、一死から初ヒットを打たれると続く打者にも内野安打を打たれ、さらに次打者には死球と一死満塁の大ピンチを迎え、続く打者にはセンター前に弾き返されて１点を献上。さらにセンター田辺の返球が乱れた間に二塁ランナーまでホームを踏み同点とされてしまった。
４回に試合を振り出しに戻されたが直後の４回裏、先頭の則がセンター前ヒットで出塁すると連続ワイルドピッチで進塁、さらにホームインで勝ち越し。佐藤が敵失出塁から二盗とワイルドピッチで三塁まで進み、西浦が四球で一、三塁のチャンスに鈴木（武）がレフト前へ鮮やかなタイムリーを放って追加点。菊池もヒットで続いて無死満塁。その後、相手内野陣のフィルダースチョイスが続いて結局、この回は４点を奪った。さらに５回には先頭の箕浦がヒットで出塁すると、ワイルドピッチの間に二塁へ進み、続く仁上が右中間を破る二塁打を放って箕浦が生還。さらに一死から岡村の敵失の間に仁上も生還し、岡村も牽制悪送球のボールが外野を転々とする間にダイヤモンドを一周。この回は３点を挙げて試合の主導権を握った。またこの回、得点には絡まなかったが、則が３本目のヒットを放ち今季チーム初の猛打賞を記録。４番バッターの貫録を見せつけた。
４回に２点を奪われたものの、マウンドの仁上はエースの意地で５回から７回までの３イニングは相手打線を１安打に抑え、余力を残したままマウンドを高橋に譲った。今季２度目の登板となる高橋は簡単に２者連続三振を奪って好調かに思えた矢先、２者連続四球から二塁ランナーへの牽制が悪送球となり、いつもカバーの早い田辺のフォローも遅れたためボールが外野深くまで転がってしまい相次いで２者の生還を許してしまった。しかし大勢に影響はなく、夏の練習試合初戦は４対９で何とか逃げ切り勝利をおさめた。
しかし奪った９点中５点は相手のミスから貰った得点である。また９イニング制とはいえ残塁数が12は多すぎだろう。打線のつながりさえ良ければ、もっと点が取れたはずである。さらに相手投手が代わった６回以降の３イニングはノーヒットで６奪三振。この試合の三振の合計は13ヶと今季最多を記録した。勝利したものの反省する点の多い練習試合となった。
暑い夏は始まったばかり。Ｓリーグ再開までの約２ヶ月の間も熱く戦っていこう。
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