| 前節、宿敵のフラワーズに競い勝って２位に浮上。そのままの勢いで臨む2nd Stage第四節は1st Stageの優勝チームであり、現在の2nd
Stageも首位を走るフィッシャーズ。一難去ってまた一難。短期決戦ならではの厳しい戦いが続く。しかもマレットフィンガー（槌指）のため戦線離脱した伊藤を欠いての片翼飛行。しかし志半ばで離脱した伊藤のためにも、そしてチームとして６年ぶりの優勝を果たすためにも絶対に負けられない一戦である。だが、エースの仁上が大事な一戦にまさかの欠場。高橋も欠場のため岡村の右肩に全てを託して天下分け目の天王山に臨んだ。 なんとしても先取点を奪い試合の主導権を握りたいジュピターズは初回、一死から田辺が打撃妨害で出塁すると二盗を敢行し暴投の間に三塁まで達しチャンスを作ると、続く鈴木(武)の打球はボテボテの三塁ゴロ。これに素早く反応した三塁ランナーの田辺は俊足を駆ってホームを駆け抜け先制。鈴木(武)も野選（フィルダースチョイス）で一塁に達し、セカンドにカバーがいないのを見ると一気に二塁まで達する好走塁。ちなみに野球のルールでは野選の場合でも打点は記録される。続く前試合欠場だった４番の則がライトへタイムリー二塁打を放って鈴木(武)が生還。則はワイルドピッチの間に三塁へ達し、二死から三輪のセンターオーバーツーベースでホームを踏み、初回に早くも３点を奪い試合の主導権を握ったかに思えた。 ところが直後の１回裏、この試合の全てを託した岡村が不調で先頭打者をヒットで出すと、自らの牽制悪送球で二塁へ進めてしまう。さらに四球、続く打者には死球で無死満塁の大ピンチ。次打者に押し出しの四球、一死からタイムリーも浴びて結局、２点を献上。さらに２回には先頭打者をヒットで出すと二盗、三盗を許し、内野ゴロの間に生還されてしまい、早くも同点に追いつかれてしまった。岡村は２回までで63球も要する苦しいピッチングだった。 なんとか岡村を援護したい打線は毎回、ヒットを放ちスコアリングポジションにランナーを進めるものの、つながりがなく残塁の山を築いてしまう。２回は満塁からの３者残塁。３回と４回は２イニング連続して二、三塁から２者残塁と追加点を奪えない苦しい状態だった。しかし５回、一死から則が猛打賞となる３本目のヒット、それもこの試合２本目の二塁打を放つと手塚が内野安打で続き、すかさず二盗で二、三塁とすると三輪がセンターへ弾き返して則、手塚が相次いでホームインし勝ち越しに成功した。 毎回、ヒットでランナーを出し、スコアリングポジションまで進めながら得点できない打線に辛抱強く投げ続けた岡村は３回以降もランナーを出すが決してホームは許さず粘りのピッチング。３回、４回ともランナー２人を背負いながらバックの好守もあり、要所を締めて得点を許さず味方の援護を待った。そしてようやく５回に２点を奪ってもらった直後の５回裏、今度はバックが岡村の足を引っ張り僅か１安打ながら３つのエラーが重なり２点を献上。再び同点に追いつかれてしまった。なおも満塁で一打逆転のピンチだったが岡村は気合いで後続を打ち取り、逆転は許さなかった。 初回に３点を奪いながら同点にされ、５回に２点を奪ったものの直後に再び同点とされてしまい、厳しい試合展開となった。しかし同点にされたものの決して１度も逆転を許していなかったことが最大の救いでもあった。逆転を許してしまえば一気に流れは相手に行ってしまっただろう。寸前のところで踏ん張ったことが最終回の攻撃につながった。 ６回も仲里のヒットや岡村の死球で２者を出すが残塁となってしまう。直後の６回裏は２本のヒットと味方エラーで一死満塁のピンチだったが見事に凌いで同点のまま迎えた最後の攻撃。長打が期待された鈴木(武)と則が連続三振に倒れ簡単に二死となってしまうが、続く手塚がヒットで出塁。さらに三輪が自身入団以来初の猛打賞となる３本目のヒット（２本目の二塁打）で二死二、三塁の大チャンス。そして佐藤が左打席に入る。今季の佐藤は打率１割台と低迷しているためクリーンアップトリオから外れているが相手からするとフルスイングで一発長打の印象が強く、最も警戒している打者のため、一塁が空いているのでなんと草野球では珍しい敬遠の四球で歩かされてしまう。満塁策を取られた後の次打者である西浦はこの試合、３打席２三振とピッチャーゴロで全く相手投手にタイミングが合っていなかった。二、三塁で佐藤と勝負するより満塁で西浦との勝負は当然かもしれない。だが選球眼の良い西浦はカットを繰り返し粘ってついに値千金の押し出し四球を選んで勝ち越しに成功。満塁策を取りながら安全だと思った次打者へ押し出しの四球は守備の集中力を削いだのか続く箕浦のサードゴロを一塁手がエラーし、その間に２点目。