| 本来なら先週が第九節だった。11月９日の早朝、天候は所により小雨が降っていたがグランドは試合決行の知らせを出した。しかし９時30分過ぎに三郷周辺は強い雨に見舞われ、あっという間にグランドは水浸し状態でとても試合ができる状態ではなく急遽、グランド使用不可のため雨天中止が決まった。すでに多くのメンバーがグランドに向け車を走らせていたが、集合時間である10時前に中止が決まったため、グランド手前まで来ていながら空振りに終わったメンバーも少なくなかった。今季の開幕戦予定だった３月30日、大宮に集まったものの、試合開始直前に雨が強くなり、チーム創設25年目にして初めて集合後に試合中止を経験したが、今回はＳリーグ22年の歴史で初めて決行から一転して雨天中止になってしまった。 それから１週間、この日は絶好の野球日和に恵まれＳリーグ第22回大会の第九節が１週間遅れでプレイボールとなった。前節、まさかの延長９回まで突入しながら決め手を欠いて引き分けてしまったジュピターズは自力優勝の可能性が消滅。あとは開き直って永遠不変のスローガン「楽しみながら勝つ」を実践するしかない。しかし、この日の対戦相手フィッシャーズに敗戦した場合はBクラス４位に堕ちてしまう恐れもあった。2003年の第11回大会からＳリーグは年間１大会制になった。それから昨年の第21回大会まで11年連続で必ずAクラス３位以内の成績を残してきているのはリーグの中でもジュピターズだけである。もちろん目指すは優勝だが、12年連続Aクラス確保もかかる大事な試合。様々な思惑、葛藤が交差する中、澄んだ11月の青空の下、Ｓリーグ第九節、そして25年目ジュピターズにとって最終戦前となるラス前・第14戦がプレイボールとなった。 初回、先頭の岡村が死球で出塁するも田辺の内野ゴロでランナーが入れ替わるが三番の鈴木(武)が体勢を崩しながらセンター前にヒットを放ち、一死一、二塁のチャンス。続く四番の佐藤の時に２度のワイルドピッチで難なく先取点を献上してもらう。さらに佐藤、手塚が四球で歩き一死満塁。ここで六番の則がセンターへ浅いフライを打ち上げ、三塁ランナーの鈴木(武)が決死のタッチアップを敢行するも好返球に阻まれタッチアウト。立ち上がり不安定な相手投手から１点しか奪えなかった。しかし２回、一死から菊池が敵失出塁からワイルドピッチで三塁まで進み、続く伊藤も四球から盗塁で二、三塁のチャンス。ここで箕浦がセンター前に弾き返す２点タイムリーヒットを放つと、仁上が倒れた後に後藤、岡村が連続四球で２イニング連続満塁のチャンス。続く田辺の放った打球は一瞬、外野後方の草むらに飛び込む満塁ホームランかと思われたが、打球の飛んだ位置が一番深い左中間だったため、あとひと伸び足りず草むらに入ることはなかったが、箕浦、後藤が相次いで生還する２点タイムリーツーベースとなった。さらに続く鈴木(武)の打球はサードゴロながら送球を受けた一塁手がエラー。この間に岡村、そして田辺までもがホームイン。打った鈴木(武)も、なぜか内野手が一塁周辺に集まっていたためガラ空きとなった二塁を盗み、さらに三塁もガラ空きなのを見逃さず三塁へ走るものの、カバーに間に合った内野手にタッチされ残念ながらアウト。しかし、この回一挙６点を加え試合の主導権を握った。続く３回にも佐藤の内野安打や西浦のタイムリーで１点を追加。序盤に効率良く加点し先発の仁上を援護した。 先発マウンドに登った仁上は初回、いきなり先頭打者のピッチャーフライを落球。さらに味方のミスで一死一、二塁のピンチ。次打者には右中間を破られるがセンターの田辺が快足を飛ばしてワンバウンドでキャッチすると、すかさず中継の菊池に返球。さらに菊池から捕手の佐藤へボールが渡り、三塁を蹴った二塁ランナーを三本間で挟殺。ピンチを切り抜けた。さらに２回も連打を浴び無死一、二塁とピンチを招くが、きっちり後続を打ち取り反撃の機会を摘み取っていた。しかし４回、一死から四球とヒット､さらに盗塁で二、三塁にランナーを背負い、内野ゴロの間に１点を与えてしまう。６回にも死球や味方のミスと自らのエラーなどで一死満塁から、続く打者の初球、甘く入ったボールを狙い打たれ１点を献上してしまったが大勢に影響はなく、相手の早打ちにも助けられ仁上は最後まで投げ切り僅か91球で完投。今季５勝目を挙げた。助けられたのは相手の早打ちだけではなく、難しいゴロを何度も捌いた鈴木(武)と伊藤の鉄壁とも言える三遊間のおかげもある。今季は打線の援護に恵まれない試合が多かったが、ラス前の試合になってようやく打線にも守備にも助けられた試合であった。 だが、３回までに８点を奪った打線は４回以降は完全に沈黙。