10月に入り季節外れの台風が立て続けに日本に接近。そのため三郷のグランドが冠水し、Ｓリーグ第21回大会は最終節を残して２度も順延してしまった。最終節の追加日程が11月10日に設定されたので、９月29日にＳリーグ第九節を戦ってから１ヶ月以上も試合から遠ざかってしまうため、この日は急遽、練習試合をマッチメイク。しかし前日の昼頃まで台風の影響で秋雨前線が刺激され、かなりの降水量となり開催が危ぶまれた。もし中止になれば、やはり台風で悩まされた2004年以来となる９年ぶりに10月の試合ゼロになってしまうところだったが、この日はいつもの午前開始のグランドが取れず、14時開始という遅い時間だったことも幸いし、天候も急速に回復したため無事、約１ヶ月ぶりの試合は開催された。
度重なる順延続きで野球に飢えていたジュピターズナインが３ヶ月ぶりに大宮に集まった。３ヶ月前の大宮は35℃オーバーの猛暑だったが、季節は一転、秋の強い陽射しはあるが、秩父おろしの冷たい北風が肌を刺した。てっきり木枯らし１号が吹いたと思われたが、木枯らし１号の基準は気象庁のある大手町で風速８m以上の北風を観測しないと認定されない。この日の東京は風速7.4mだったために木枯らし１号の発表は見送られたが、大宮は明らかに木枯らしだった。
そんな木枯らしさえも吹き飛ばすかのごとくに久々の試合に選手達は躍動した。いきなり初回、二死ながら敵失と四球で２人のランナーを置いてから鈴木(武)がレフト前に痛烈なタイムリーを放って先制に成功。いきなり先制してもらった先発の仁上は初回、２回、３回とテンポ良く投げて相手打線を３イニング連続３者凡退と順調な立ち上がりを見せた。一方のジュピターズも２回、３回とスコアリングポジションにランナーは出すが、あと１本が出ずに無得点。３回を終えて１対０と息詰まる投手戦の様相も見えてきたが、４回に二死ながら二、三塁のチャンスに菊池がセンター前へタイムリーを放って待望の追加点。さらに敵失もあって、この回３点を加えた。
４対０とリードを広げてもらった仁上は４回も簡単に一死を取るが、続く打者が振り抜いたバットから弾かれた打球はグングンと延びてライトのフェンスを越えてしまい、まさかの一発を浴びてしまった。しかしマウンドの仁上は動じることなく次打者から三振、続く打者も内野ゴロに打ち取りエースの貫録を見せた。
５回、いよいよ木枯らしを吹き飛ばすジュピターズ打線が爆発する。まず先頭の伊藤がヒットで出塁し二盗を敢行。後藤の内野ゴロの間に三塁へ進み、続く岡村の敵失でホームを踏んで追加点。敵失で出た岡村も当然、二盗。手塚がヒットでつないで手塚も二盗。一死二、三塁で４番の佐藤に打席が巡った時に相手投手の暴投で岡村が生還。手塚も三塁へ進み、佐藤はレフトへ適時打を放って手塚がホームイン。さらに鈴木(武)はレフトオーバーのツーベースとクリーンアップトリオの３連打が飛び出す。その後、消沈した相手投手が連続四球や暴投の間に佐藤、鈴木(武)とも生還して結局、この回は４安打で５点を奪った。さらに６回にも岡村のタイムリーツーベースで１点を追加。そして最終回も再び打線が火を吹き、手塚のヒットを皮切りに鈴木(武)が入団初の猛打賞となる３安打目はタイムリーツーベース、さらに敵失の後に菊池、箕浦の連打も出て４点を奪った。
４回にまさかの一発を浴びた仁上だったが、５回には味方のエラーをきっかけに３本の長短打を浴びて２点を献上してしまった。結局、仁上は５回を投げ４安打３失点。１ヶ月ぶりの登板や強風で投げにくいことを差し引けば、まずまずの内容で次試合は自身初となるＳリーグ最多勝を懸けたマウンドに登ることになる。
そして６回からは志願もあって鈴木(武)が約２ヶ月半ぶりにマウンドに登った。大量リードに守られて鈴木(武)は６回に２点、最終回に１点を献上するが、いつもより遅い時間の試合だったために落ちていく秋の西日を正面からまともに受ける一塁手、二塁手、右翼手はほとんど見えない状態で守備をしていたため、一二塁間を抜かれる当たりに菊池も西浦も全く反応できずヒットになってしまう不運もあった。懸念されていた制球の乱れも無く来季につながるピッチングだった。
秋の西日と強い北風を受けながら、いつもより遅い14時プレイボールの練習試合は久しぶりの二桁安打乱れ打ちで14対６で快勝。２週間後のＳリーグ最終節に向けて良い調整となった。背水の24年目シーズンも残り僅かである。Ｓリーグ最終節が順調に終われば、そのあとに１試合できるかどうかグランドの取得や対戦チームにもよるので微妙なところである。もしＳリーグ最終節が再び順延でもすれば、その順延した最終節が今季最終戦ということも充分に考えられる。いずれにしても残り試合は１試合か２試合しかないのは確かだ。シーズン終了後に悔いの残らないよう本当のラストスパートをしてもらいたい。
尚、田辺の２打席目、田辺の振ったバットが相手捕手の左肘に当たって打撃妨害で出塁したが、相手捕手は試合途中に病院に行った結果、左肘の亀裂骨折と判明。プレー中の事故なので仕方ないこととはいえ相手捕手の早期回復をお祈りするとともに、今後我々もケガには注意して常に集中してプレーに臨みましょう。
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