| ４月１日から始まったＳリーグ第26回大会もついに最終戦である。今大会は1st Stageで１度、2nd Stageで２度の雨天順延があったが、なんとか今年も寒くなる前に全日程を終えることができた。数多くの台風が今年は日本列島を襲ったが、幸いタイミングが良く大会日程に影響することはなく、ほぼ順調に消化できていた。しかし金曜夜から土曜の朝にかけてまとまった雨が降ったためにグランドはかなり滑りやすい状態でのリーグ最終戦となってしまった。だが、試合途中から汗ばむような秋晴れに恵まれた。 リーグ最多勝の可能性があるため２週連続での先発マウンドに登った仁上だったが初回、先頭打者をいきなり四球で出塁させてしまう。事実上の優勝決定戦でもあった前週のフラワーズ戦でも先頭打者を四球で歩かせてしまい、結果５イニング９失点で負け投手になってしまった悪夢が脳裏をよぎった。前週、初回は味方のエラー絡みで１失点したが、この日はそれ以上に悪かった。続く打者の飛球を名手の伊藤がグラブに当てて弾いてしまうも、センターの田辺がナイスリカバーでボールを拾ってそのまま二塁ベースを踏んで一塁ランナーをアウトにするが、次打者には鮮やかにセンター前ヒットを打たれて一死一、二塁。さらに続く４番打者には左中間の一番深い植え込みを超えるスリーランホームランを浴びてしまい一挙３失点してしまう。 いきなり３点を追いかける形となったジュピターズだったが、直後の１回裏、先頭の岡村が敵失出塁で二塁へ達すると三盗も決める。一死から則のタイムリーで早々に１点を返すと、則は捕逸の間に二塁へ。さらに佐藤の敵失で楽々と生還し早くも追撃態勢となった。ところが２回、先頭打者にヒットを打たれ、そのあと二死まで奪うも仁上自身のエラーや四球もあり二死満塁のピンチを背負う。さらに捕手の則から投手の仁上への返球が逸れてしまい、その間に三塁ランナーがホームを駆け抜け不用意なエラーで１点を与えてしまう。 イヤな形で失点してしまった直後の２回裏は２人のランナーを出すも無得点で負の連鎖を恐れたが、３回にヒットの田辺が二盗を決め、則の内野ゴロで三塁へ達し、二死から手塚のクリーンヒットで１点差に詰め寄ると４回にはヒットの伊藤、四球の西浦と箕浦で全ての塁を埋め、今年は打撃好調で二刀流の仁上がレフト前に流し打ちヒットで同点に追いつく。続く後藤は粘って押し出し四球を選んでついに逆転に成功。さらに岡村の内野ゴロで箕浦が生還、その後は則の敵失もあり２安打ながら４点を奪った。さらに５回は代わった相手投手の制球難を攻めて菊池の押し出し死球に箕浦の押し出し四球、さらに仁上が２打席連続タイムリーに後藤の２打席連続押し出し四球、岡村も押し出し四球、とどめに則が２点タイムリーヒットを放って打者一巡（12人）の猛攻により一挙７点を加えて試合を決めた。 ３回以降はピンチを背負いながらも相手打線を無得点に抑えてきた仁上だったが時間的最終回となった６回に１点を失うも最後の打者から三振を奪ってゲームセット。いきなり３点も先制されたが自らの２安打２打点もあり６月以来の完投勝利を挙げ、２年ぶり４度目のＳリーグ最多勝を手中にした。ちなみにベストコントロールも前試合まで仁上はリーグトップだったが、この試合で計６四死球と荒れてしまい、規定表彰数に達しない可能性も出てきた。12月２日のＳリーグ役員会議以降にタイトルホルダーは発表される。 この勝利によりＳリーグ第26回大会2nd Stageの成績は３勝１敗１分となり３年連続準優勝が確定。年間総合成績では５勝３敗２分で２年連続第三位という結果に終わり、今年も悲願の優勝に手は届かなかった。しかし全10試合のチーム打率こそ３割に届かずリーグ３番目の数字だが得点数は全10試合で97得点を挙げ、堂々のリーグ一番の数字である。（２位はフラワーズの87得点） 1st Stageで48得点、2nd Stageで49得点と１年間平均して得点を挙げていた。しかし得点数と同様に失点数も多かった。全10試合で90失点はリーグワースト２番目の数字である。しかもリーグワーストはクールナイツの91失点だが僅か１失点しか差がなかった。全10試合中５試合で二桁得点を挙げている反面、全10試合中５試合で二桁失点を喫しているという派手な１年間だった。しかも、そのうち２試合は13対13の引き分け（1st Stageクールナイツ戦＆2nd Stageフィッシャーズ戦）という、さらに派手な結果でもあった。毎年課題であった得点力に関しては不思議と今年は良かったものの、エラー絡みの失点の多さが際立っていたし、ここ数年は仁上と岡村たった２人の投手に頼ってきたツケが回ってきたのかもしれない。だが、平均年齢がリーグで最も高いにもかかわらずリーグ一番の得点力、そして年間を通してAクラス入りは見事である。来年の第27回大会こそ永遠不変のチームスローガン「楽しみながら勝つ」の下で悲願でもある優勝を達成させてもらいたい。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 9 | 岡村 | 4 | 3 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | .407 | 三失 | 二ゴ | … | 遊ゴ | 四球 |
| 8 | 田辺 | 4 | 3 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | .342 | 三振 | … | 中安 | 四球 | 三ゴ |
| 2 | 則 | 4 | 4 | 2 | 3 | 0 | 0 | 1 | 1 | .448 | 左安 | … | 遊ゴ | 三失 | 左安 |
| 7 | 佐藤 | 4 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .268 | 三失 | … | 三振 | 投飛 | 一ゴ |
| 5 | 手塚 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | .387 | 三ゴ | … | 中安 | … | 四球 |
| 3 | 三輪 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | .000 | 四球 | … | 投飛 | … | 四球 |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | .206 | 投飛 | … | … | 右安 | 投ゴ |
| D | 西浦 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 | 0 | .207 | 三振 | … | … | 四球 | 四球 |
| 4 | 菊池 | 3 | 2 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | .250 | … | 三振 | … | 投直 | 死球 |
| D | 箕浦 | 3 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | .206 | … | 四球 | … | 四球 | 四球 |
| 1 | 仁上 | 3 | 3 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 1 | .481 | … | 三振 | … | 左安 | 右安 |
| D | 後藤 | 3 | 0 | 0 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | .267 | … | 四球 | … | 四球 | 四球 |
| 合計 | 40 | 26 | 7 | 12 | 14 | 5 | 7 | 2 | .228 | 試合時間1時間50分 | |||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 仁 上 | 6 | 31 | 6 | 2 | 6 | 4 | 2.73 | 108 |
