| （ナレーション：東○紀之） 早めの参加表明と高い出席率を誇り､ 試合では入団以来20年以上にわたってショートのポジションを守り続け､ 言葉は少ないながらも内野の要としてプレーでチームを盛り上げる ジュピターズになくてはならない中心メンバーとして活躍してきた彼が…… まさかの離脱。 永遠に続くものはない…そんな言葉を実感せざるを得ないのか。 今季11戦目の守備中に骨折したショートストップ伊藤尚幸、 前試合・夏の練習試合最終戦に続きＳリーグも無念の欠場。 Ｓリーグ公式戦は2010年10月から足掛け５年で47試合連続出場中だったが それも途絶えてしまった…。 １日も早い彼の回復と復帰を祈願します。 今年より12年ぶりに年間２大会制が復活したＳリーグ。1st Stageはフィッシャーズが悲願の初優勝を果たし、我がジュピターズは残念ながら準優勝に終わった。梅雨入り前の６月に2nd Stageの第一節が開催され、梅雨期間中から夏場にかけては例年のようにリーグは一時休戦。その間にＳリーグ主催のエキシビションマッチ・早朝の西武ドームを含め、自虐的な真夏の９イニング制練習試合で徹底的に鍛え、その結果は３勝１敗とまずまずの成績を残し、いざ2nd Stage再開に臨むつもりだった。しかし先週は無情にも雨天順延で出鼻を挫かれてしまった。再開が１週遅れたため暦は９月に突入したが、Ｓリーグ第23回大会・2nd Stageが曇り空の下で再開された。 残暑の日射しはないが、立っているだけでも発汗してしまう湿度の高さに加え、曇り空のため飛球が見づらく、グランド状態もかなり滑りやすい。さらに右翼から中堅にかけてが異常に狭い変形グランドとベストには程遠い状態であった。そんな中、先発マウンドに登った仁上は初回、いきなり先頭打者に二塁打を打たれ、続く打者には四球を与え、さらにタイムリー二塁打を浴びて早々に１点を献上。その後も内野安打で満塁のピンチを迎えるが、なんとか踏ん張って最少失点に抑え込んだ。 早くも１点を追う形となったジュピターズは直後の１回裏、先頭の岡村がヒットで出塁すると、すかさず二盗を決め、田辺の内野ゴロで三塁へ達し、３番・鈴木(武)のタイムリーで生還して早くも同点に追いつくと、鈴木(武)が二盗後に４番・則のタイムリーでホームを駆け抜け逆転に成功した。さらに２回には敵失出塁の西浦とヒットの佐藤を塁に置いて箕浦がレフト前へタイムリーを放ち、さらにワイルドピッチの間に１点を加え、この回も２点を挙げてリードを広げた。 ３回に仁上が連打を浴びて１点を失うが、その裏の攻撃で真夏の練習試合で鍛え上げた打撃陣が火を噴いた。まず先頭の岡村が二塁打を放つと続く田辺のヒットで岡村が生還。田辺は当然のように快足を披露し、二盗、三盗に成功。一死後に則がタイムリーツーベース。続く５番の手塚も連続ツーベース。結局、この回３本の二塁打を含む４安打で３点を加え２対７とリードを５点に広げた。 しかし４回、仁上は３本のヒットと味方のエラーもあって３失点。点差を２点にまで縮められてしまう。だが、その裏に連続ヒットの箕浦と仁上を塁に置いて後藤が２点タイムリー二塁打を放ち点差を４点に広げ試合は終盤戦へ。 ５回を初めての３者凡退に抑えた仁上に代え６回から万全を期すために岡村をマウンドに送ったが、安定感のあった岡村が本調子には程遠い状態で先頭打者をヒットで出した後に連続四球で無死満塁の大ピンチ。続く左打者の放った打球は無情にも右翼を守る仁上の頭上を超え、草むらに飛び込む「まさか」の同点満塁ホームラン。４点あったリードは、たった一振りで無くなり試合は振り出しに戻ってしまった。さらに岡村は続く打者にもヒットを打たれ、次打者には四球、さらに盗塁や内野ゴロの間にランナーがそれぞれ進塁し一死二、三塁と勝ち越しピンチを背負ってしまう。だが岡村は渾身の力で投げ込み、続く打者をキャッチャーフライ、次打者から三振を奪って勝ち越しのホームまでは許さなかった。 相手チームの攻撃が長かったために時間的最後の攻撃となった６回裏。これにより負けは無くなりドローかサヨナラ勝利のどちらかしかなかった。もちろん劇的なサヨナラ勝利を狙ったが、期待の西浦、佐藤、箕浦と、よりによってこの試合初めての３者凡退に呆気なく倒れてゲームセット。先制されながら直後に逆転に成功、一時は５点差までリードを広げ勝利目前まで行きながらも、たった一振りにより試合を振り出しに戻されてしまい、野球の怖さを知った痛恨の引き分け試合となってしまった。正直、負けに等しい引き分け試合である。 だが､春先は不振だった打線は夏の練習試合で鍛えた成果を発揮し、二桁の13安打を放ち、そのうち長打が４本と当たり、つながり共に出てきたのは唯一の望みである。2nd Stageは残り３試合。この試合に引き分けたものの、まだ無敗には変わりない。一球の怖さを胸に刻んで2nd Stageの残り３試合、気合いを入れ直して戦っていこう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 91 | 岡村 | 3 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .300 | 左安 | … | 左２ | 投犠 | … | … |
| 8 | 田辺 | 3 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | .243 | 捕飛 | … | 中安 | 二飛 | … | … |
| 5 | 鈴木武 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | .294 | 中安 | … | 三振 | … | 中飛 | … |
| 2 | 則 | 3 | 3 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | .300 | 中安 | … | 左２ | … | 投ゴ | … |
| 6 | 手塚 | 3 | 3 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | .267 | 投飛 | … | 左２ | … | 遊安 | … |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .276 | … | 三ゴ | 投飛 | … | 三ゴ | … |
| 3 | 西浦 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .172 | … | 二失 | 四球 | … | … | 中飛 |
| 7 | 佐藤 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .143 | … | 右安 | 中飛 | … | … | 捕飛 |
| D | 箕浦 | 3 | 3 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | .188 | … | 左安 | … | 右安 | … | 投ゴ |
| 19 | 仁上 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | .130 | … | 三振 | … | 右安 | … | … |
| D | 仲里 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .211 | … | 四球 | … | 三振 | … | … |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | .263 | … | 三振 | … | 中安 | … | … |
| 合計 | 33 | 30 | 13 | 8 | 2 | 4 | 7 | 1 | .228 | 試合時間1時間40分 | ||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| 仁 上 | 5 | 26 | 9 | 4 | 2 | 4 | 3.57 | 83 | |
| 岡 村 | 1 | 9 | 3 | 1 | 3 | 4 | 2.47 | 39 |
