| 早朝、ところにより激しい雨が降っていた。グランドへ向かう時も車のワイパーが必要なほどの雨。誰もが昨年11月の集合30分前に急遽、中止になり家路にUターンしたことを思い出すほどだったが三郷のグランドは、ほぼ無傷だった。三郷市は広大な関東平野のほぼ中心部にあり、沿岸部や山間部に比べると雨雲の影響を受けにくい土地でもある。グランド状態は先週よりも良かった。 先週、Ｓリーグ第23回大会1st Stageの５試合が終了。フィッシャーズがリーグ加盟11年目にして初優勝。ジュピターズは残念ながら一歩及ばず準優勝となった。特に最終節、フィッシャーズが敗戦しただけに、もし勝利していれば優勝の可能性もあったので悔しさの残る準優勝である。しかし、感傷に浸っている間もなく、この日から2nd Stageが開幕。今年も後半の台風や秋雨などの雨天順延を考え、前半に６試合を消化したいリーグのスケジュールにより1st Stageの余韻の残る中で2nd Stageが開幕である。ちなみに昨年は前半に度重なる順延が続き、４試合しか消化できず、Ｓリーグ史上初の後半６試合というハード日程が組まれ、最終的には12月突入までして何とかシーズンを終えた。それを考えれば前半に６試合消化は仕方ないことである。 初回、先頭の岡村が四球で出塁すると、２番に抜擢された菊池がセンターオーバーのツーベースを放って無死二、三塁といきなりチャンスを作る。続く手塚の内野ゴロの間にスタートの良かった岡村がホームを駆け抜け幸先良く先制。さらに４番の則がエンタイトルツーベースで菊池も生還し２点目を挙げた。続く鈴木(武)もヒットを放ち、さらに佐藤は野選で出塁。一死満塁と大量得点の予感もしたが、伊藤、田辺が呆気なく倒れ、結局２点止まりだった。 先週の1st Stage最終節、岡村が完投しながらも打線の援護なく無念の敗戦。2nd Stageの第一節は満を持してエース仁上が先発のマウンドに登った。２点のリードを貰ってマウンドに登った仁上だったが、いきなり３連打を浴び、さらに味方のミスもあってアッという間に２点を献上し早くも試合が振り出しに戻ってしまった。 ２回のジュピターズは今季まだヒットのなかった西浦、仁上の連打と岡村の四球で全ての塁を埋めたが得点に結びつかず。逆にマウンドの仁上は３回に２本のヒットで１点を奪われ逆転を許してしまった。 １点を追いかける形となったジュピターズは４回に田辺がヒットで出た後、当然のように二盗、三盗を成功させ得点チャンスを演出するも無得点。５回は先頭の西浦が四球で出塁した後、一死からアウトカウントを間違える凡ミスで後藤の内野フライの時にスタートを切ってしまいアッサリとダブルプレーでチャンスを潰してしまう。しかし６回、先頭の岡村がこの日３ヶ目の四球を選び出塁。これで岡村は今季第６戦のクールナイツ戦の最終打席に死球で出塁してから前試合のフラワーズ戦の２四球、そしてこの試合の３四球と合わせ６打席連続四死球出塁となり、今季第１戦、２戦で後藤が記録した６打席連続四球のチームタイ記録に並んだ。岡村はすかさず二盗を敢行、菊池が２本目のヒットを放つと岡村は一気に三塁を蹴ってホームインし同点に追いついた。さらに菊池も決死の二盗成功。続く手塚もヒットを放ち、一死から鈴木(武)が四球で歩いて一死満塁の大チャンスを迎える。続く佐藤は粘りに粘って1st Stage第３節のゼファーズ戦同様に値千金の押し出し四球で勝ち越しに成功。さらに満塁のチャンスは続くも、初回同様に伊藤、田辺が倒れて相手の息の根を止める追加点を奪うことができなかった。 その裏、仁上は先頭打者を四球で歩かせると、次打者の打球を処理した鈴木(武)は二塁封殺を狙うも悪送球。これで無死一、二塁と一打同点、いや逆転のピンチを迎える。続く打者をセンターフライに打ち取り二死とした直後、次打者の放った打球は強い当たりのゴロで三塁線を破ろうとした。しかしこれを三塁手の鈴木(武)が逆シングルでキャッチすると、冷静に三塁ベースを踏み、さらに一塁手の西浦のミットめがけて矢のような送球。西浦のミットにボールが収まり見事にダブルプレーでピンチを切り抜けた。鈴木(武)は自分のミスで招いたピンチを自分で摘み取った。 なんとか終盤に追いつき、さらに押し出しと言えど逆転に成功。直後のピンチも切り抜けたジュピターズは最終回のマウンドに岡村を送った。この日、仁上のボールは相手打者とのタイミングが合っていたため痛打されることが多く、球数も100球近くになっていたので最後のイニングは岡村に託した。ベンチの期待に応えるかのように岡村は最終回をキッチリ３人で打ち取りゲームセット。押し出し四球で貰った虎の子の１点を何とか守り切り、2nd Stageの大事な初戦に勝利を飾ることができた。しかし課題は多い。この試合は連打を含む８安打を放ちながらも10残塁。特に満塁で３者残塁が３度もあった。毎試合のように思うが、あと１本出ていれば１点差ゲームのような苦しい試合にはならなかった。残念ながら打線のつながりが切れてしまう打順が毎試合出現してしまう。この試合は６番から９番までが11タコと散々だった。せっかく１番から５番までがチャンスを演出しても中盤がことごとく潰してしまった。今季は突出して当たっている選手がいないので軸を決めるのも打順を決めるのも難しいが、このままでは厳しいリーグ戦を勝ち残ることはできないだろう。幸い、Ｓリーグは夏場の休養期間に入り、８月30日に再開するまで練習試合で鍛えることができる。なんとしても2nd Stage再開までに打線の復活を果たさなければならない。それがなければ2nd Stage優勝も年間総合優勝も絶対に無理だろう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 91 | 岡村 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 | .111 | 四球 | 四球 | … | … | … | 四球 | … |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | .368 | 中２ | 左飛 | … | … | … | 中安 | … |
| D | 手塚 | 3 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | .250 | 三ゴ | … | 中飛 | … | … | 中安 | … |
| 2 | 則 | 3 | 3 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .267 | 左２ | … | 三飛 | … | … | 三振 | … |
| 5 | 鈴木武 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | .222 | 中安 | … | 三ゴ | … | … | 四球 | … |
| 7 | 佐藤 | 3 | 2 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | .077 | 野選 | … | … | 三ゴ | … | 四球 | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .263 | 投飛 | … | … | 遊飛 | … | 投飛 | … |
| 8 | 田辺 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | .250 | 遊飛 | … | … | 左安 | … | 右飛 | … |
| D | 箕浦 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .056 | … | 左飛 | … | 三振 | … | … | 三振 |
| 3 | 西浦 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .063 | … | 遊安 | … | … | 四球 | … | 二ゴ |
| 19 | 仁上 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | .071 | … | 中安 | … | … | 三振 | … | 遊ゴ |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .182 | … | 遊飛 | … | … | 投飛 | … | … |
| 合計 | 35 | 29 | 8 | 4 | 6 | 4 | 7 | 2 | .192 | 試合時間1時間35分 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 仁 上 | 6 | 26 | 5 | 5 | 2 | 2 | 3.14 | 94 |
| S | 岡 村 | 1 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2.45 | 10 |
