| 暦は９月に入り令和初の夏も終わりに近づいてきた。だが残暑はまだまだ厳しい。この日も朝は曇り空だったが試合開始直前から夏の日差しが容赦なく照りつけグランドの気温は30℃を超えていた。今季2019年シーズンは３月末、順調に開幕しＳリーグの試合もここまで８試合連続して雨天順延なく消化できている。しかし、今夏は殺人的暑さとなる真夏の練習試合を２試合にセーブ。そのうち１試合が雨天中止となったため、2019年シーズンはようやくこの日で10試合目となった。過去、９月以降に10試合目を迎えたのはチームが創設した1990年および翌年の1991年は11月だった。翌1992年も９月６日に10試合目を迎えていたが、その後1993年からはＳリーグへの加盟と同時に試合数が増加し、たいてい６月～８月中に10試合目を戦っていた。唯一、2008年は度重なる台風直撃の被害に遭い試合中止が続き、７月27日に９試合目を戦ってから10試合目は９週間後の９月28日だった。この年以来11年ぶりとなる９月突入の10試合目となった。 前週、平成生まれの木村が初登板、初先発、初完投勝利というチーム初の快挙を達成した。それをベンチで見ていたエースナンバー18番を背負った仁上が満を持しての先発。ジュピターズ同様に対戦相手のゼファーズは2nd Stage全勝であり両チームとも王者フラワーズとの対戦はまだだった。王者に対して挑戦権を得るための絶対に負けられない試合だったが木村の活躍に触発された仁上がエースの意地とプライドを見せた。1st Stageでは岡村と仁上の２人で10安打11失点を喫して惨敗したが初回、２回と今季３割５分以上の打率を誇るゼファーズ打線を三者凡退。３回に初ヒットを打たれるも後続を簡単に仕留めてスコアボードに０を並べた。しかし４回、一死からヒットで出したランナーが二盗、三盗を仕掛け、内野ゴロの間に１点を失ってしまう。 一方、３試合連続二桁安打を放っているジュピターズ打線は４回まで不発。エラーでランナーを１人しか出せずノーヒットと投手戦の様相となっていた。だが５回、２番に抜擢された先頭の伊藤が鮮やかなヒットを放って出塁。続く岡村が死球で無死一、二塁とし則が４番の役割を果たすタイムリーを放って同点に追いついた。さらに佐藤はセカンドゴロだが三塁ランナー岡村が絶妙の好スタート。相手の野選を誘って逆転に成功。二塁ランナーの則も三塁へ進み、佐藤は二盗で無死二、三塁とチャンスは続き、手塚の適時打、一死後に箕浦が値千金となる２点タイムリーツーベースを放ってこの回一挙５点を奪った。さらに最終回、一死後に四球で出塁した岡村を塁に置き、則が二塁打を放って二、三塁とチャンスを広げる。二死から手塚が四球で歩いて満塁とし、菊池、箕浦と連続敵失で２点を追加した。 投げては仁上がリードしてもらった直後の５回裏は味方のエラーと内野安打で２人のランナーを背負うも落ち着いて後続を打ち取り無得点。６回も死球で出したランナーに二盗を決められるが得点を許すことはなかった。しかし６点リードで迎えた最終回、先頭打者に出合い頭の一発を浴びてしまい５点差にされると続く打者も味方のエラーで出塁させてしまうがマウンドの仁上は最後まで落ち着いていた。そこから３者連続で外野フライに打ち取り鉄壁外野陣の好守にも助けられ仁上は４安打２失点で今季２度目の完投勝利。絶対に負けられない重圧のかかった試合で見事にエースの意地とプライドを見せつけた。 打線は５安打ながら得点を奪った５回に４安打、７回に１安打と効率良い攻めを発揮できた。ここに四死球や敵失も重なり快勝の要因となった。これで2nd Stage全勝対決を制して３連勝。隣のグランドではフラワーズがまさかの敗戦を喫したため2nd Stage３連勝のジュピターズが久しぶりに単独首位に躍り出たと同時に今季の対戦成績も４勝４敗２分と10試合目にして長い借金生活から解放されタイとなった。Ｓリーグ2nd Stageは残り２試合、このまま集中力を持続して最後まで戦い抜いてもらいたい。その先に悲願達成が待っているのだから。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 田辺 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .158 | 遊飛 | … | … | 遊ゴ | … | 三ゴ | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .304 | 三ゴ | … | … | … | 中安 | … | 投ゴ |
| 9 | 岡村 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | .400 | 遊ゴ | … | … | … | 死球 | … | 四球 |
| 2 | 則 | 3 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .381 | … | 三振 | … | … | 左安 | … | 左２ |
| 7 | 佐藤 | 3 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | .259 | … | 一ゴ | … | … | 野選 | … | 右飛 |
| 4 | 手塚 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | .208 | … | 三飛 | … | … | 右安 | … | 四球 |
| 5 | 菊池 | 3 | 3 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | .179 | … | … | 三振 | … | 三振 | … | 三失 |
| D | 箕浦 | 3 | 3 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | .310 | … | … | 三失 | … | 中２ | … | 三失 |
| 3 | 西浦 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .042 | … | … | 二ゴ | … | 投ゴ | … | 二ゴ |
| 1 | 仁上 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .077 | … | … | 三振 | … | 二ゴ | … | … |
| D | 髙橋寛 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .091 | … | … | … | 三振 | … | 三振 | … |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .111 | … | … | … | 三振 | … | 三振 | … |
| 合計 | 33 | 30 | 5 | 7 | 3 | 8 | 2 | 2 | .226 | 試合時間1時間35分 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ○ | 仁 上 | 7 | 29 | 4 | 2 | 2 | 2 | 3.58 | 105 |