３イニング連続して四球でランナーは出すが、ヒットは１本も出ずに無得点。最終戦に向け相変わらず不安が残る打線だった。しかし、この試合に勝利したことによりＳリーグ第22回大会のAクラス３位以内が確定。これで前人未到の12年連続Aクラス入りを見事に果たした。が…、他のグランドで上位を走るフラワーズとゼファーズがともに勝利したため、最終節でたとえジュピターズが勝利しても上位２チームに勝ち点で届かない状態となったため、最終節を待たずに２年連続の３位が確定してしまった。12年連続Aクラス入りの確定は嬉しかったが、２年連続３位確定は悔しいという複雑な結果となってしまった。2009年の第17回大会に優勝を果たして以来、今大会も優勝を果たせず、これで実に５年連続で優勝から遠ざかることになってしまった。昨年、記録した優勝から遠ざかる最長記録４年を更新してしまったことになる。この結果は屈辱ではあるが、泣いても笑っても次の最終節は今季の最終戦でもある。雨で中止の多かった2014年シーズンのため例年より試合数が少なかったが、最後の試合くらいは参加したメンバー全員がとにかく草野球を楽しめる一戦にしたい。勝っても負けても順位は３位に決まっているのだから、存分に楽しもうではないか。もちろん来季に向けての捲土重来の気持ちを胸に秘めて戦おう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 7 | 岡村 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | .409 | 死球 | 四球 | … | … | 三ゴ | … |
| 8 | 田辺 | 3 | 3 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | .258 | 投ゴ | 左２ | … | … | 三ゴ | … |
| 5 | 鈴木武 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | .188 | 中安 | 一失 | … | … | 四球 | … |
| 2 | 佐藤 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | .273 | 四球 | … | 遊安 | … | 三振 | … |
| D | 手塚 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .214 | 四球 | … | 中飛 | … | … | 三ゴ |
| D | 則 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .219 | 中飛 | … | 二直 | … | … | 遊ゴ |
| 3 | 西浦 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .200 | … | 一ゴ | 右安 | … | … | 四球 |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | .231 | … | 左失 | 三振 | … | … | 三ゴ |
| 6 | 伊藤 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .172 | … | 四球 | … | 三ゴ | … | … |
| 9 | 箕浦 | 2 | 2 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | .125 | … | 中安 | … | 三振 | … | … |
| 1 | 仁上 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | .200 | … | 三振 | … | 四球 | … | … |
| D | 後藤 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .176 | … | 四球 | … | 三振 | … | … |
| 合計 | 32 | 23 | 5 | 5 | 9 | 5 | 3 | 4 | .222 | 試合時間1時間45分 | ||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 仁 上 | 7 | 33 | 6 | 2 | 3 | 1 | 3.50 | 91 |
