| 本来なら先週にＳリーグ第23回大会の開幕を迎えるはずだったが非情の雨天中止となり、これで2013年、2014年に続き３年連続でＳリーグの開幕は雨天中止となった。翌週に仕切り直しとなったが前日の昼過ぎまで降っていた雨の影響が懸念されたものの、無事に23度目の大会初日を迎えることができた。今大会からＳリーグは2003年から昨年2014年まで12年間続いていた年間１大会制が廃止となり、リーグ設立の1993年から2002年まで10年間続いていた年間２大会制が12年ぶりに復活。以前は春の春風杯、秋の紅葉杯と名付けられていたが、今大会から最初の５試合を1st
Stage、残りの５試合を2nd Stageと名付け、新たな形としてスタートすることになった。また以前の年間２大会制の時にはなかった２大会を合わせた総合成績による年間総合優勝も設けられ、１年間で最多３チームが優勝できるようになった。もちろん我がジュピターズは1st
Stage、2nd Stage、そして年間総合優勝の三冠を狙って戦うが、まずは目の前の1st Stage優勝を目指して短期決戦に臨む。しかし、その大事な初戦当日にエースの仁上が仕事の都合で大幅に遅刻することになってしまった。対戦相手のミラーズに絶対の自信を持っていた仁上の遅刻で当初のプランは完全に崩れてしまった。高橋も欠場のため、昨年の最終戦に先発した岡村を緊急先発させなければならなかった。しかし、３月末の大宮での開幕戦を欠場した岡村はこの試合が今季最初の試合であり不安は隠せなかった。２回が終わる頃に仁上が到着すると予想し、それまで何とか凌いでくれれば…そんな気持ちで岡村をマウンドに送り出した。 ところが岡村は初回を10球、２回を11球でともに三者凡退に打ち取りベンチの心配を吹き飛ばす好投を見せる。３回に二死から初ヒットを打たれたが後続から三振を奪い、４回も味方のエラーでランナーを背負うが落ち着いて得点を許すことはなかった。 一方、岡村を援護したい打線は初回に先頭の岡村が四球で出塁し、内野ゴロの間に二塁へ進み、さらに三盗を決めて三輪の内野ゴロで生還し先取点を奪うと、２回には敵失、ヒット、四球と一死満塁のチャンスに菊池がタイムリーを放って追加点を挙げる。さらに満塁のチャンスは続くが西浦、箕浦と凡退し３者残塁。続く３回は後藤の四球と田辺、三輪の連打により再び一死満塁で長打が期待される佐藤、手塚に打順が周り大量得点の予感もしたが、佐藤、手塚ともに倒れて２イニング続けて３者残塁となってしまった。また４回には先頭の鈴木(武)が意表を突くセーフティーバントで出塁し、続く伊藤の打席の時に二盗を仕掛けたが伊藤がセンターフライを打ち上げ、鈴木(武)は一塁へ戻れずダブルプレー。次打者の仲里にヒットが出ただけにチグハグな攻撃となってしまった。 ５回表に岡村はヒットと、この試合初めての四球を与え、２人のランナーを背負うピンチを迎えるが後続から三振を奪い、いまだ無失点を続けていた。この試合、扇の要でもある則も欠場のために佐藤がマスクを被ったが、岡村−佐藤のバッテリーの呼吸は安心感すら与えるほどピッタリだった。５回裏の攻撃中に仁上が到着したが、仁上の出番は必要ないほどの投球を岡村は見せていた。６回一死から四球を与え、二盗、三盗まで決められ初めて三塁にランナーを置いてしまい、さらに打者にも四球で一死一、三塁のピンチを迎えたが、岡村は冷静に一塁ランナーが二盗を狙っていることを見抜き、見事な牽制で一塁ランナーを刺して二死、次打者をピッチャーゴロに打ち取りピンチを凌いだ。 毎回、ランナーを出しながらも２点しか奪えない打線は最終回、一死から田辺がヒットを放つと僅か２球で二盗、三盗を決めて三塁へ達し、三輪の内野ゴロの間に生還して待望の追加点を挙げた。昨年は僅か１盗塁足りずにチームの盗塁王を逃した田辺はすでに２試合で４盗塁と絶好調である。 当初は仁上が到着するまで何とか凌いでくれればとマウンドに送りだした岡村だったが、気づいてみれば最終回のマウンドにも立っていた。そして打たれたヒットは僅か２本で無失点と最高のピッチングを披露していた。ところが先頭打者をピッチャーフライに打ち取るも岡村自らが落球してしまいノーアウトのランナーを出してしまった。さらに二盗を決められ、続く打者の当たりは一、二塁間を抜けてしまいそうな難しいゴロだったが、これを菊池が見事に捌いてワンアウト。ランナーは三塁へ進むも次打者を平凡なセカンドフライに打ち取りツーアウト。最後の打者はサードゴロ。鈴木(武)が軽快に捌いて一塁の三輪にボールが渡って試合終了。結局、岡村は７回最後まで投げ抜き２安打無失点で嬉しい初完封勝利を僅か97球で挙げた。岡村の完投は2010年の最終戦ダブルヘッダー１試合目（対ホーマーズ・5-6xでサヨナラ勝利のため勝利投手）、昨年の最終戦（対ゼファーズ・5-5で引き分けのため勝敗付かず）に続き通算３度目だが、完封勝利は初めてのことである。岡村の小気味良いピッチングは試合時間１時間15分と試合時間の早さにも表れた。ちなみに岡村の勝利は2012年11月18日（戸田橋ポロリンズ戦…先発して４回を投げて10失点）以来通算６勝目である。 エース仁上の遅刻により緊急先発となった岡村の嬉しい誤算とも言える最高のピッチングのおかげでＳリーグ第23回大会1st Stage第１節は無失点という最も良い形でスタートしたが、打線はシングルヒットのみだが８本も放ちながら僅か３得点。そのうちタイムリーヒットは１本だけであり、２イニング連続３者残塁などを含む計10残塁とチャンスに１本が出ない状態が多かった。課題はまだまだ多いが、とりあえずは好調スタートを切れた。年間２大会制となり６年ぶりの優勝チャンスは増えている。次の試合では打線が爆発してくれることを期待したい。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 1 | 岡村 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 四球 | … | 中飛 | … | … | 三ゴ |
| 8 | 田辺 | 3 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 投ゴ | … | 中安 | … | … | 左安 |
| 3 | 三輪 | 3 | 3 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 二ゴ | … | 左安 | … | … | 投ゴ |
| 2 | 佐藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 投飛 | … | 三ゴ | … | … | 投失 |
| D | 手塚 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | … | 二失 | 投飛 | … | … | 左安 |
| 5 | 鈴木武 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | … | 投飛 | … | 投安 | … | 中飛 |
| 6 | 伊藤 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | … | 左安 | … | 中飛 | … | … |
| 7 | 仲里 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | … | 四球 | … | 中安 | … | … |
| 4 | 菊池 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | … | 中安 | … | 二ゴ | … | … |
| D | 西浦 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | … | 三振 | … | … | 三飛 | … |
| 9 | 箕浦 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | … | 三ゴ | … | … | 三ゴ | … |
| D | 後藤 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | … | … | 四球 | … | 四球 | … |
| D | 仁上 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | … | … | … | … | 三振 | … |
| 合計 | 32 | 27 | 8 | 3 | 4 | 2 | 5 | 2 | 試合時間1時間15分 | ||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 岡 村 | 7 | 27 | 2 | 3 | 3 | 0 | 0.00 | 97 |
