仁上まさかの初回３ランを浴びる！
立ち上がりを攻められ序盤で４失点！
中盤に相手のミスで点差を詰める！
田辺の２点タイムリーと相手ミスで同点に追いつく！
しかし！そこから点が取れない！
仁上は我慢の０行進を続けるも援護なし！
２年ぶり延長戦に入るも決め手を欠く打撃陣！
Ｓリーグ史上最長の９イニング戦い痛恨のドロー！
もう完全に後がなくなった！
残り試合くらい楽しみながら勝とう！

先週、大事な首位攻防戦を落としてしまい、もう後がなくなったジュピターズ。とりわけ主軸となる打者が総じて不振という負の連鎖を断ち切らなくては何も結果は生まれてこない。好調だった夏場のような打線爆発を期待して臨んだ第八節。天候こそ試合開始直後は曇り空ながら、徐々に日射しが差して絶好の野球日和に恵まれたものの、グランドは先週降った雨の影響で、かなり滑りやすいコンディションであった。 なんとしても先制点を奪って勢いをつけたいジュピターズだったが初回、ここまで７割を超える高出塁率を誇り、孤軍奮闘で打線を引っ張っている先頭の岡村が三振に倒れると、今のチームで最も当たっていた田辺も三振。この試合、３番に抜擢された三輪が内野ゴロと期待の３人が簡単に３者凡退に終わり、なんとなくイヤな予感を感じさせた。その予感が直後の１回裏に的中してしまう。先発の仁上は四球やヒットで出た２人のランナーを背負い、一死から４番打者に投じた甘い変化球を痛打され、打球は左中間奥の草むらに飛び込む「まさか」のスリーランホームランを浴びてしまい一気に３点を失うと、続く２回にも３安打を集中され１点を奪われ、序盤で４点を追いかける予想外の展開となってしまった。 ２回以降のジュピターズはランナーこそ出すもののホームが遠い状態。しかし４回、敵失出塁した岡村、四球の田辺、ヒットの則と一死満塁の大チャンス。ここで相手投手のワイルドピッチがあり難なく１点を献上してもらい各ランナーそれぞれ進塁し一死二、三塁とチャンスは続く。打席には長打のある佐藤、さらに鈴木(武)と控えているので一気に大量得点も期待された。ところが佐藤は三振、鈴木(武)は内野ゴロに倒れ、絶好のチャンスに相手のミスでもらった１点しか返すことができなかったのは今のチーム状態を象徴しているようだった。 それでも終盤の６回、四球で出塁した手塚を塁に置き、二死から岡村がヒットでつなぎ、田辺の２点タイムリーが飛び出し１点差に詰め寄ると、送球の間に二塁に達した田辺は三盗を決め、さらにワイルドピッチで生還。土壇場でなんとか試合を振り出しに戻すことに成功した。 初回にスリーランを浴び、２回にも１失点と不安定な立ち上がりを攻められ序盤で４点を与えてしまった先発の仁上だったが、３回以降は本来の調子を取り戻し、ランナーこそ出すものの決して連打は許さず相手のスコアボードに０を並べていた。なにより３回以降は四球でランナーを出すことがなく仁上本来の打たせて取るピッチングを披露し、味方の援護を辛抱強く待った。しかし打線は６回に同点に追いついたものの最終回の７回も無得点。一方の相手打線も７回は僅か５球で３者凡退と仁上・則の黄金バッテリーによる術中に上手くハマり７回の攻防を終え、残り時間は30分以上も余っていたため、2012年の第20回大会最終節以来となる延長戦に突入となった。Ｓリーグのルールとして試合開始より１時間40分経ったら次のイニングには入れない。逆に７回の攻防を終えた時点で同点の場合、試合時間が１時間40分経っていなかったら延長戦に入れる。２年前の2012年・第20回大会の最終節、ジュピターズ対フラワーズの試合は７回を終え１対１の同点。試合時間は45分以上残っていたため、年間１大会制になってから初の延長戦に入った。