| 2003年の第11回大会以来となる４チームでのリーグ戦となったＳリーグ第29回大会。コロナ禍の中、４月11日に開幕、続く第二節からは緊急事態宣言下での大会となった。５月中に東海地方まで梅雨入りし、関東地方の梅雨入りも早まると思われたが、最終節まで天候に恵まれ１度も雨天順延なく順調に試合消化し、梅雨入り前に全日程を終えることができた。(最終節翌日に関東甲信地方が梅雨入り）
今大会はゼファーズが新型コロナの影響により１年間の活動休止。コロナ禍のため先行き不透明な状況で新規加盟チームも見つからず、苦肉の策として４チームによる２度の対戦形式となった。しかも６月中に全日程を終えるという超短期集中型のリーグ戦である。18年前の2003年・第11回大会は４チームによる年間を通して３度の対戦形式（１チーム９試合）だったが、今大会は新型コロナウイルスにより先が全く見通せない状況であり、夏から秋にかけては延期となった東京オリンピック・パラリンピックも控えているため年間を通しての大会には無理があると判断し、Ｓリーグ初の試みであるが６月までに全日程を終える超短期集中型リーグ戦となった。 第五節まで終え、ジュピターズは２勝３敗。４チーム中３位という苦しい状態でラストマッチを迎えた。最終節はすでに前節で優勝を決めたフラワーズとの対戦。第三節で対戦した時は12対４と惨敗。その時の借りを返さなければ最終順位がチーム史上初の最下位に決まってしまう恐れがあり、逆に勝利した場合は２年連続準優勝の可能性も残されている大事な大事な最終節となった。 前節のクールナイツに完投勝利した仁上が今季初の２週連続先発。平田が肩痛、岡村と高橋潤が欠場というピンチの中、エースに全てを託すしかなかった。しかし初回、いきなり４本の長短打を浴びて簡単に２点を献上してしまい不安の残る立ち上がり。だが直後の１回裏、四球で出塁した田辺が二盗。さらに捕逸の間に三塁まで進みチャンスを作ると、続く伊藤は敵失で出塁し二盗を決めて無死、二、三塁。一死から則が体勢を崩されながら二遊間を破る技ありのタイムリーを放って１点を返すと、平田は四球、手塚がポテンヒットで一死満塁。さらに2018年10月28日以来、約２年８ヶ月ぶりに参加した三輪の内野ゴロの間に２者が生還し逆転に成功。さらに西浦が四球で歩いて再び満塁とチャンスは続いたが菊池が三振で３者残塁。立ち上がりに苦労していた相手投手を攻めたが初回は３点しか奪えなかった。 １点リードしてもらった仁上だったが２回、先頭打者に四球を与え二盗を許すと、次打者にヒット、さらに連打でアッという間に２点を与えて逆転を許してしまう。さらに一死から四球で満塁の大ピンチ。しかし続く打者のショートゴロを伊藤からホームの則へ送球し二死、すかさず則からサードの高橋哲へボールは渡り三塁へ進んできたランナーをアウトにし味方の好守によるダブルプレーでピンチを凌いだ。再び追いかける形となったジュピターズは２回裏、一死から四球の仁上、ヒットの後藤を塁に置き、打順は１番に戻るも期待の田辺、伊藤が倒れて二者残塁、無得点に終わる。３回に内野のエラーで１点を奪われ２点差とされた後の３回裏、２つの敵失で１点を返し１点差まで詰め寄り試合は終盤戦へ。 ４回は満塁のピンチを無得点で抑えたマウンドの仁上だったが先週100球以上を投げた影響か疲れが見えてきた。時間的最終回となった５回、一死、三塁から内野ゴロの間に生還を許し同点に追いつかれてしまう。さらに球数が100球を超えてから連打と四球で満塁とし、続く打者にも三遊間を破られ２点を奪われ逆転されてしまう。その後も味方のエラーで再び満塁とし、痛恨の押し出し四球でこの回４失点。ここまで二桁安打を浴びながらも粘投で耐えてきた仁上だったが、ついに力尽きてしまった。本来なら４回裏に逆転した時点でリリーフを登板させたかったが、平田が肩痛のため無理をさせられず。岡村と高橋潤が欠場のため仁上に頼るしかなかったが選手層の薄さを露呈してしまった。 ３点を追いかけるジュピターズは最後の攻撃で粘りを見せた。平田、手塚が連続四球。三輪が倒れた後、西浦も四球で一死、満塁と一発出ればサヨナラの場面を演出。ところが続く菊池がキャッチャーフライ。箕浦は粘りを見せたが三振に倒れてゲームセット。シーソーゲームとなったが結局、９対６で敗戦。今大会４敗目を喫して悔いの残るまま全日程を終了した。この試合の残塁数は13ヶ。初回、３回、５回と３イニングも三者残塁でチャンスを潰していた。２回と４回は二者残塁で計13残塁。毎回チャンスがありながら畳み掛けることができなかった。もし、どのイニングでもいいので、あと１本出ていたら結果は違っていただろう。そして11四球も貰いながらチャンスを生かしきれなかったことも敗因である。 隣のグランドでクールナイツがフィッシャーズに勝利し勝ち点で並ばれたが失点率の高さによりジュピターズは1993年の第１回・春風杯より29年目44大会目にして初の最下位が決定した。４チームしか参加せず、計６試合しかないリーグ戦とはいえチーム史上初めての最下位。この結果を真摯に受け止め次の戦いに繋げてもらいたい。とにかく今大会は失点が多かった。総失点数は４チーム中、一番多いので最下位も当然なのかもしれない。得点を挙げることは大事だが、それよりもいかに失点を少なくする方がより大事かということを改めて感じた大会だった。 ４月11日に開幕してから雨天順延なく約２ヶ月間を駆け抜けた超短期集中のリーグ戦だったが、これで今年のＳリーグは全日程が終了。初の試みで戸惑いもあったが、お疲れ様でした。今後は状況を見ながら練習試合のマッチメイクを予定しているが１ヶ月ほど試合から遠ざかる。新型コロナの感染に気をつけ、また元気な姿でグランドで会いましょう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 8 | 田辺 | 3 | 2 | 1 | 2 | 1 | 1 | 2 | 0 | .400 | 四球 | 三振 | … | 中２ | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .143 | 三失 | 右飛 | … | 右飛 | … |
| 5 | 高橋哲 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | .308 | 二飛 | … | 三失 | 遊ゴ | … |
| 2 | 則 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | .400 | 中安 | … | 四球 | 三ゴ | … |
| 7 | 平田 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | .333 | 四球 | … | 三振 | … | 四球 |
| D | 手塚 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .267 | 左安 | … | 二ゴ | … | 四球 |
| 3 | 三輪 | 3 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 | 遊ゴ | … | 三失 | … | 三飛 |
| D | 西浦 | 3 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | .333 | 四球 | … | 左安 | … | 四球 |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | .143 | 三振 | … | 投ゴ | … | 捕飛 |
| 9 | 箕浦 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | .000 | … | 投ゴ | … | 四球 | 三振 |
| 1 | 仁上 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | .167 | … | 四球 | … | 四球 | … |
| D | 後藤 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .154 | … | 中安 | … | 四球 | … |
| 合計 | 34 | 23 | 5 | 5 | 11 | 4 | 6 | 3 | .243 | 試合時間1時間50分 | |||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ● | 仁 上 | 5 | 36 | 12 | 1 | 7 | 6 | 3.96 | 112 |
