| 歓喜のＳリーグ２年連続優勝から６週間、すでにプロ野球の日本シリーズもメジャーリーグのワールドシリーズも終わってしまったが、ジュピターズ20年目の今シーズンはまだ終わりを告げていなかった。この日までの間に光が丘や夢の島で予定されていた練習試合が雨で流れ、冬の訪れが間近に迫る季節となってしまった。昨年2008年シーズンはゲリラ豪雨に悩まされ年間16試合しか消化できなかったが、今季2009年シーズンは春から雨が多く、20年目にして初めて５月に１試合もできないという異常事態を経験。しかしＳリーグの前半戦は雨天順延こそ多かったが、後半戦は天候に恵まれて順延なしで10月中に全日程を消化でき、シーズン終了までの１ヶ月半で数試合の練習試合が組めると思っていたが、ここにきて再び天候に恵まれず、結局、優勝決定から今日まで１試合もできずに最終戦を迎えてしまった。ここまで昨年同様の15試合しか消化できていないために今日の最終戦は僅かでも試合数を増やすために久しぶりのダブルヘッダーを決行。師走の足音が近づく大宮には試合に飢えていた14選手が集結し、2004年以来の最終戦ダブルヘッダーへの臨戦態勢は整っていた。だが、気合いとは裏腹に２試合とも残念な結果になってしまうが…。 第１試合目のプレイボールは正午。天気予報では午後から肌寒くなると言われていたが、陽射しもあって予想していたよりも暖かい天候となった。先攻のジュピターズはいきなり初回、先頭の佐藤が二塁打を放ち、続く菊池も痛烈にセンター前に弾き返して早くもチャンスを迎える。一死後に伊藤の内野ゴロの間に佐藤が生還して先取点を挙げた。ところが直後の１回裏、先発を任された仁上は３本のヒットを浴びて早くも同点にされてしまう不安な立ち上がりだった。 ２回のジュピターズは一死から三輪、鈴木の連打で一死一、二塁のチャンスを作るが後続の西浦、手塚が倒れて無得点。３回には仁上が四球で出塁するが盗塁失敗でチャンスを潰し、なかなか追加点が取れずにいた。一方、マウンドの仁上も２回、３回とランナーは出すが要所を締めて追加点を許すことはなかった。試合が動いたのは４回、Ｓリーグ２年連続優勝を決定した試合から復帰した北島が今季初ヒットを放ってノーアウトでランナーが出ると、すかさず盗塁でチャンスを広げる。打順は先頭に戻り佐藤が２打席連続ヒットでランナーの北島は三塁を蹴ってホームへ。ホーム手前で足がもつれて転倒するハプニングはあったが、それでも這いつくばって生還し勝ち越しに成功。さらに菊池の内野ゴロでランナーは入れ替わったが、後藤がヒットで続き、菊池とのダブルスチールを敢行して一死二、三塁とチャンスは続いた。４番の伊藤が倒れ二死となり続く箕浦に期待がかかった。この試合は出欠登録順を採用したため、いつもとは変わった不思議な打順で５番に入った箕浦だった。しかしＳリーグ優勝決定戦でも意外性を発揮して殊勲打を放った箕浦は、この打席でも渋といバッティングを披露してレフト前へ弾き返す。スタートを切っていた菊池と後藤が相次いでホームを踏み、この回３点を挙げることができた。ところが３点のリードをもらった直後の仁上は一死から右中間を深々と破られる長打を浴び、さらに続く打者にも連打を許して１点を献上して２点差とされてしまう。 すぐにまたリードを広げたいジュピターズは５回、９月の結婚式後、初試合となった鈴木が２打席連続のヒットを放ってノーアウトで出塁、続く西浦も敵失で出塁するが手塚、則と倒れ、則の内野フライで飛び出した西浦が帰塁できずダブルプレーとなりチャンスを逸してしまう。６回は三者凡退で７回は内野安打で出た菊池が盗塁失敗とチグハグな攻撃が続きスコアボードは０行進となってしまった。 ５回から仁上に代わってマウンドには岡村が2006年の入団以来、初めてのマウンドに登った。投手王国再建のために来季へ向けてのテスト登板でもあった。５回は無難に抑え、６回は一死から二塁打を打たれて三盗を許し、内野ゴロの間に１点を与えてしまい１点差とされてしまう。迎えた最終回、簡単に二死まで取って勝利まであと１人のところから四球を与え、さらに暴投で二塁に進まれてしまうと、次打者にヒットを打たれて中継がもたつく間に二塁からランナーが生還、土壇場で同点に追いつかれ、さらにサヨナラのピンチとしてしまう。続く打者もレフトオーバーの二塁打を打たれ二死二、三塁と大ピンチだったが、次打者からは渾身の力で三振を奪い、なんとかサヨナラ負けを回避した。 両チームとも四死球やエラーが少なく、締まった試合のために時間が余っていたので、このまま延長戦に突入。延長突入は１年半ぶりである。８回表、一死から箕浦が二塁打を放ってチャンスを演出したものの、岡村がキャッチャーフライ、続く三輪の打球は当たりは良かったがセカンドライナーとなり勝ち越し点は奪えなかった。８回裏も岡村が続投し簡単に三者凡退に抑え、この時点で時間となり延長８回の死闘は今季２度目の引き分け試合となった。 ジュピターズは二桁安打を放ちながら４点しか奪えず、特に９番以降の下位打線の沈黙が痛かった。出欠登録順の打順ながら９番以降にはクリーンアップ経験者が並んでいたのに凡打が多く目立ち得点に結び付かなかった。 試合開始直後は暖かな太陽が出ていたが、時間が経つたびに雲に覆われて風も冷たくなってきた。第１試合終了から約10分後、対戦相手を変えてダブルヘッダー第２試合、20年目ジュピターズの最終戦を迎えることになる。最終戦は寒さとの戦いにもなりそうだった…。 |
