| 1993年に設立したＳリーグも今年で記念すべき第30回大会を迎えた。しかし３年連続してコロナ禍での開催となり、昨年大会同様に４チームによる２度の対戦形式、しかも先行き不透明なため今年も６月中に全日程を終える超短期集中開催を余儀なくされた。３月21日で東京都など首都圏に発令されていた
まん延防止等重点措置が全面解除となり、３年ぶりに何も制限のない中での大会となったが、それでも日々の新規感染者数は多いため、昨年、一昨年と同じくwithコロナ形式が採用され、試合前、試合後のホームベースを挟んでの挨拶やエール交換は省略継続となった。 昨年の第29回大会は雨天順延が１度もなく､予定通りに６月中に全日程を終えることができたが、今年の第30回大会も天候に恵まれたとは言えないような時もあったが、とりあえず全６節とも雨天順延なく消化することができ、Ｓリーグ史上初めての２年連続雨天順延のない大会となった。昨年は梅雨入り前に大会が終わったが、今年は例年より早い６月６日に梅雨入り。この日も前日の夜から明け方にかけて雨予報であったが、想像していたよりも降雨はなかったために無事に開催となった。 今大会のジュピターズは６年ぶりの開幕戦勝利、さらに開幕２連勝と勢いに乗ったと思いきや、その後はノーヒットノーラン負けを含む２試合連続完封負けもあり２連勝のあと３連敗中。しかもチームタイ記録となる17イニング連続無得点。３連敗中に放ったヒットは僅か３本、奪った得点は１点のみ。チーム打率も.140と最悪な状態でＳリーグ第30回大会のラストゲームを迎えることになった。 最終節の対戦相手は第三節で１安打１得点に抑えられ連敗スタートのきっかけとなったクールナイツ。もし、この試合で敗戦した場合、勝ち点で並ばれ失点率の差にもよるが２年連続最下位の可能性を含んでいたため絶対に負けられない戦いであった。しかし、前週に続きチームで唯一、投打で頼りになる岡村が欠場。岡村の欠場は試合開始前からベンチに暗い影を落とした。案の定、初回、高橋哲がヒットで出塁したものの無得点に終わり、2007年シーズンに記録した17イニング連続無得点の記録を更新する18イニング連続無得点となってしまった。さらに１回裏、先発予定だった岡村欠場のため開幕から６試合連続先発となった仁上は先頭打者を振り逃げで出塁させてしまった後、打ち取った打球がヒットになる不運も重なり二死一、二塁とピンチを背負い、続く打者の当たりも打ち取っていながら二塁手・手塚のエラーで先取点を与えてしまった。連敗中は常に先取点を奪われていたが、この試合でも守備の乱れにより追いかける形となってしまった。さらに３回には先頭打者に１発を浴び、２点ビハインドとなってしまう。 一方、ジュピターズ打撃陣は２回、先頭の平田がヒットを放つも後続が続かず。３回は一死から箕浦が四球を選んだが続く仁上がセカンドライナー。一塁ランナーの箕浦が戻れずに併殺でチャンスを生かせず。４回は簡単に三者凡退に倒れ、ここまで５月15日の第３戦の５イニング目から数えて21イニング連続無得点が続いてしまう。しかし５回、二死から敵失出塁の平田、連続四球の菊池と佐藤、この試合初めてすべての塁を埋めて22イニングぶりの得点チャンスを迎える。打席の手塚が３ボール２ストライクから振り抜いた打球はレフト前にクリーンヒット。三塁ランナーの平田が楽々とホームインし、ついに22イニングぶりに得点すると、左翼手が打球処理をもたつく間に二塁ランナーの菊池もホームを駆け抜け同点に追いついた。 手塚の今季初ヒットにより同点に追いつき喜んだのもつかの間、同点直後の５回裏は僅か９球で相手打線を抑えた仁上だったが、６連投、しかも前週に132球も投げて疲れもピークに達した６回裏、２本のヒットと四球で二死ながら満塁のピンチを背負うと、次打者には左中間に運ばれ２点を献上。土壇場にしてついに力尽きてしまった。再び２点を追いかけなければならなくなったジュピターズだったが攻撃は最終回の１回のみ。先頭の伊藤が敵失で二塁まで進みクリーンアップトリオに期待がかかったが、高橋哲、則、平田と倒れて敢え無くゲームセット。2007年シーズン以来、15年ぶりチーム４度目となる４連敗でＳリーグ第30回大会は静かに終了した。 結局、今大会は開幕２連勝の後に４連敗で昨年大会と同じ２勝４敗の成績。チーム打率は当然リーグ最低の数字。６試合でホームランも４チーム中、唯一１本も出なかった。２年連続最下位も覚悟したが、同じく２勝４敗で勝ち点が並んだクールナイツとの失点率を計算するとジュピターズの失点率は0.895。クールナイツの失点率は0.934。僅か0.039の差により２年連続最下位は免れ、なんとか昨年よりひとつ順位を上げた３位に滑り込むことができた。あと１点奪われていたら、もしくは得点が２点ではなく１点だったら順位は逆になっていた。