| 約２週間前、台風18号が猛威をふるい各地に大きな爪痕を残した。三郷のグランドも例外ではなく江戸川が氾濫し全面が冠水。復旧作業に時間がかかり、なんとか28日の第九節には間に合ったものの、グランドは滑りやすくデコボコの状態であった。悪条件の中、優勝の可能性が首の皮一枚残ったジュピターズにとって絶対に負けられない一戦である。気合い十分で臨んだが思わぬ落とし穴に足をすくわれてしまった。 初回、先発の仁上が相手打線をわずか９球で３者凡退に仕留めた後、一死から欠場の高橋に代わって２番に入った三輪がセンター前に弾き返して出塁すると３番の手塚がレフトオーバーの二塁打で三輪が一塁から長駆ホームインし先制。さらに今季初めて４番を務めた佐藤がタイムリーを放って初回２点を挙げた。最近不振の則を６番に下げ、クリーンアップを入れ替えて臨んだが、それがピタリとはまり初回に２点を奪い幸先良いスタートが切れたと思いきや２回表、仁上は先頭打者にヒットを打たれ二盗を決められる。続く打者から三振を奪ったが、振り逃げされてしまいピンチを迎えるが次打者の打球はショートゴロ、それもダブルプレーには最適の打球だった。ショートの伊藤が捕球体勢に入り捕球しようとした瞬間、信じられないことに伊藤のグラブの手前で大きくイレギュラー、ボールは無情にも伊藤の身体の上を越えて外野まで転がり無死満塁の大ピンチとなってしまった。続く打者の内野ゴロの間に１点を奪われ、さらに次打者にはタイムリーツーベースを打たれ結局、この回３点を献上し早くも逆転を許してしまった。しかし仁上は大崩れせず３回、４回と連続で３者凡退に打ち取り味方の援護を待った。すると４回に二死から手塚が２打席連続のヒットで出塁すると４番佐藤の放った打球は大きな弧を描きグングン伸びていく。隣の29番グランドなら打った瞬間に川ポチャと分かるほどの飛距離。あらかじめかなり深く守っていた左翼手だったが一歩届かず、一塁から手塚がホームを踏み同点に追いついた。 佐藤の超特大二塁打で同点に追いついた直後の５回表、再びショートに悪夢が襲いかかった。先頭打者を四球で歩かせてしまい、さらに次打者にヒットを打たれダブルスチールもあり無死二、三塁とピンチを背負う。しかしマウンド上の仁上は慌てることなく続く打者を浅いレフトフライ、さらに次打者から三振を奪って二死まで取る。次打者の打球は平凡なショートゴロ、誰もがピンチを切り抜けたと思った瞬間、伊藤が捕球直前に再び打球がイレギュラーしてしまう。二死なので当然、ランナーはスタートを切っているので三塁ランナーに続き二塁ランナーまでホームに還ってきてしまった。台風18号で冠水したグランドはとりあえず復旧したものの、まだ完全な状態ではなく、さらには前の時間に試合が入っていて踏み荒らされていたので、かなりデコボコしていた。特に二塁ベースの横、ショートの守備位置は酷い状態のため何でもないショートゴロが大きくイレギュラーしてしまいツキがなかった。 思わぬイレギュラーで２点を追いかける形となったジュピターズは５回裏、西浦がヒットとパスボールで二塁へ達してから田辺がライト前にタイムリーを放って１点差に詰め寄る。しかし６回表も信じられないことに先頭打者の何でもないショートゴロが伊藤の前でイレギュラー。次打者が送りバント、さらに内野ゴロの間に三塁に進まれ、続く打者にヒットを打たれて１点を献上してしまい再び２点差に開いてしまった。ここまでの失点のほとんどがショートのイレギュラーがきっかけや原因となっていた。通常のグランドなら伊藤の守備力を考えれば簡単に処理できる打球ばかりだっただけに、まさにショート受難のグランドだった。 最終回に岡村が内野安打で出塁し、盗塁や内野ゴロの間に三塁まで達して２安打を放っている手塚、佐藤の３、４番コンビに打順が巡ったものの残念ながら得点に結びつかず無情のゲームセット。結局、第九節は６対４で惜敗。この敗戦により完全に優勝の可能性が消滅してしまった。今大会も優勝ができなかったため、これで丸４年、優勝から遠ざかることになった。これは過去最長記録である。今までは３大会以内に必ず優勝をしていたが４大会も優勝できないことは初の屈辱である。 今大会も覇権奪回を目指して臨んできたが敢え無く１試合を残して終戦。絶対に負けられないと意気込んで戦ったこの日の試合も打線は新３、４番コンビが機能し２人で４安打３打点。チーム合計でも相手を上回るヒット数を記録していた。投げてもエースの仁上が６三振を奪う好投だったが、残念なことにショートでのイレギュラーが全て失点に結びついてしまったのが痛かった。普通のグランドなら全てアウトにできる打球だっただけに、まさに運にも恵まれずツキにも見放された試合となってしまった。 まだ今大会は１試合残っている。勝敗によってAクラス３位になるかBクラス４位に落ちるかが決まる。優勝以外は何位でも一緒かもしれないが、少しでも良い順位で終わることが来季につながっていくはず。なので最後の最後まで気を抜かず、楽しく真剣に戦ってもらいたい。そして来季こそ雪辱を果たす。「やられたらやりかえす！来季は倍返しだ！」 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 9 | 岡村 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | .235 | 三振 | … | … | 三飛 | … | … | 三安 |
| 3 | 三輪 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .250 | 中安 | … | … | 二ゴ | … | … | 左飛 |
| D | 手塚 | 3 | 3 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | .316 | 左２ | … | … | 左安 | … | … | 二ゴ |
| 7 | 佐藤 | 3 | 3 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | .410 | 左安 | … | … | 左２ | … | … | 三振 |
| 5 | 鈴木武 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .276 | 遊飛 | … | … | 三振 | … | … | … |
| 2 | 則 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .216 | … | 中安 | … | … | 左飛 | … | … |
| D | 西浦 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .263 | … | 三振 | … | … | 右安 | … | … |
| 4 | 菊池 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .161 | … | 投ゴ | … | … | 右飛 | … | … |
| 8 | 田辺 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | .211 | … | 四球 | … | … | 右安 | … | … |
| 6 | 伊藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .138 | … | 三飛 | … | … | 中飛 | … | … |
| D | 箕浦 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .148 | … | … | 三ゴ | … | … | 中飛 | … |
| 1 | 仁上 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .208 | … | … | 投ゴ | … | … | 捕ゴ | … |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .107 | … | … | 遊ゴ | … | … | 投ゴ | … |
| 合計 | 30 | 29 | 9 | 4 | 1 | 4 | 2 | 1 | .229 | 試合時間1時間35分 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ● | 仁 上 | 7 | 32 | 7 | 6 | 2 | 3 | 2.56 | 104 |