さらに仲里の当たりは投手、一塁手、二塁手の真ん中への小フライ。これが内野安打となり結局、最終回に二死から３点を奪って再び勝ち越しに成功した。 そして最後の守り。マウンドの岡村は２人のランナーを出すが味方打線が二死からつないで取ってくれた３点のリードを見事に守り抜き、自身最多となる熱投143球の完投勝利を挙げ、ついに2nd Stage無敗のまま首位に立ち2009年の第17回大会以来となる６年ぶりの優勝へ王手をかけた。 だが、まだまだ課題は多い。この試合、３年半ぶりの毎回安打で合計12本のヒットを放ちながら大量の15残塁は多すぎである。あと１本が出ていればここまで苦しい試合展開にはならなかっただろう。翌週の今大会最後の試合では打線のつながりを期待したい。しかしながら相手に攻められ２度も同点に追いつかれたが１度もリードを許さなかったことは大きかった。それが最終回の粘りにもつながった。このまま2nd Stage最終節も厳しい戦いになると思うが全員野球で戦い抜き、６年ぶりの覇権を手中に収めよう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 1 | 岡村 | 4 | 3 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | .292 | 三振 | 遊飛 | … | 遊ゴ | … | 死球 | … |
| 8 | 田辺 | 4 | 2 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 | 1 | .220 | IF | 死球 | … | 三振 | … | 三ゴ | … |
| 5 | 鈴木武 | 4 | 4 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | .244 | 野選 | 三振 | … | … | 遊ゴ | … | 三振 |
| 2 | 則 | 4 | 4 | 3 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | .353 | 右２ | … | 中安 | … | 中２ | … | 三振 |
| 64 | 手塚 | 4 | 4 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .306 | 三ゴ | … | 二飛 | … | 三安 | … | 中安 |
| 36 | 三輪 | 4 | 3 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | .333 | 中２ | … | 四球 | … | 中安 | … | 右２ |
| 7 | 佐藤 | 4 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | .156 | 四球 | … | 一ゴ | … | 左飛 | … | 四球 |
| D3 | 西浦 | 4 | 3 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 | .156 | 三振 | … | 三振 | … | 投ゴ | … | 四球 |
| 4D | 箕浦 | 4 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .211 | … | 左安 | … | 一失 | … | 三ゴ | 三失 |
| 9 | 仲里 | 4 | 4 | 2 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | .231 | … | 三振 | … | 三振 | … | 左安 | 二安 |
| D | 後藤 | 4 | 3 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .250 | … | IF | … | 左安 | … | 投飛 | 三振 |
| 合計 | 44 | 36 | 12 | 7 | 8 | 10 | 3 | 5 | .235 | 試合時間2時間10分 | |||||||
| ※田辺と後藤の四球1は打撃妨害出塁（IF＝インターフェア） | |||||||||||||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 岡 村 | 7 | 40 | 7 | 3 | 8 | 3 | 2.56 | 143 |
