| 本来、2nd Stageの第三節は第二節の翌週に予定されていた。しかし台風18号の影響で秋雨前線が刺激され、関東地方を中心に記録的な大雨が降り、栃木県や茨城県などで大きな被害となった。三郷のグランドも全面完全冠水してしまい当然、第三節は順延となってしまった。ようやくグランドも復旧し、第二節を戦ってから約１ヶ月ぶりの試合である。ところが台風18号後も秋雨前線の影響で雨天の日が多く、グランド状態はベストには程遠かった。しかし10月にしては日射しも強く暑さも感じられたこの日、久々の試合を待ちわびていたナインは元気に少しぬかるんだグランドに飛び出して行った。だが無敗同士の大事な一戦であったが、骨折のため今季絶望となった伊藤をはじめ、則や西浦が欠場。大幅な戦力ダウンを余儀なくされたが三輪やＳリーグ今大会初出場の高橋が駆けつけ、なんとか戦える形を保って大事な試合に臨むことができた。 初回、先頭の岡村、２番の高橋が連続で死球をぶつけられダブルスチールも敢行しチャンスを演出。二死後に手塚が四球で歩いて満塁。続く菊池の当たりはショートゴロで万事休すと思いきや、ショートから送られたボールを一塁手が落球。この間に岡村がホームを踏んで先制に成功した。続く佐藤は体が泳ぎながらも上手くバットにボールを乗せレフト前に弾き返す。高橋、手塚と相次いで生還し、初回３点を奪い好スタートを切った。 先発マウンドに登った仁上には不安があった。仕事中に爪を傷めたので欠場も考えていたが無敗同士の大一番の試合、エースとしての自覚と誇りでマウンドに登った。初回、２回ともヒットでランナーを出すが、後続をきっちり抑えて無難な立ち上がり。しかし３回、先頭打者にヒットを打たれ、その後、二死まで取るも四球や盗塁、パスボール等で二、三塁のピンチを背負う。次打者を浅いセンターフライに打ち取ったかに思えたが名手の田辺がグラブに当てながらも落球。その間に二者生還で２点を献上してしまった。 ２点献上直後の３回裏、先頭の箕浦がセンター前にクリーンヒットを放って出塁。打順が１番に戻り岡村は２打席連続死球、２番の高橋も四球を選んで無死満塁。続く三輪はショートゴロながら遊撃手が後逸。この間に箕浦に続いて岡村もホームを駆け抜け、献上した２点を早くも取り返した。さらに相手バッテリーのミスが続き、連続パスボールで高橋と三輪もホームインし、結局この回は１安打ながら４点を奪い試合の主導権を握った。さらに４回には代わった相手投手を攻め、後藤の四球、岡村、高橋の連打で満塁とし三輪が粘りながらも押し出しの四球を選んで貴重な１点を挙げた。 マウンドの仁上は味方のエラーで２点を献上した３回以降は順調に相手打線を抑え込んだ。４回は５球、５回は６球でともに３者凡退。６回こそ先頭打者をヒットで出すが、そこから３人を簡単に打ち取り決して追加点を許さなかった。しかし最終回、先頭打者にヒットを打たれ、続く打者にはこの試合両チーム初の長打である二塁打を打たれて無死二、三塁のピンチを迎える。次打者を内野ゴロに打ち取り一死となるが続く打者には四球を与えてしまい一死満塁。だが、この時点で点差は６点もあったので焦る必要はなかった。ところが次打者の緩いセカンドゴロを菊池が本塁に投げてしまいフィルダースチョイスで１点献上。さらに続く打者のショートゴロを手塚がファンブルしてしまい１点献上。焦らず近くの塁でアウトを取れば良かったのだが、内野陣に乱れが続き点差が４点に縮まり、なおも満塁の大ピンチ。約１ヶ月前、同じく最終回４点差リードから満塁ホームランを浴びて同点に追いつかれた悪夢が脳裏に甦った。しかし、ここで逃げるわけにはいかない。渾身の力を込めて仁上は投げたが無情にも打球は打ち取った当たりながらもセンターとセカンドの間にポトリと落ちる。その間に三塁ランナーが生還し３点差で満塁のピンチは続いた。次打者をサードゴロに打ち取り、鈴木(武)が落ちついてホームの佐藤へ送球し二死満塁と一息つく間もなく続く打者に押し出しの四球を与えてしまい２点差まで詰め寄られて一打逆転の大ピンチとなってしまった。爪に不安がありながらも序盤から快調に飛ばし球数も少なかった仁上だったが最終回に反撃に遭い球数も100球を超えてしまい投じた116球目、打球はまたしてもポテンヒットになりそうな難しい打球が右方向に飛んだ。後ろに下がる菊池を大声で制したのは前に守っていた右翼の岡村だった。同点の二塁ランナーさえ返さなければ良いと考え、あらかじめいつもより前に守っていたのが功を奏した。打球は岡村のグラブにスッポリ入ってゲームセット。仁上は粘投116球で見事に５月24日、1st Stageゼファーズ戦以来の完投勝利を挙げた。 最後の守りに就くまでは快勝かと思っていたが何とか逃げ切っての辛勝となったこの試合は結果的に相手のミスで献上してもらった得点が多かった。３回に４点、４回に１点を取った後、ともに満塁だったが３者残塁が２イニング連続で続いた。もしも、あそこでダメ押しをしていれば相手の気持ちも切れていて、ここまで縺れた展開にはならなかっただろう。チャンスであと１本の重要さを考えて打席に立たなければ厳しいリーグ戦を勝ち抜くことはできない。改めて考えてもらいたい。しかし、どんな形にせよ無敗同士の一戦に勝利したことは大きい。貴重な１勝と言える。2nd Stageは残り２試合。この試合で勝ち取った貴重な１勝は次節に勝利した時、初めて大きな意味を持つことになる。残り２試合、突き進むしかない。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 9 | 岡村 | 3 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | .333 | 死球 | … | 死球 | 左安 | … | … |
| 7 | 高橋 | 3 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | .111 | 死球 | … | 四球 | 三安 | … | … |
| 3 | 三輪 | 3 | 2 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | .167 | 三振 | … | 遊失 | 四球 | … | … |
| 5 | 鈴木武 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .270 | 捕飛 | … | 投飛 | 遊ゴ | … | … |
| 6 | 手塚 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | .281 | 四球 | … | 三飛 | … | 中安 | … |
| 4 | 菊池 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | .258 | 一失 | … | 四球 | … | 三ゴ | … |
| 2 | 佐藤 | 3 | 2 | 1 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | .167 | 左安 | … | 四球 | … | 三振 | … |
| 8 | 田辺 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | .231 | 中飛 | … | 四球 | … | 三振 | … |
| D | 仲里 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .182 | … | 三振 | 三振 | … | … | 三失 |
| 1 | 仁上 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .115 | … | 二ゴ | … | 二飛 | … | 三振 |
| D | 後藤 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | .238 | … | 三振 | … | 四球 | … | 三振 |
| D | 箕浦 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .206 | … | … | 中安 | 遊直 | … | … |
| 合計 | 35 | 25 | 5 | 3 | 10 | 8 | 2 | 3 | .227 | 試合時間1時間55分 | ||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 仁 上 | 7 | 34 | 7 | 1 | 3 | 1 | 3.25 | 116 |
