今年の桜は例年より早く満開を迎えた。満開の後は散るだけであり、今年の開幕の頃にはすでに散っていると思っていたが、満開後は気温の低い日が続き、2013年ジュピターズの開幕を大宮の桜は、ほぼ満開の状態で迎えてくれた。1990年に創設したジュピターズにとって24度目の開幕がやってきた。背水の24年目と題した今季は開幕戦を1998年以来15年ぶり、通算４度目となる開幕ダブルヘッダーを敢行、華々しくスタートを切る予定であったが、この日の気温は前日未明から降った雨の影響もあり僅か８度と真冬並みの寒さ。とても野球をやるような環境ではなかったが、新入団の松本や入団希望の鈴木（武）も加え、総勢14選手が極寒の大宮に集まった。
２週間前、同じ大宮でシーズン直前の全体練習をミニゲームという形で行い、開幕への準備は万端のはずだったが、まさかの一桁気温に逸る気持ちは抑えられ、モチベーションを上げるのも一苦労。さらに開幕投手を予定していた仁上が遅刻のために、準備もままならない長谷川が緊急に開幕投手となった。様々なネガティブファクターを抱えたまま24回目の開幕戦は寒空の下でプレイボールとなった。
急遽、開幕投手となった長谷川は初回から準備不足が露呈し、連続四死球を与え、さらにワイルドピッチも続き、内野ゴロの間に先制されると、再び四球と寒さの中でボールをコントロールするのに苦労していた。また、真冬並みの寒さの中、長い守備時間を強いられた守備陣にも乱れが出て、結局初回はノーヒットながら３四死球と２失策が絡んで４点を奪われてしまう。さらに２回にも二死から四球と連打で２点を与え、序盤で早くも６点のビハインドを負ってしまった。
一方、この寒さの中では相手投手も同じように立ち上がりに苦しんでいたが、淡白な打線がみすみす相手を助けてしまった。初回、先頭の高橋が死球で歩くも、続く手塚がショートへの併殺打でチャンスを潰すと、２回は一死満塁から菊池がホームゲッツーとなる単純なピッチャーゴロで得点を奪うことができなかった。３回も一死から田辺が死球で出ると二盗、三盗を成功させチャンスを演出するも後続が続けず無得点。４回も四球でランナーを出すが塁上に釘づけのままチェンジとなってしまった。毎回、チャンスを作るが、まるで打線は寒さの中で冬眠状態のようだった。
立ち上がりの２イニングで６点を献上した長谷川は３回、一死から味方のミスでランナーを出し、二盗を決められピンチを迎えるも続く打者を三振に取り、二死からライト前に弾き返されるが、右翼手の岡村がホームにレーザービーム返球、捕手の松本がキャッチし三塁を蹴ってホームに向かってくる走者に楽々とタッチして追加点を免れた。
４回からマウンドには入団希望の体験参加者である鈴木（武）が登る。恵まれた体格を生かし鈴木（武）はランナーを出すものの４回、５回を無得点に抑え味方の援護を待った。すると５回、敵失で出塁した佐藤が次打者の岡村の時にボークがあって二塁へ進み、さらに岡村の内野ゴロがエラーとなりホームへ生還、ようやく１点を返した。しかし６回、マウンドの鈴木（武）は２安打を浴びて１点、最終回にも味方の守備の乱れや制球を乱して１点を与えてしまい８対１と大きくリードされたまま最後の攻撃に移る。
最終回、一死から鈴木（武）がライト前にヒットを放ち、続く仁上が四球で歩くと打順は１番に戻り、高橋が意表を突くセーフティーバント。これが相手のエラーを誘い、鈴木（武）が三塁を蹴ってホームイン。さらに一、二塁のチャンスが続いたが、期待の手塚、佐藤が連続三振に倒れゲームセット。
結局、極寒の中で行われた2013年シーズンの開幕戦は僅か４安打しか打てず８対２で完敗。相手チームより厳しい寒さに2013年シーズンの出鼻を挫かれてしまった形になってしまった。しかし、この日はダブルヘッダー、この試合の15分後に対戦相手を変え次の試合が待っていた。身体の芯から冷え切った中での第２戦も厳しい戦いが予想されるが少しでも楽しみながら戦っていきたい。
尚、この試合後に体験参加の鈴木武志選手の正式入団が決まった。ポジションは投手、背番号も14番に決まった。
※新入団の鈴木武志選手は鈴木雅之選手と区別するために本文では今後、鈴木（武）と記載、成績表は鈴木武と記載します。
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