| 本来なら４月24日に1st Stage第３節は予定されていたが、まさかの雨天順延になってしまい、その後はゴールデンウィークもあったため実に６週間ぶりの試合となった。この日は天候に恵まれ、朝から気温はグングンと上昇。東京では真夏日手前の29℃まで上がり７月並みの厳しい気温であった。予定では試合後に配布するはずだったゴールデンウィーク後に完成した夏用ユニフォームでもあるセカンダリィユニフォーム（アンダーシャツ一体型ユニフォーム）を急遽、試合前に配布し、夏空の下で初披露試合となった。1990年のチーム創設以来、現在着用しているユニフォームを含め、今まで５種類のユニフォームがジュピターズの歴史を築いてきたが、今回、６着目となるセカンダリィユニフォームは初めて背ネーム、前番号などを無くし、機能性のみを重視したユニフォームである。近年、チームの高齢化により異常な暑さとなる夏場はパフォーマンスが悪くなる。少しでも力が発揮できるようにアンダーシャツを着ないで直接、着れるのがセカンダリィユニフォームの特徴でもある。これから９月末まで25℃以上の気温が予想される時はセカンダリィユニフォームを着用して戦うことになるだろう。 どこかサッカーかバレーボールのユニフォームに似ている感じのセカンダリィユニフォームを身に纏い、６週間ぶりの試合の対戦相手は昨年1st Stageの覇者でもあるフィッシャーズ。昨年の春は６対１と完敗した相手であるが、こちらも昨年2nd Stageの覇者であり年間総合チャンピオンでもある。昨年前後半の王者同士の対戦は中盤までは取られたら取り返すシーソーゲームとなった。 初回、先頭の岡村が四球で出塁し一死から鈴木(武)の木製バットに弾かれた打球は風にも乗って左翼手の後方まで飛んでいく。一塁から岡村が長駆ホームイン、さらに打った鈴木(武)もダイヤモンドを一周。鈴木(武)の今季１号ツーランホームランで幸先良く先制点を挙げた。ちなみに鈴木(武)は2013年の入団以来、これで４年連続でホームランを放ったことになる。入団以来３年連続でホームランを放った選手は2009年に入団して2011年までホームランを打った三輪と2013年から2015年までの鈴木(武)の２人しかいないが、このホームランにより鈴木(武)はチーム唯一の入団以来４年連続ホームランの新記録を樹立しチームの歴史に名を残した。 鈴木(武)の先制ツーランにより２点を挙げたジュピターズだったが、直後の１回裏、先発の仁上が先頭打者をヒットで出すと二盗、三盗を敢行され一死からタイムリーを浴びて１点を献上。さらに３回には先頭打者に死球をぶつけてしまい、その後は２安打１四球、さらに名手・伊藤の信じられない落球もあって２点を失い逆転を許してしまった。 ２点のリードもつかの間、逆に１点を追いかける立場となったジュピターズは４回、先頭の岡村がヒットで出塁、続く田辺が四球を選んで無死一、二塁のチャンスを迎える。前打席でホームランを放った鈴木(武)が倒れて一死となったが、４番の則が左中間を大きく破る大飛球を放つ。岡村がホームを踏んで同点。さらに田辺も生還し逆転に成功した。ところがその裏、味方のミスでノーアウトのランナーを出した後、長打を打たれて再び同点とされてしまう。４回を終え昨年の1st Stageと2nd Stageのチャンピオン同士の戦いは４対４の息詰まるシーソーゲームとなった。 その均衡を破ったのは今季４試合すべてに先発をしている仁上だった。５回に二死ながら四球の佐藤と敵失出塁の菊池を塁に置き、仁上が気合いで放った魂の打球は左中間を破った。佐藤に続いて菊池もホームを駆け抜け２点の勝ち越しに成功。今季は投手として３試合目まで自責点０を続けていた仁上だったが、この試合は先制してもらった直後の初回に早くも今季初の自責点。さらに逆転を許したりと苦しいピッチングが続いていたが、マウンドで投げる自らを助ける２点タイムリーを放つと、その裏の相手の攻撃は０点に抑えてマウンドを岡村に譲った。 1st Stageと2nd Stageの王者同士の対決でもありセカンダリィユニフォーム初披露試合は仁上の２点タイムリーで勝ち越しに成功しただけで終わらなかった。６回には先頭の岡村がスタンディングトリプルとなる三塁打で口火を切ると、一死から鈴木(武)が四球を選びすかさず二盗。続く則は三塁ゴロながら絶妙のスタートを切った岡村がホームに決死のスライディングで１点をもぎ取ると、三塁手からの送球が後ろに転がった間に二塁ランナーの鈴木(武)も生還。さらに則を二塁に置いて二死から手塚が鮮やかに鋭い当たりのタイムリーを放って則がホームイン。