梅雨明け直後の前試合、最も気温が高くなる12時30分から自虐的な９イニングを戦った。あれから３週間、同じ大宮にて夏の練習試合３試合目。この日は試合開始が10時30分のため３週間前に比べれば少しは楽であったが、それでも気温は30℃を超えていた。今季もこの試合で10戦目。折り返しであるが、ここまで全試合出場していた選手は７名いて神７だったが、この試合に菊池と岡村が欠場し残念ながら神７落ちとなってしまった。また大車輪の活躍をしていた仁上も欠場。そんな中、３試合連続となった９イニング制練習試合は誤算続きの試合となってしまった。
まず最初の誤算は先発予定だった高橋が体調不良のため試合には参加したものの先発を回避。代わりにマウンドに登ったのは３年３ヶ月ぶりの登板となる三輪だった。先発は2009年４月以来、４年３ヶ月ぶり２度目である。初回、いきなり２者連続四球でランナーを背負うが次打者を三振、続く打者を投手ゴロに打ち取り二死とするもワイルドピッチで先制点を許してしまう。その後も四球でランナーを出したが、後続から三振を奪い初回は１点を献上しただけであった。しかし２回、久しぶりのピッチングで左足に違和感を持ちながら投げた結果、なんと三輪は６者連続四球で３失点。ここで堪らずセカンドを守っていた手塚と緊急交代を余儀なくされた。結局、三輪は１回0/3を投げ、打たれたヒットは１本もなかったが、９四球で４失点と悔いの残るマウンドになってしまった。一方、ジュピターズ創生期のエースである手塚がマウンドに登るのは２年ぶり。しかし三輪の残した満塁のランナーを背負って厳しいピッチングとなり２安打２四球で４失点を喫してしまった。３回も引き続き手塚が投げたが２失点。序盤で早くも10失点と二桁失点を許す誤算となってしまった。
初回のジュピターズは一死から高橋が死球、佐藤、則が連続ヒットで一死満塁のチャンスを迎えるが、期待の手塚、鈴木（武）が倒れて誤算の無得点。しかし２回、先頭の北島が死球で出塁すると、連続ワイルドピッチで三塁に進み、三輪の犠牲フライで生還し１点を返した。３回は二死から田辺が内野安打で出ると、自慢の足を生かして２球で二盗、三盗を敢行し三塁まで達するも後続倒れて得点には結びつかなかった。
３回までに三輪と手塚で10失点。10対１と９点差。もう１点も許されない状況で４回からは体調不良の高橋がマウンドに登り圧巻のピッチングを披露した。代わったばかりの４回は３者連続三振。５回は先頭打者を四球で出すも次打者から三振を奪い、続く打者はセーフティーバントをしてきたが、これに素早く反応し一塁へ矢のような送球で間一髪アウトに。６回はヒットと味方のエラーでピンチを迎えるが落ち着いて後続を打ち取る。そして７回は８球、８回は７球で連続３者凡退に打ち取り体調不良ながらもチームの顔である背番号１を背負っている自覚と責任感で相手打線を封じ込め、４回から８回まで５イニング連続無失点に抑え、味方の援護を待った。
力投する高橋に応えたい打線だったが４回、連続敵失やボーク、盗塁などで無死二、三塁のチャンスをもらいながらもチグハグな攻撃で得点できず。しかし５回、二死満塁から後藤、田辺が連続押し出し四球を選んで２点を返すと６回は同じく二死満塁から三輪が走者一掃となるツーベースを放って３点を奪った。さらに７回には二死二、三塁から佐藤が２点タイムリーツーベースで７回を終えた時点で10対８と一時は９点差あった点差を２点にまで詰め寄った。８回、先頭の手塚が敵失で出塁し、ノーアウトのランナーが出て、このまま勢いで同点いや逆転を狙ったが後続が抑えられ４イニングぶりにスコアボードに０が付いてしまう。あとは最終回の攻防だけしか残っていなかった。
三輪と手塚の後を受け、ここまで力投を続けていた高橋だったが、やはり体調不良の影響からか最終回、ついに力尽きてしまった。４回から８回までの５イニングで１本しかヒットを許していなかったが、最終回は４本の長短打を浴びて、まさかの４失点。14対８と絶望的とも言える６点差にリードを広げられてしまった。だが、ここまで体調不良ながらも献身的に頑張った高橋を責める者は誰もいなかった。それどころかラスト１イニングでサヨナラ勝利を目指していた。
しかし現実は厳しいもの。最終回の攻撃も伊藤、箕浦が簡単に倒れて二死。だが、ここから西浦が粘って四球を選び、続く後藤は初球に死球をぶつけられ打順は１番に戻った。岡村不在の中、１番に抜擢された田辺がセンター前に弾き返して二死満塁とすると、続く高橋は１試合最多タイ記録となる３ヶ目の死球をぶつけられ押し出しで１点を奪って５点差。さらに佐藤が三塁手の横を痛烈なライナーで抜くヒットを放って２者が生還し３点差。佐藤は３安打猛打賞となった。二死一、二塁とチャンスは続き、打席には４番の則を迎えるも残念ながら内野ゴロで万事休す。結局、真夏の乱戦となった今季10戦目は14対11で惜敗となった。
この試合、多くの誤算があったが、ジュピターズは相手のミスもあって９イニング連続でランナーをスコアリングポジションまで進めていた。しかし無得点のイニングが４度もあり、１試合の残塁数は14と多すぎである。この残塁の少しでも得点に結びつけていたらと悔やまれる。相手からチャンスを貰いながらも大事な場面で、あと１本が出なかった。この反省を踏まえ、今後の試合に生かしてもらいたい。Ｓリーグ再開まで１ヶ月を切っているのだから。
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