結果、延長戦突入直後の８回の表にジュピターズが一挙５点を挙げ、８回裏のフラワーズの攻撃を０点に抑え６対１で勝利した。その時以来の延長戦である。 ところが延長８回二死から膝痛のため２試合を欠場し、本調子ではないものの、この試合から復帰した手塚が痛い膝を引きずりながらも内野安打で出塁したが後続が倒れ無得点。仁上は８回裏も打たせて取るピッチング、田辺のエラーでランナーを１人許すも打者４人を僅か５球で料理し８回の攻防を終えても１時間40分を超えることなく､ついにＳリーグ史上最長となる９回の攻防に入った。時間的に考えても最後のイニングである。 ９回の表、先頭の後藤が四球を選び、続く岡村の内野ゴロが進塁打となり一死二塁と本当に最後のチャンスを迎える。だが期待の田辺が三振に倒れ二死、３番の三輪に全て懸かっていたが、ここで二塁ランナーの後藤が牽制死（審判の誤審）で呆気なく最後の攻撃を終え、この時点で勝利が完全に無くなった。だが最後のマウンドに向かう仁上は今まで通りに本領を発揮。なんと４球で３者凡退に打ち取り延長９回までいった長い試合を締めた。結局、Ｓリーグ史上最長の９回まで戦いながら両チームとも決め手を欠き４対４の引き分け試合。前節に首位から陥落したジュピターズにとっては痛いドローとなってしまった。 序盤に４失点を喫した仁上だったが、その後は安定し３回以降は散発２安打で無四球。圧巻なのは４回から９回まで１イニング10球以内に抑え６イニング合計で僅か42球しか投げず相手打線を打たせて取って封じ込めていた。つくづく立ち上がりの失点が悔やまれる。一方、前節から沈黙している打線は深刻さが増し､６安打は放っているものの得点に結びついたのは６回の岡村、田辺の連打のみ。とにかく打線につながりがないのが痛い。しかし、なんだかんだ言ってもＳリーグ今大会は残り２試合しかない。この引き分けで完全に後がなくなった。もう残り２試合は開き直り、今から25年前、チームが創設した時に掲げられた永遠不変のスローガン「楽しみながら勝つ」を胸に戦っていこう。

守 備	名前	打席	打数	安打	打点	四球	三振	盗塁	失策	通算 打率	1	2	3	4	5	6	7	8	9
9	岡村	4	4	1	0	0	1	1	0	.429	三振	…	…	三失	…	中安	…	…	三ゴ
8	田辺	4	3	1	2	1	2	1	2	.250	三振	…	…	四球	…	中安	…	…	三振
4	三輪	3	3	0	0	0	2	0	0	.214	遊飛	…	…	三振	…	三振	…	…	…
2	則	3	3	1	0	0	1	0	0	.241	…	三ゴ	…	左安	…	…	三振	…	…
7	佐藤	3	3	1	0	0	2	0	0	.258	…	左安	…	三振	…	…	三振	…	…
5	鈴木武	3	2	0	0	1	0	1	0	.167	…	左飛	…	投ゴ	…	…	四球	…	…
3	西浦	3	3	0	0	0	1	0	0	.179	…	一ゴ	…	…	三振	…	三飛	…	…
6	伊藤	3	3	0	0	0	1	0	0	.179	…	…	三ゴ	…	投ゴ	…	…	三振	…
D	箕浦	3	3	0	0	0	1	0	0	.091	…	…	三振	…	投ゴ	…	…	投ゴ	…
D	手塚	3	2	1	0	1	0	0	0	.231	…	…	遊失	…	…	四球	…	遊安	…
1	仁上	3	3	1	0	0	2	0	1	.208	…	…	中安	…	…	三振	…	三振	…
D	後藤	3	2	0	0	1	0	0	0	.188	…	…	遊直	…	…	投ゴ	…	…	四球
	合計	38	34	6	2	4	13	3	3	.222	試合時間2時間