そしてとどめは佐藤が全盛期を彷彿させる火の出るような超特大アーチが飛び出し、この回３本の長短打で一挙５点を挙げて得点を今季初の二桁の大台に乗せた その裏から仁上に代わってマウンドに登った岡村は先頭打者に死球を与えてしまうが後続を簡単に打ち取る。最終回も先頭打者を四球で出してしまい盗塁やワイルドピッチの間に三塁まで進ませてしまうが落ちついてバッターと勝負し後続を難なく打ち取りゲームセット。３月末の開幕戦以来のマウンドだったが、岡村は見事にノーヒットピッチングで試合を締めた。 鈴木(武)のホームランで先制しながら４回まではシーソーゲームとなったが仁上のタイムリーで勝ち越した後は容赦ない攻撃で加点、そして昨年は打撃不振に陥っていた佐藤が度肝を抜く復活の超特大アーチで二桁得点を奪い、セカンダリィユニフォーム初披露試合は見事に快勝することができた。尚、１試合に２本以上のホームランが出た試合は2012年５月のＳリーグ第20回大会記念・東京ドーム試合（岡村と則）以来の実に４年ぶりであった。今大会1st Stageは残り２試合。これを機に打線の更なる爆発を期待し、残りの試合をジュピターズらしく戦い抜いてもらいたい。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 91 | 岡村 | 3 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 四球 | … | … | 中安 | … | 左３ | … |
| 8 | 田辺 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 投飛 | … | … | 四球 | … | 三振 | … |
| 5 | 鈴木武 | 3 | 2 | 1 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 左本 | … | … | 三飛 | … | 四球 | … |
| 2D | 則 | 3 | 3 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 中飛 | … | … | 中３ | … | 三失 | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 三振 | … | … | 遊ゴ | … | 遊ゴ | … |
| D | 手塚 | 3 | 3 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | … | 三振 | … | 遊ゴ | … | 左安 | … |
| 72 | 佐藤 | 3 | 1 | 1 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | … | 四球 | … | … | 四球 | 左本 | … |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | … | 遊飛 | … | … | 三失 | 遊ゴ | … |
| D9D | 箕浦 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | … | 左飛 | … | … | 捕飛 | … | 死球 |
| 3 | 西浦 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | … | … | 三飛 | … | 二ゴ | … | 遊飛 |
| 17 | 仁上 | 3 | 3 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | … | … | 一ゴ | … | 左安 | … | 一ゴ |
| D | 後藤 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | … | … | 三振 | … | 三振 | … | 中安 |
| -9 | 仲里 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | …………遅刻………… | … | 投飛 | ||||
| 合計 | 37 | 31 | 8 | 10 | 6 | 5 | 2 | 3 | 試合時間1時間45分 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 仁 上 | 5 | 24 | 6 | 3 | 3 | 2 | 0.61 | 80 |
| S | 岡村 | 2 | 8 | 0 | 3 | 2 | 0 | 1.40 | 34 |
