| ７月３日に夢の島で夏の練習試合初戦を戦ってから梅雨期間に試合は積極的に組まず休養に充てた。７月28日に関東地方が昨年より18日遅く梅雨明けをして夏本番を迎える中、ジュピターズは以前、ホームグランドにしていた練馬区の光が丘公園に2006年以来10年ぶりに集結。光が丘公園は1990年代後半から2000年代前半まで練習試合で数多く使用し、2004年シーズンには年間７試合も使ったことがあったグランドであるが、ネット申し込みが主流となった2007年頃からグランド当選の倍率が異常に跳ね上がり常に50倍以上となったため、長い間当選することができず10年の月日が経ってしまった。最後に光が丘公園で試合をしたのは2006年10月、高橋が勤めている会社の野球チームT&K
TOKAとの試合であり、その後は2009年に１度だけ試合が予定されていたが雨天中止となってしまったため、今回10年ぶりの光が丘となった。 光が丘公園での通算成績は35勝２敗２分と相性の良いグランドである。そして対戦相手は昨年、日中の西武ドーム試合以来の横浜ウィルス。この横浜ウィルスと初対戦したのも2002年に光が丘公園であり、その後も2004年、2006年と計３度、光が丘公園で試合を行っている（３勝０敗）。 通算40度目、10年ぶりの光が丘での試合だったが天候はかなり不安定だった。試合前にスコールがあり、いつまた雨が降ってきてもおかしくない雲行きだったが13時にプレイボール。初回を０点に抑え、ジュピターズ１回裏の攻撃が始まる直前に再びスコールが降ったため打席に向かおうとしていた１番打者の田辺だけでなく守備に就いていた相手チームのナイン全員がベンチに避難。約５分後に小雨になったので試合再開。その後は真夏の太陽が照り付けたり曇ったりと常に上空の雲を気にしながらの試合となった。そんな不安定な天候での試合だったが、両チームのピッチャーが好投する投手戦。初回、先頭の田辺が四球で出塁し二盗成功。しかし三盗に失敗し後続も倒れ３者凡退。２回も則、佐藤が連続三振。伊藤も内野ゴロに打ち取られ３者凡退。３回は二死から仲里が敵失で出塁した後、仁上がレフトオーバーの二塁打を放って初めてチャンスを作るが後藤が良い当たりながらセンターフライに倒れて得点ならず。４回も田辺、菊池、鈴木(武)が倒れて３者凡退と相手投手を崩すことができなかった。 一方、ジュピターズの先発マウンドに登った仁上は初回、２回とヒットでランナーを許すが後続を難なく打ち取ると３回、４回は３者凡退に退け、５回も二死からヒットを打たれるも決して得点を許さずエースの貫録を見せ付けた。今季初めて欠場をした前試合、仁上の代わりに先発した岡村が見事なピッチングを披露したことに刺激を受けたのか、まったく危なげないピッチングだった。 なんとか好投する仁上を援護したい打線は５回裏、女房役の則がライトオーバーの二塁打を放つ。一死から伊藤が死球で出塁しダブルスチール敢行で一死二、三塁とチャンスを広げる。続く手塚の打球はショート後方へのフライ。これを相手遊撃手が後退しながら捕球したが捕球と同時に尻もちをついたのを見逃さず、三塁ランナーの則が決死のタッチアップ。尻もちをついた状態からの送球では投手に返すのが精一杯のため則がホームに滑り込んで貴重な１点をもぎ取った。 記録上、手塚の遊撃フライが犠飛となって１点を奪った後の６回表も仁上は２者連続三振を奪い二死からヒットで１人のランナーを背負うが慌てることなく後続を打ち取ってスコアボードに６ヶ目の０を並べた。６回裏のジュピターズの攻撃も簡単に二死となり打席にラストバッターの後藤が入った頃から雨が降り始め徐々に強くなっていった。結局、後藤は四球で歩いたが、その直後にスコールのため再び全員ベンチに避難。初回のスコールの時とは違いグランドは厚く黒い雲に覆われていた。５分もしないうちにグランドは水浸しになり、たとえスコールが収まっても試合続行不可能なグランド状態となってしまった。投手戦だったこともあり残り時間が30分もあったが14時30分に降雨コールドでゲームセット。結局５回に奪った虎の子の１点を守りきってチーム創設27年目481試合目にして初めての１対０のロースコアでの勝利となった。ちなみに降雨コールド試合は2007年７月29日に大宮での戸田橋ポロリンズ戦（６回表終了時）以来２度目であるがイニングの間ではない攻撃途中にコールドになったのはチーム初の出来事である。 降雨コールドゲームになったが試合は成立しているので先発した仁上は６回を投げて僅か76球、散発４安打で自身入団17年目、先発139試合目にして初めての無四球完封勝利で今季早くも７勝目を挙げた。三塁すら踏ませない圧巻のピッチングだった。過去、無四球完封勝利を挙げたのは1997年と1999年に久保田が挙げて以来２人目（チーム３度目）の快挙である。（仁上の無四球完投勝利は過去３度、完封勝利は過去10度あるが無四球完封勝利は初） 前試合で爆発した打線だったが10年ぶりの光が丘では沈黙。仁上と則の二塁打２本のみだったが数少ないチャンスを見逃さなかった則の好走が勝利に結びついた。どんな状況でも常に次の塁を狙う姿勢があったからこその１点であり、その１点で勝つことができた。これでチームは４月10日の第３戦から破竹の７連勝。そして第４戦から着用しているセカンダリィユニフォームでの試合も無敗である。今年の夏は世界的に史上最高に暑い夏とNASAが発表しているが暑い夏をこのまま乗り切っていこう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 8 | 田辺 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .174 | 四球 | … | … | 三ゴ | … | … |
| 4 | 菊池 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .136 | 三振 | … | … | 三振 | … | … |
| 5 | 鈴木武 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .333 | 二飛 | … | … | 中飛 | … | … |
| 2 | 則 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | .333 | … | 三振 | … | … | 右２ | … |
| 7 | 佐藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .300 | … | 三振 | … | … | 左飛 | … |
| 6 | 伊藤 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .391 | … | 二ゴ | … | … | 死球 | … |
| 3 | 手塚 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | .154 | … | … | 捕飛 | … | 遊犠 | … |
| D | 箕浦 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .100 | … | … | 遊飛 | … | 投ゴ | … |
| 9 | 仲里 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .333 | … | … | 二失 | … | … | 投飛 |
| 1 | 仁上 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .158 | … | … | 左２ | … | … | 一ゴ |
| D | 後藤 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .214 | … | … | 中飛 | … | … | 四球 |
| 合計 | 22 | 18 | 2 | 1 | 3 | 4 | 3 | 0 | .265 | 試合時間1時間30分 | ||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 仁 上 | 6 | 22 | 4 | 6 | 0 | 0 | 1.37 | 76 |