| 守 備 |
名前 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 失策 | 通算 打率 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 8 | 佐藤 | 3 | 3 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | .432 | 中２ | … | … | 左安 | … | … | 中飛 | … |
| 4 | 菊池 | 3 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | .244 | 中安 | … | … | 遊ゴ | … | … | 三安 | … |
| D | 後藤 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .259 | 一飛 | … | … | 中安 | … | … | 投ゴ | … |
| 6 | 伊藤 | 3 | 3 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .263 | 三ゴ | … | … | 三振 | … | … | … | 遊飛 |
| D9D | 箕浦 | 3 | 3 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | .161 | 三振 | … | … | 左安 | … | … | … | 左２ |
| 9D1 | 岡村 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .389 | … | 二ゴ | … | 中２ | … | … | … | 捕飛 |
| 5 | 三輪 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | .320 | … | 右安 | … | 投ゴ | … | … | … | 二直 |
| D9 | 鈴木 | 2 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .429 | … | 遊安 | … | … | 左安 | … | … | … |
| 3 | 西浦 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .267 | … | 二飛 | … | … | 二失 | … | … | … |
| D | 手塚 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .250 | … | 三振 | … | … | 投飛 | … | … | … |
| 2 | 則 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .200 | … | … | 遊ゴ | … | 投飛 | … | … | … |
| 17 | 仁上 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .156 | … | … | 四球 | … | … | 一ゴ | … | … |
| 7D | 高橋 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .176 | … | … | 投飛 | … | … | 投飛 | … | … |
| D | 北島 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | .250 | … | … | … | 中安 | … | 三振 | … | … |
| 合計 | 35 | 34 | 12 | 4 | 1 | 4 | 4 | 1 | .259 | 試合時間1時間45分 | ||||||||
| 名前 | イニング | 打者 | 安打 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 | 投球数 | |
| 仁 上 | 4 | 19 | 6 | 3 | 0 | 2 | 2.64 | 59 | |
| 岡 村 | 4 | 17 | 3 | 2 | 1 | 2 | 3.50 | 50 |
