| 先週から再開されたＳリーグ第21回大会。先週は小雨まじりの不安定な天候だったが、この日は朝から信じられないほど気温が上がり、残暑と言うには厳しすぎるほどの灼熱炎天下となった。埼玉県三郷市の最高気温は36℃に達したが、グランドレベルでの体感気温は40℃近かった。熱中症の危険度が高い猛暑の中、第七節がプレイボール。この猛暑での試合、どれだけ集中力を保って戦えるかが大きなカギとなる試合だった。 少しでも楽に戦うためには何としても先制点が欲しい。初回、ジュピターズは先頭の岡村が四球を選んで出塁すると二盗、三盗を敢行して早くもチャンスメイクする。２番の高橋は今季８ヶ目の死球をぶつけられ、すかさず二盗し無死二、三塁でクリーンアップトリオにまわす。３番の佐藤がレフトオーバーのタイムリーを放ち岡村が生還して先制するも、佐藤はエンタイトルツーベースと勘違いして二塁手前でタッチアウト。続く４番の則も内野ゴロに倒れチャンスは潰えたかと思われたが５番の手塚の時に捕逸で高橋が楽々と生還。手塚も四球＆二盗で二死二塁としてから６番の鈴木（武）がレフトオーバーのエンタイトルツーベースを放って手塚がホームを踏み、結局初回は２安打ながら３点を奪った。さらに３回には一死から岡村が四球と二盗、三盗さらに捕逸で追加点を挙げる。そして５回、一死から伊藤の二塁打を皮切りに箕浦、後藤が連続四球で満塁とし、岡村、高橋も連続の押し出し四球で２点を追加。尚も満塁から佐藤が放った打球はアッと言う間に左中間後方の草むらを越えるダメ押しの満塁ホームラン。このホームランは佐藤自身1992年の入団から22年目で通算50本目の記念すべきホームランとなった。また佐藤の満塁ホームランは自身６本目で手塚の８本に次ぐ数字である。 佐藤のグランドスラムでランナーが全ていなくなったが、攻撃の手は緩まなかった。則が倒れた後、手塚が敵失で出塁すると、ふたつのパスボールで三塁まで達してから、鈴木（武）が２本目のツーベースを放って追加点。さらに鈴木（武）が三盗を決めた後、西浦のタイムリーが出て、この回一挙８点を挙げるビッグイニングとした。 ジュピターズの先発マウンドには先週、完投勝利を挙げたばかりの仁上が登る。リーグの最多勝を争っているため、勝ち投手の権利である４回を目途に高橋にスイッチする予定だった。ところが嬉しい誤算で仁上が先週以上のピッチングを披露した。先週同様にテンポ良く投げ、相手の早打ちにも助けられ３者凡退の山を築いていく。テンポの良い投球に炎天下で守っていた守備陣もリズム良く守ることができ、気づけば５回を終えて１人のランナーも出していなかった。ノーヒットノーランではなくチームはもちろんリーグでも初の完全試合を意識した６回、簡単に一死を取るが、続く打者に甘い変化球を捉えられ左中間を破られる二塁打を打たれてしまい、完全試合もノーヒットノーランも夢と消えてしまった。しかし、ここで集中力が途切れることなく、仁上は落ち着いて後続を打ち取り相手のスコアボードには６つの０を並べた。そして最終回、さすがに無尽蔵のスタミナを誇る仁上だが連投と猛暑の中で投げ続けて疲労も出てきたため二死から、この試合初めての四球を与えてしまうものの、エースナンバー18番は先週に続き見事に最後まで投げ切り今季最多の８奪三振、三塁を踏ませず１安打完封勝利を挙げた。仁上の完封勝利は通算９度目（ミラーズに対して通算５度目）で当然チーム最多であり、昨年４月にも同じミラーズ相手に１安打完封を達成している。先週も完投勝利を挙げ、この日は36℃の猛暑の中で完封勝利。まさにエースの名に相応しい活躍だった。このエースの力投に守備陣も呼応し、先週は小雨まじりの悪コンディションのグランドでも、この日の灼熱炎天下でも２試合連続してノーエラーは見事である。 ここ数試合、不振だった打線にも長打が出て３試合ぶりの二桁得点。特に１番･岡村、２番・高橋の１、２番コンビは２人で１安打ながらも８打席全て出塁して計７盗塁でチャンスを演出。続く３番・佐藤が満塁ホームランを含む３安打猛打賞だったため、８回出塁のうち５回はホームまで生還した。年間出塁率６割以上を誇る岡村、高橋の１、２番コンビが機能すれば得点力は大幅にアップすることが証明された。またクリーンアップトリオの下を打つ鈴木（武）が２本の二塁打、西浦にもタイムリーが出て打線のつながりが見えてきた。 今大会は残り３試合。まだ順位は３位のままである。悲願の優勝には残り３試合すべて勝利が絶対条件であるが、これからが本当に厳しい戦いとなる。どんな状況でも集中力や緊張感を持続させ、残りの試合も堂々と戦い抜こう。絶対に負けられない戦いが続くのだから…。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 岡村 | 4 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 5 | 0 | .167 | 四球 | … | 四球 | … | 四球 | … | 死球 |
| D | 高橋 | 4 | 1 | 1 | 1 | 3 | 0 | 2 | 0 | .313 | 死球 | … | 四球 | … | 四球 | … | 左安 |
| 7 | 佐藤 | 4 | 4 | 3 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | .371 | 左安 | … | 三飛 | … | 中本 | … | 左安 |
| 2 | 則 | 4 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .212 | 三ゴ | … | 一飛 | … | 遊飛 | … | 三振 |
| 9 | 手塚 | 4 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .303 | 四球 | … | … | 遊飛 | 三失 | … | 投飛 |
| 5 | 鈴木武 | 3 | 3 | 2 | 2 | 0 | 1 | 2 | 0 | .280 | 左２ | … | … | 三振 | 左２ | … | … |
| 3 | 西浦 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | .267 | 遊ゴ | … | … | 四球 | 中安 | … | … |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .148 | … | 遊ゴ | … | 左飛 | 三振 | … | … |
| 1 | 仁上 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .250 | … | 四球 | … | … | 一ゴ | 三振 | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | .160 | … | 三飛 | … | … | 左２ | 三振 | … |
| D | 箕浦 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .174 | … | 中飛 | … | … | 四球 | 一失 | … |
| D | 後藤 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .080 | … | … | 三振 | … | 四球 | 一飛 | … |
| 合計 | 41 | 29 | 8 | 10 | 12 | 6 | 12 | 0 | .219 | 試合時間1時間45分 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 仁 上 | 7 | 23 | 1 | 8 | 1 | 0 | 1.98 | 80 |