また、隣のグランドでフラワーズが大敗を喫し、失点率が大量に増えていた。もしジュピターズがこの試合に勝利していた場合、３勝３敗でフラワーズと並び、失点率の差で２位まで順位を押し上げることができていただけに残念な敗戦になってしまった。 ２年連続して雨天順延が１度もなく駆け足で終わったＳリーグ第30回大会。僅かな失点率の差により２年連続最下位は免れ３位に滑り込んだとはいえ不完全燃焼で幕を閉じた感はある。開幕戦でいきなり二桁安打、二桁得点で勝利し、２戦目には前年王者に競い勝ち、今年は違うと感じたのも一瞬だった。その後にノーヒットノーラン負けを含む２試合連続完封負け。無得点イニングはチーム新記録更新の21イニングまで伸ばして４連敗。４連敗中の総ヒット数は７本、総得点は３点しか奪えなかった。開幕戦以降は二塁打以上の長打が１本も出ていないほどの深刻な打撃不振状態のまま大会が終わってしまった。来シーズン末をもってチームの解散が予定されているのでＳリーグに挑めるのも来年の大会だけである。終わってしまった結果は真摯に受け止め、また来年、有終の美を飾れるよう最後の戦いに挑んでもらいたい。とりあえず２ヶ月間、駆け足の超短期集中リーグ、お疲れ様でした。次の練習試合まで１ヶ月以上も間が空く予定だが、今季も残り半分くらいなので解散までカウントダウンに入ったとも言える。まだまだ新型コロナの感染には気をつけ、残り僅かな試合を悔いのないよう楽しもう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 田辺 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .143 | 投飛 | … | … | 遊ゴ | … | 遊ゴ | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .200 | 二ゴ | … | … | 三振 | … | … | 三失 |
| 5 | 高橋哲 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | .200 | 中安 | … | … | … | 三振 | … | 中飛 |
| 2 | 則 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .111 | 三振 | … | … | … | 遊ゴ | … | 捕飛 |
| 9 | 平田 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .167 | … | 中安 | … | … | 二失 | … | 二ゴ |
| D | 菊池 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .143 | … | 三飛 | … | … | 四球 | … | … |
| 7 | 佐藤 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 | … | 遊飛 | … | … | 四球 | … | … |
| 4 | 手塚 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | .077 | … | 二ゴ | … | … | 左安 | … | … |
| 3 | 西浦 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | … | … | 二ゴ | … | 三振 | … | … |
| D | 箕浦 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .091 | … | … | 四球 | … | … | 右安 | … |
| 1 | 仁上 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .214 | … | … | 二併 | … | … | 投飛 | … |
| D | 後藤 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .200 | … | … | … | 投ゴ | … | 三振 | … |
| 合計 | 29 | 26 | 4 | 1 | 3 | 5 | 3 | 1 | .143 | 試合時間1時間35分 | |||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ● | 仁 上 | 6 | 27 | 7 | 2 | 1 | 3 | 4.20 | 94 |
