| ついにジュピターズ最期のシーズンが開幕した。まだバブル景気の残る1990年、野球のできる最少人数である９名で結成されてから仲間との出会いや別れを繰り返し、様々な歓喜と悲哀を味わい、葛藤や紆余曲折などを経て平成の時代を一気に駆け抜け、令和５年の今年で34年という長い月日が流れた。昨年春に2023年いっぱいでの解散が発表され、本当に最後のシーズン、Final
Seasonを迎えることになった。本来なら前週に開幕戦が予定されていたが２年連続して雨天中止。３年前の2020年は試合中、突然の雨による初の降雨コールドゲームとなったため、３年連続してＳリーグ第一節が開幕戦となった。 Ｓリーグも今年で設立30周年の節目の年であるが、コロナ前の2019年・第28回大会を最後にミラーズが脱退してからコロナ禍になり新規加盟チームが見つからず、さらにはリーグ設立当時からジュピターズのライバルでもあったゼファーズの活動休止もあり、ここ数年は４チームでの短期集中型リーグ戦として何とか活動を維持するのが精一杯の状況だった。新型コロナの影響に加え、今年いっぱいでジュピターズが解散＝リーグ脱退が決まっている中、来年以降リーグの存続を維持できる状況でないため、Ｓリーグも今大会が最後の大会となることが決定した。正直、ジュピターズの解散発表がトリガーとなった感は否めないが、1993年のリーグ設立時から30年間ともに歩み続けたＳリーグと一緒に草野球の世界から離れることはある意味で幸せなのかもしれない。チームとリーグ、どちらも今年が最後の年。2023年４月２日、ダブルFinal Seasonが開幕した。 ジュピターズ最期の開幕戦の開幕投手を務めるのはもちろんエースの仁上。2000年シーズン途中に入団以降、常にジュピターズのマウンドを守ってきた。昨年2022年シーズンは全15試合すべてに登板という前人未到の記録を樹立。2021年の最終戦にもマウンドに登っているため、現在、16試合連続登板中。これは1998年シーズンの第８戦から最終戦の第21戦、さらに1999年の開幕戦、第２戦と登板した久保田の通算16試合連続登板に並ぶ大記録であるが、この日の登板により久保田超えとなる17試合連続登板の新記録となった。仁上は今年で入団24年目だが開幕投手を務めたのは15度目で成績は６勝４敗。当然、チーム開幕投手最多記録であり、常にジュピターズのエースとして君臨してきた。 チーム新記録となる17試合連続登板となった開幕投手の仁上だったが初回、先頭打者をヒットで出すと、味方のエラーや２本の長短打を浴びていきなり２点を奪われ不安な立ち上がりだった。しかし直後の１回裏、先頭の田辺が敵失で出塁すると続く岡村が内野安打そして二盗で無死二、三塁とチャンスを広げると３番の高橋哲の打球は左翼手の頭上を越える大飛球。これがエンタイトルツーベースとなり田辺、岡村が楽々とホームイン。２点奪われた直後に高橋哲の一振りで試合を振り出しに戻した。さらに２回裏には制球に苦しむ相手投手を攻め７四死球に岡村のタイムリーも出て打者一巡で一気に５点を奪った。 ２回の仁上は僅か５球で三者凡退に打ち取り調子を戻したかと思いきや３回、打順２周り目で相手強力打線につかまり３回は４安打を浴びて３失点。４回には５本の長短打を浴びて４失点で逆転を許してしまう。５回から岡村をマウンドに送るが集中力を欠いた内野守備の乱れもあり２失点と完全に相手のペースとなってしまった。 ４点を追いかけるジュピターズは５回裏、先頭の吉田、続く伊藤が連続ヒット。一死後に箕浦もうまく右方向に流したヒットで満塁のチャンス。ここで西浦が鮮やかにセンター前に弾き返して１点を奪いなお満塁のチャンスは続いたが、菊池、仁上が呆気なく倒れて１点止まり。最終回となった６回裏も先頭の後藤が振り逃げで出塁したが期待の田辺、岡村が倒れ二死一塁。高橋哲は内野安打で粘りを見せたが反撃はここまで。結局、ジュピターズ34度目そして最後の開幕戦は乱戦の末に11-８で敗戦、Final Seasonは黒星発進となってしまい最後の開幕戦を飾ることはできなかった。 これでジュピターズ34度の開幕戦の勝敗は20勝（不戦勝１含む）13敗１分。とりあえず勝ち越してはいるが選手の高齢化が激しくなってきた最近５年間は１勝４敗と厳しい成績である。黒星スタートとなったFinal Season。少し散った桜と菜の花に出迎えられた三郷市サンケイスポーツセンターには30年以上も通い続けているが、それも今年で終わりである。最後のリーグ戦はコロナ禍の６試合しかなかった過去２年間のリーグ戦と違い、年間を通して各チームと３試合、計９試合の試合形式で締め括られる。まだ１敗、大丈夫。万感の思いで悔いの残らないよう、自分自身に有終の美を飾れるようダブルFinalを最後まで走り抜いてもらいたい。最期まで楽しんで完全燃焼しよう。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 8 | 田辺 | 4 | 3 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 三失 | 死球 | … | 三ゴ | … | 投飛 |
| 71 | 岡村 | 4 | 4 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 遊安 | 左安 | … | 一飛 | … | 中飛 |
| 5 | 高橋哲 | 4 | 3 | 2 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 左２ | 四球 | … | 左飛 | … | 投安 |
| 2 | 吉田 | 4 | 2 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 四球 | 四球 | … | … | 中安 | 三ゴ |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 三併 | 三振 | … | … | 中安 | … |
| 4 | 手塚 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 三飛 | 遊ゴ | … | … | 三ゴ | … |
| 9 | 箕浦 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | … | 四球 | 三失 | … | 右安 | … |
| 3 | 西浦 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | … | 四球 | 三直 | … | 中安 | … |
| D | 菊池 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | … | 四球 | 遊ゴ | … | 投飛 | … |
| 17 | 仁上 | 3 | 1 | 0 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | … | 四球 | 四球 | … | 三振 | … |
| D | 後藤 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | … | 三振 | 三振 | … | … | 振逃 |
| 合計 | 37 | 28 | 8 | 8 | 9 | 5 | 4 | 4 | 試合時間1時間50分 | ||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| ● | 仁 上 | 4 | 27 | 12 | 3 | 1 | 7 | 12.25 | 103 |
| 岡 村 | 2 | 11 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0.00 | 36 |
