| 灼熱炎天下続きだった夏の練習試合を２勝２敗の成績で終え、いよいよＳリーグ後半戦がスタート。しかし、この日は前日までの猛暑から一転、気温はベストながら朝から雨が降り続き開催が危ぶまれた。本当に試合ができるのか？半信半疑で約２ヶ月半ぶりに三郷に集まったが、試合開始直前に雨は止み、グランドも心配したほど荒れていない状態だった。朝から雨だったためモチベーションを上げるのに戸惑いもしたが、定刻10時にＳリーグ第21回大会の後半戦、第六節がプレイボールとなった。 初回、ジュピターズは先頭の岡村が四球で出塁。続く今季初めて２番に抜擢された西浦が期待に応えて上手くレフトへ流し打ちを見せて無死一、二塁と早くもチャンスを迎える。さらに３番の佐藤の打球は変化球を上手にバットに乗せて左翼手の頭上を越える。岡村、西浦と相次いでホームイン。打った佐藤も三塁ベースを蹴って本塁へ向かうものの中継のボールがキレイに戻ってきたため本塁手前でタッチアウト。しかし先制の２点タイムリースリーベースとなった。一死後、手塚が左中間に二塁打を放ったため、佐藤が三塁に生きていれば追加点だったが後の祭りである。 ジュピターズの先発マウンドにはエースの仁上が登る。ところが初回、先頭打者にいきなり二塁打を放たれ、さらに四球を与え、こちらもいきなり無死一、二塁のピンチ。次打者をショートゴロに打ち取り、セカンドフォースアウトを取るものの、続く打者にも四球を与えてしまい一死満塁の大ピンチ。しかし今季初めて参加したバックアップメンバーの有田がマスクを被って仁上を巧みにリードし、２者を連続して外野フライに打ち取り３者残塁とピンチを切り抜けた。その後も仁上は有田のミットめがけてテンポ良く投げ、２回は８球、３回は９球で２イニング連続３者凡退に相手打線を抑える。しかし４回、連打と死球で二死満塁からレフトへ２点タイムリーを打たれて同点に追いつかれてしまった。 テンポ良く投げていた仁上を助けたい打線だったが、２回、３回は相手打線同様、淡白な打撃を繰り返し２イニング連続で３者凡退。夏の練習試合でも打線の低調が課題になっていたが、Ｓリーグ公式戦が再開されても打線に火が点かずにもどかしい状態である。そして５回、先頭の有田が四球で出塁すると、雨が降って滑りやすいグランドにもかかわらず積極果敢に二盗を強行。送球が逸れたのを見て三塁まで達し、久しぶりにチャンスを迎え、鈴木（武）が打席に立つ。ここで世にも珍しい現象を目の当たりにする。鈴木（武）は意表を突き、自分も生きるセーフティースクイズバントを敢行。しかし、三塁手に捕らせようとしたバントだったが、相手投手が逆シングルでキャッチ。三塁ランナーの有田は途中まで走っていたが、投手がキャッチした瞬間に間に合わないと判断し、すかさず三塁ベースへ戻る。打球をキャッチした投手は有田の姿が目に入りホームに投げるか三塁に投げるか、または一塁に投げるか判断に悩んだのか、どこにも投げることができず三塁の有田もバントをした鈴木（武）もオールセーフ。さらに意表を突かれたバントと有田の走塁で守備体系が乱れ、二塁ベースがガラ空きとなったのを鈴木（武）は見逃さず、楽々と二塁まで達した。記録は投手前の二塁打という世にも珍しいツーベースとなった。だが、一死後に伊藤が死球で満塁と一打勝ち越しの大チャンスとなったが、続く箕浦の打球はタッチアップには浅い外野フライ。仁上が内野ゴロに倒れ、大きなチャンスをものにすることができず、イヤなムードも漂い始めた。 小雨降る中、５回裏も僅か９球で相手打線を３者凡退に抑えた仁上を何とか援護したい打線は思わぬ形で勝ち越しに成功する。６回、先頭の後藤が敵失で出塁。一死から西浦の内野ゴロが敵失を誘って一死二、三塁となり、さらに佐藤が四球で再び満塁のチャンス。ここで４番の則が押し出しの四球を選んで、ついに勝ち越し。さらに手塚の内野ゴロのバックホームが乱れて２者が生還し、なんとこの回、相手の３失策と２四球という自滅、ノーヒットで３点を献上してもらった。 どんな形でも終盤の３点は大きかった。守備陣も時折、小雨が降る中、勝ち越ししても集中力を最後まで持続させていた。６回裏に無死一、二塁のピンチも見事に６→４→３のダブルプレーに抑えて結局、滑りやすいグランドでも最後までノーエラーだった。この差が勝敗につながったと言っても過言ではないだろう。 結局、仁上は時折、小雨の降る悪コンディションの中、最後まで１人で投げ抜き５安打５四死球ながらも相手を２得点に抑え、94球完投で今季５勝目。テンポも良かったため試合時間は僅か１時間30分だった。この試合時間短縮に貢献したのは相手打線だけではなくジュピターズ打撃陣にも責任はあった。勝利チームが僅か４安打では寂しすぎる。相手のミスに助けられての勝利と言われても仕方ない。しかしリーグ戦は内容よりも勝利が最優先。とりあえず幸先良くリーグ後半戦をスタートさせることができた。次は幸運だけでなく実力も伴って勝利するため気を引き締めて戦い続けよう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 岡村 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .167 | 四球 | … | 三振 | … | … | 左飛 | … |
| 3 | 西浦 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .231 | 左安 | … | … | 四球 | … | 一失 | … |
| 7 | 佐藤 | 3 | 2 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | .323 | 左３ | … | … | 遊飛 | … | 四球 | … |
| D | 則 | 3 | 2 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | .241 | 投ゴ | … | … | 左飛 | … | 四球 | … |
| 9 | 手塚 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .333 | 左２ | … | … | 投ゴ | … | 三ゴ | … |
| 2 | 有田 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .000 | 一失 | … | … | … | 四球 | 遊飛 | … |
| 5 | 鈴木武 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .227 | 投ゴ | … | … | … | 投２ | 三振 | … |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .167 | … | 三振 | … | … | 三振 | … | 三ゴ |
| 6 | 伊藤 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | .136 | … | 三ゴ | … | … | 死球 | … | 四球 |
| D | 箕浦 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .190 | … | 三振 | … | … | 右飛 | … | 遊ゴ |
| 1 | 仁上 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .278 | … | … | 一ゴ | … | 遊ゴ | … | … |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .087 | … | … | 遊飛 | … | … | 三失 | … |
| 合計 | 34 | 27 | 4 | 3 | 7 | 5 | 1 | 0 | .214 | 試合時間1時間30分 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 仁 上 | 7 | 30 | 5 | 2 | 5 | 2 | 2.28 | 94 |
